御用納め

今日が官庁や多くの民間企業の仕事納めだ。

ただ自営業者に仕事納めというものは 事実上ない。

年末にかけて幾つもの設計プロジェクトに関りを持つようになってきた。勿論 プロジェクト毎に設計事務所も建物の用途・打合せをする行政・指定確認検査機関も異なる。

いろいろな設計段階から関与するのだが、多くは基本設計が出来たか出来てないかとの段階でプロジェクトに関り始める。

設計担当者達からの法的な質問や出来ればこうしたい等の意見を聞きながら、設計担当者が行政等との打合せが不充分と思ったら、再度 必要な事前協議等の打合せを行政と行ったり、消防署や指定確認検査機関と打合せをしたりする。

設計というのは問題が複雑に絡み合っていて、法的な規制・建築主の要望・コスト等 まるで連立多次方程式を解いていくがごとくである。

例えば、消防法の無窓階・有窓階の取り扱い。

無窓階にすれば屋内消火栓・火災報知器の機種変更・誘導灯が必要となり、当然建設コストがアップする場合があるとする。有窓階にするにしても東京消防庁の「消防同意事務審査要領」(これは各県で微妙に異なる)に詳細な規定があるし、中庭形式とか そもそも道路側が西向きなので開口部は極力小さく少なくしたい等 と こちら立てればあちらが立たずのような もつれた糸を解くような作業の連続である。

自分なりに法文を再読し、各地の取り扱い事例を参考にして 行政や指定確認検査機関と交渉したりしている。

私がプロジェクトに関与する事で、建設コストが下がったり、面倒な役所との交渉がスムーズになつたりと 業務料金以上にプロジェクトに貢献していると自負している。

そうした事を各設計事務所の若いスタッフとやりとりし、行政や指定確認検査機関と打合せし、橋渡しをする業務といえるだろうか。

だからか単純な建物は あまり相談されないし、建築基準法だけでなく、そのプロジェクトに関わるほとんどの申請・届出などの手続きに関与している。

勿論省エネ法の届出とか単独申請の業務も多いのだが・・・

設計事務所はスタッフはギリギリの人数で活動している。これは現在の中小零細企業はどこも同じで、設計事務所はゼロにもならないC細企業と言われている。だからプロジェクトが重なったりすると図面を信頼して外注できる事務所があれば良いが、そうでない場合はスタッフが施主との打合せ・図面にかかりきりになり、許認可業務が後手後手になる事もある。そうした場合や複雑な許認可(私の得意分野は都市計画法と建築基準法)が必要な時、私が呼ばれる。

「どんな仕事をしているの?」と よく聞かれるが、以前は「図面を書かない建築事務所です」と言っていたが、最近 概略こういう業務と言える様になってきた。

もともと今年、独立開業するつもりはなかった。

たまたま体調を悪くし、入院・自宅療養をしていくうちに、漠然と今の業務のイメージが出来てきた。その後は軌道修正をしながら進んでいる。

まぁ 石橋を叩いて渡るより飛び越えてしまえという気質なので 回りは結構苦労するらしい。

 

都電荒川線に乗って~

resize1094

今日は 朝から都電荒川線に乗って、荒川消防署と荒川区役所に行ってきた。

電車の中はポカポカと暖かく爆睡・・・

消防署予防係、荒川区役所内の各部署を回って事前相談等をしてきた。

resize1093

 

荒川区役所の地下一階食堂でそば定食(500円)を食べる。

役所の食堂は中高年向きにヘルシーな食事が多く しかも安い。

炭水化物と糖質を少なめに摂取するように言われて、医者から減量命令が出ている自分が外食するとき、街の食堂より役所の食堂がうってつけ。

荒川区の食堂には 他にも豆腐ハンバーグ定食とかヘルシーなメニューが多い。

しばらく贔屓にさせてもらおう。

 

 

構造体の劣化調査方法

1,目視検査

構造物の調査を行なう時には、目視による外観調査が最も基本的な検査である。

コンクリート構造物の劣化が表れた段階では、コンクリートの表面に変化が出ることが多い。

「目視」とは、ただ対象を「眺める」ことではない。

この時 ひび割れ幅の測定がその後の調査や検査を決めていく基本調査となる。このひび割れ幅の測定に使うのがクラックスケール(定価500円程度)。

幅2mm 以上のひび割れが見つかったら要注意で、それがどのような形状かによつて判断をしていくが また別の機会に書く事にする。

又、ひび割れの深さを測る器具もある。・・・市販品は見当たらず独自に作ることが多い。

2,打音検査

コンクリートの表面をハンマー打撃することで生じる打撃音を人間の耳で聞き、その音によって欠陥の有無を判断する方法。

打音検査は、構造物の検査に限らずタイル面の剥離検査、モルタル面の剥離検査、鋼構造建築におけるボルト類の緊結状況の確認、あるいは又 電車の車輪検査や大型トラックのタイヤの検査など幅広い分野の基本的な検査方法として定着している。

打撃音は、清音・軽音・濁音などに区別され欠陥存在の可能性を判断する。

打音棒が市販されている

****

以上はアナログ的な検査であるが、同じ打音検査でもマイクロフォン等の音響機器で計測し詳細な検討を行なう方法もある。

3, コア試験

コンクリート構造体をコアボーリンクして(主として横方法)コアを採取し、幾つかの検査をして評価する。

  • コンクリートの中性化深さを調べる
  • 塩化物イオン含有量を測定し、コンクリート表面からの深さ方法における塩化物イオン含有量の分布状況を把握する。
  • コンクリートの圧縮強度を調べる

4,テストハンマー試験

テストハンマーは、コンクリートの非破壊試験の一つ。

一般的に普及しているのは、シュミットハンマーで 私は都度レンタル品を利用している。現在コア試験以前の予備調査段階(出来るだけ経費をかけない場合の調査)で採用している。

5, X線法

コンクリート内部の鉄筋の配置状態や空洞の確認・推定をするもの。

 

 

 

 

 

 

笹子トンネル・コンクリート製天井版 落下事件

中央自動車道上り線の笹子トンネル(山梨県大月市、甲州市)でコンクリート製の天井板が崩落し9人が死亡した事故。

この事故の起きる数日前には、甲府への行き帰りで中央自動車道を利用して笹子トンネルを通過していたので他人事とは思えない事件。

同トンネルと同じ構造だった小仏トンネル(東京都八王子市、神奈川県相模原市)では、中日本高速道路の前身、旧道路公団が2001年と03年に天井板を撤去していたと報道されている。

どうやら道路を止めないで工事をするので安全対策を含めた改修費用がかかるという判断で中日本高速が改修工事を先延ばしにし、安全対策に消極的だったようだ。

事故が起きた笹子トンネルは、トンネル最上部に固定されたつり金具がコンクリート製の天井板を支える構造。

同トンネル上り線が全長4700メートルあるのに対し、小仏トンネルは約2000メートル。

小仏トンネルは、01年11月に上り線、03年11月に下り線で、天井板を撤去し、換気用のジェットファンを設置。照明も更新していたそうだ。

なんでも民営化していつて、サービスエリアなんかショッピングセンターみたいになったし、買い物もしたくなるように工夫はされたけど、それは利用者がお金を使うのを誘導する為。

基本的な点検、安全対策はきちんとやってもらいたいものだ。

 

一級建築士定期講習・修了書

先月講習を受けた一級建築士の定期講習の修了書が昨日 書留で送られてきた。

40問中38問の正答で95% 2問間違ったようだが