都会の空き家・附置住宅制度

東京の都心部などのオフィス街をはじめ、定住人口の減少に頭を悩ませるエリアにおける人口の定住確保と良質な住宅環境の整備のため、新たに建設されるビルなどを対象に、集合住宅などの付置を義務付ける取り決めが1990年代初頭頃から都内都心部の特別区で要綱として定められた。

「要綱」は法令による根拠はなく、地方自治体の基本的な又は重要な内部事務の取扱いについて定めたものであり法的な拘束力はない。しかし「住宅附置制度」等は、建築確認申請の事前協議対象としていることから実質的に建築基準法の関係規定として機能している。

それら要綱が定められてから四半世紀近い年月が経過した。

現在 都内都心部は、人口減少から一転して増加傾向にある。中央区等は人口が予想以上に増えすぎてインフラ整備が間に合わなくなっている。

この附置住宅制度、立地に関係なく敷地面積500㎡以上、延べ床面積3000㎡以上の新築建物に附置を指導したものだからホテルの上階に附置住宅があったり、事務所の上階に附置住宅があったりする。

最近幾つかの附置住宅がある建物の実情を聞いたところ「空き室」が多いことを知った。

附置住宅制度による住宅は、今はやりの民泊に転用することもできない。

空き家対策といっても附置住宅制度の実態調査など行われていないだろう。実際には、空き室もさることながら「飛ばし」も多いと聞く。附置住宅制度自体が時代遅れになってきているのではないか。

法律は、時代の後から明文化される。金科玉条のごとく「遵法性」を錦の御旗に振り上げているぐらいなら制度の見直しが必要ではないか常に考えていた方が良い。

「台湾レトロ建築案内」老屋顔

台湾のレトロ建築の魅力をフェイスブックで紹介している「老屋顔」をまとめた本。

「老屋顔」とは「レトロ建築のもつ顔」と言ったニュアンスの造語との事。

台湾各地には日本統治時代に建てられた建物が多く残り、近年はそれらをリノベーションして甦らせ、魅力あるまちづくりに寄与している。

それらは「鉄窓花」「人造石」「赤レンガ」「装飾ブロック」「セラミックタイル」といった材料により作り出されたディティールの集積によって多彩で魅力的な空間づくりに貢献してきた。

日本でも近年は、特別残さなくてもいいんじゃねぇと思えるような建物がリノベーションされ残されたり。新築よりリノベーションの方が安く提供できるし利益を載せて売れるといった商業主義的なリノベーションも多々見受けられる。さながら「猫も杓子も」リノベ―ションというような時代の傾向といえるだろうか。

こういう本を見ていると純粋にレトロ建築が好きだと言う著者たちの気持ちが伝わってくるし、建築に表出された時代の精神や価値観にまで思いをはせることができる。

老屋顔

あらかわ遊園

二人の孫娘を半日預かったので、あらかわ遊園に連れていった。あらかわ遊園は都内唯一の区営遊園地。今年の11月末でリニューアルの為に閉鎖される。リニューアルオープンは2021年春頃が予定されている。

この日は三連休の最終日で、アンパンマンショーが開催されていたためか、いつもより人出が多かったようだ。

都内最後のチンチン電車に乗って、レトロと言うべきかチープと言うべきか、異なる世界に入ってしまったかのように感じた。まるで子供達・未就学児の楽園。

何しろ大人入園料200円、乗り物代も安く家計に優しい値段設定。昔の後楽園遊園地もこんな感じだった。

観覧車などが新しくなるそうだが、あくまでも未就学児対象の遊園地のままであって欲しいなと思う。

二人の孫娘はパワー全開。楽しかった。又来たいと言う。相手をした爺と婆は すっかり疲れ切ってしまった。

大塚天祖神社・神輿巡行

毎年9月17日は、大塚天祖神社の大祭式。それに近い土日、今年は9月16日に神輿巡行が行われた。

大塚天祖神社は、昔の巣鴨村(今の豊島区のほぼ半分)の鎮守さまで、我が家も天祖神社の氏子。

鎌倉時代末の元亨年間(1321~4)に、領主の豊島氏が伊勢の皇大神宮の神さまをお迎えしてお祀りしたのが最初だと言われている。明治6年に天祖神社と名前が変わるまでは、神明社・神明神宮と呼ばれていた。

100基に及ぶ町内神輿が出るのだが、神輿の出発・拠点となる神酒所は33箇所。その開催準備は、町内会の催しものでは一大イベント。まもなく4歳になる孫娘も法被を借りて朝からの子供神輿に初めて参加した。参加した子供には至れり尽くせりで御土産を貰える。

この神酒所を中心として各町内に例祭幟旗が掲げられ、各地で連合神輿を組み祭りを盛り上げている。

「LIVING IN PLACE」フィールドオフィス・アーキテクツ+ホアン・シェン・ユェン著


2015年にギャラリー間で開催された

フィールドオフィス・アーキテクツの個展の際に出版された作品集。

最近は、夜な夜な仕事の合間にこの作品集を眺めている。

深夜、心は宣蘭(イーラン)に飛ぶ。

【2015年7月講演会】

幸せとは

「日々の暮らしが充実していること、

そして好きな人たちとずっと一緒に暮らすこと。」

この言葉を大切に生きていきたいと思った。

【自然災害】違反建築物による損害賠償

古来より日本は災害大国と言われ、祖先は幾多の災害を乗り超えて今にバトンを繋いできている。今回の台風21号による被害状況を見ていて「自然災害による被害や損害賠償」について色々と考えた。

とりわけ今回は建物の屋上に設置されたプレハブ製と思われる倉庫のようなもの、看板類の飛散による他者に対する損害が気になった。

一般的には、自然災害による損害は請求権がないとされている。しかし瑕疵がある場合はその限りではない。

(民法第七百十七条・土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない」

上記の民法717条は、普通の不法行為(民法709条)と異なり、故意や過失の存否を問題としていない。
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた」場合には、一次的には占有者が、補充的に所有者が賠償責任を負うという定めになっている(占有者は責任を免れることもあるが所有者は無過失責任なので、過失がなくとも損害賠償責任を負うことになる)

屋上に設置されたプレハブ倉庫。

経験上ほとんどが無届・違法建築で本体建物との緊結方法もその安全性が疑わしいものが多い。「違法建築なら損害請求をすることができるか」と先日聞かれたので、違法性を立証できれば可能ではと答え、違法性の調査は比較的容易だよと答えた。

この原稿を下書きしていたところ北海道胆振で震度7の地震があった。自然災害は色々な教訓を我々に与えてくれる。

【自然災害】風圧力・瞬間最大風速と平均風速

「建築基準法施行令第八十七条

風圧力は、速度圧に風力係数を乗じて計算しなければならない。
2  前項の速度圧は、次の式によつて計算しなければならない。
q = 0.6 E V o (2乗)

この式において、q , E 及びVo は、それぞれ次の数値を表すものとする。
q 速度圧(単位 一平方メートルにつきニュートン)
E 当該建築物の屋根の高さ及び周辺の地域に存する建築物その他の工作物、樹木その他の風速に影響を与えるものの状況に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Vo  その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて三十メートル毎秒から四十六メートル毎秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速(単位 メートル毎秒)〕
3 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、前項の規定による数値の二分の一まで減らすことができる。
4 第一項の風力係数は、風洞試験によつて定める場合のほか、建築物又は工作物の断面及び平面の形状に応じて国土交通大臣が定める数値によらなければならない。」

地震力の陰に隠れて、普段はあまり気にしない風圧力だが、時々建築関係の試験問題に出てくる事があるし、建築基準法の荷重・外力でも重要なひとつ。

建築基準法には瞬間最大風速が何m/secとは記述されていないが、各地域毎の「平均風速」は決められていて平均風速は概ね32~34m/secとされている地域が多い。
この平均風速と粗度区分(街中か平原の中なのか)とか、高さの係数、ガスト影響係数(瞬間的に強くなったり弱くなったりを考慮する為の係数)などより、建物の高さ毎の風圧力を算定する。
瞬間最大風速は、平均風速にガスト影響係数をかけたものと考えてよいと思うので、ガスト影響係数は概ね2.0以上くらいになることから、瞬間最大風速としては60m/sec以上ということがいえる。尚、高さが高い建物で都市化が進んでいるところほどガスト影響係数の数値も大きくなる。例えば超高層ビル。

この値は、1934年9月の室戸台風での瞬間最大風速61m/secが基準になっている。

今回の台風21号による関西地域の最大瞬間風速は50m/secを超えていたようだし、関西国際空港では58.1m/secを記録したと報道されていることから、建築基準法で想定している最大値にほぼ近かったと思われる。

常備品

仕事をするときの これまでの常備品は「湿布」と「目薬」だったが、今年の夏から眼を養生するための「アイマスク」と「熱さまシート」が加わった。

「熱さまシート」は、今年の夏に肺炎で入院した時に蜂窩織炎(ほうかしきえん)という感染症に右足がかかり炎症を抑えるために冷していた。蜂巣炎(ほうそうえん)とも言うが毛穴や傷口から細菌が侵入して、皮膚の深い組織が炎症をおこす感染症。抗生物質を飲んでいれば直るのだが、抗生物質で胃がやられ、全然食欲がなくなる。それ以来常備しているのだが、脚が浮腫んだときに使用している。

湿布は保険適用のモーラステープ。目薬は薬局で買えるものだが、最近は「Vロートアクティブ・premium」、薬局に行くたびにいろんなものを買って試している。

常備品が増えてきたのは歳のせいか・・・。

 

多層階住宅

【箱根で見つけたタイルを張ったベンチ・お尻が熱かった】

最近の仕事の依頼は「多層階住宅のリノベーション」しかも「検済無」が圧倒的。

恐らく弊社の事務所兼住宅が豊島区の密集市街地にあり、まわりにあるのは3階建て以上の多層階住宅で「職住近接」「店舗併用住宅」が多いからなのだとは思う。居住しているからこそ地縁・人縁も年月が経っにつれ広がっている。

新築で建てた建物も20年も経てば家族構成も変わるし、下階にあった事務所や作業所も不要になったりする。高齢化に伴いエレベ―ター設置の希望も多い。住宅が不要になって他の用途に変更したいという相談もある。

既存の多層階住宅のほとんどが重量鉄骨造で、これが意外とスケルトン・インフィルで内部間仕切りの可変性が高い。鉄骨造特有の内部結露を起こしている建物も多いが、これは断熱改修をすれば改善する。

何度か郊外に移ろうかとも考えたこともあるが、交通の利便性がよいのでこの地が捨てがたい。三多摩等と比べる生鮮食料品等の物価は高いし品質も悪いと感じるが・・・。

しばらく「多層階住宅」の可能性を探ってみようと思う。

検済無・横増築・多層階住宅のリノベーション・荒川区町屋PJ

築21年、鉄骨造3階建て既存延床面積182㎡の建物の前面道路側・横に増築するプロジェクトです。既存建物の工事完了検査済み証がなかったので建築基準適合性状況調査を行い、荒川区に法第12条第5項報告と建築確認申請を提出しました。

建築主からの最初の希望は、屋上に増築して4階をつくりたい。新築する時に施工会社に依頼したし、上増築が出来るようになっていると言われていた。と言う事でした。

既存建物の構造計算書が残っていたので検討した結果。確かに屋上の積載荷重を多く見ていましたが、逆日影で検討したところ屋根裏部屋のようなものしか出来ない事。直通階段の設置が難しい事。既存建物全体の補強工事や法適合工事がかかる割には要望する空間が得られない事。つまり投資対効果が悪い事から4階増築は断念し横増築に変更しました。

既存建物が建てられた頃は建ぺい率が60%でしたが、その後の都市計画の変更で建蔽率が80%に変更されていましたので、横増築が可能となりました。

この物件は、法第12条第5項報告が比較的短期間にスムーズに終了しました。一番の理由は、荒川区が検査済証の無い建物の調査について調査報告書の指針・書式等を完備しているからだと思います。都内で自前の書式等を整備しているのは荒川区だけです。イレギュラーな部分は打合せ協議をし、物理的調査について調査者の判断で良いのかあるいは第三者機関の証明が必要なのか個々に打合せしておけば良く、後から追加調査が必要となるような追加指示がありませんでした。勿論弊社の調査報告書の完成度が高かったと言う事もありますが、行政側の方針がゆるぎなかったと言う事が一番の要因です。

既存延床面積182㎡+増築面積33㎡ 合計215㎡で1階から3階までが多層階住宅(二世代住宅)となっています。また新たに3層用ホームエレベーターを設置しています。建築確認申請上の工事種別は増築となっております。

【建築場所】東京都荒川区町屋
【法的規制】準工業地域・準防火地域・容積率300%・建蔽率80%
【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・有/各種施工報告書・無/工事中写真・一部有
【調査・設計・許認可申請】株式会社 寺田建築事務所
【構造設計】一級建築士事務所 ビオス
【法12条5項・建築確認】荒川区

サンシャインシティ納涼盆踊り大会

第41回サンシャインシティ納涼盆踊り大会

サンシャインシティの屋上(4階相当)に行ってみた

ここは、飼い犬が生きていた時の散歩コース

サンシャイン60やプリンスホテルに囲まれた階段状広場の上にある平坦部が会場。私たちの子供の頃の田舎の盆踊り大会とは風情が異なるが、池袋の7町会が協力しているとあって「こんなに子供いたっけ」というほど子供達が集まってきて輪投げ、スマートボールすくい、射的で遊んでいた。

時々 アンパンマン音頭なども混じり子供達も参加して踊っていた。孫が「楽しかった」と言っていたので、これはこれで都会の子供達の夏の思い出にはなるのだろう。建築によって作り出された人工台地も年月が経ち地域に浸透すれば「広場」になるんだなと思った。ちなみにこの盆踊り大会は41回目。

そういえば、屋上広場は照り返しで暑いかなと思っていたら、心地よい風が吹き抜けていた。ビル風も真夏にはちょっとは役に立つ。

サンシャインシティ周辺は、再開発ばやりで既存住民は他地域に追い出され新住民が流入している。合わせて住民の高齢化で年々町会の維持も難しくなってきている。子供会が成立しなくなった町会もある。これからどうなっていくのだろうか。

神様への御挨拶

仕事で各地を訪れると出来るだけ神社に参拝することにしている。

いつからか それが習慣のようになっている

私は、無神論者なのに何故だろうね。

写真は 箱根の九頭竜神社元宮

芦ノ湖プリンスホテルから車では行けず徒歩で20分近くかかった。

妻は、神様が留守じゃないかと言っていた。

白龍神社 小さい祠だけど ちょつと感じるものがあるらしい

箱根神社

箱根神社の脇に出来た九頭竜神社新宮

検済無・上増築・多層階住宅のリノベーション・大田区西糀谷PJ

築17年・鉄骨造3階建て・既存延床面積187㎡の建物の上に一層増築して4階建てにするプロジェクトです。既存建物の工事完了検査済証が無かったので建築基準適合性状況調査を行い、大田区に法12条5項報告と建築確認申請を提出し確認済証を受けました。現在工事中です。

小規模ビルでは珍しく様々な施工報告書等が残っていましたが、基礎コンクリートの強度確認、柱脚部の確認、鉄骨材質の確認(成分分析)など補充的な物理的調査を行いました。

増築である為、建築基準法の構造規定を全て現行基準に適合させなければならず、様々な部位の構造的検証が必要となりました。

既存延床面積187㎡+4階増築面積36㎡ 合計223㎡で1階が店舗で2階から4階までが多層階住宅(申請は共同住宅2戸)となっています。また新たに4層用ホームエレベーターを設置しています。建築確認申請上の工事種別は、増築+用途変更+大規模修繕となっております。

「上増築」は、建築ストックの再生活用の中でも難易度の高い業務であり、調査・設計・申請の各業務は、検査済証の無い他のプロジェクトと比べても時間と経費を費やします。

また既存建物の施工結果報告書等一定の工事中の書類が残っていないと、初期の段階で増築可能かどうか基本的検討ができません。

今回は色々な条件が整い確認済証までこぎつけることができました。関係各位の御協力・御尽力がなければなし得ませんでした。あらためて御礼申し上げます。

  • 【建築場所】東京都大田区西糀谷
  • 【法的規制】近隣商業地域・防火地域・防災街区整備地区
  •                        ・容積率400%・建蔽率80%
  • 【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・無
  •          /各種施工報告書・一部有
  • 【調査・設計・許認可申請】株式会社 寺田建築事務所
  • 【構造設計】一級建築士事務所 ビオス
  • 【構造適判】株式会社 国際確認検査センター構造適判部・東京本部(ルート2)
  • 【法12条5項・建築確認】大田区

一枚の御礼状

【九頭竜神社元宮】

先日、ある信用金庫に普通口座を開設したら、支店長と窓口担当者の直筆署名入りで口座開設の御礼状が届いた。長い人生の中で金融機関からお礼状が届いたのは初めてで、ちょつと感動した。

沢山の金額を預金したわけではない。2千円で口座を開設しただけなのにだ。

金融機関とお付き合いしていても、あまりいい思い出は蘇ってこない。あるメガバンクに会社の口座開設を申し込んだとき、開設審査に二週間以上かかる言われ 何故うちの銀行に口座開設するんですかと言われた。さも出来立ての零細企業は相手にしませんよという口振りだったので「もういいですと」断り、今のメガバンクにしたが、このメガバンクしても この5年間一度も銀行から挨拶に来たことも令状も来たことが無い。

あまたある金融機関から選択しているのだから、こちらだって多少は選択した理由がある。今は、地域とともに成長しようとする姿勢の見える信用金庫あたりとお付き合いするのが適切なのかと思っている。

そいえばメガバングは どこもリストラと店舗の再編に大きく動き出している。それに応じて弊社の仕事も多くなってきているのだが、「人のふんどしで相撲をとる」という基本の姿勢が変わらない限り、成長は難しい。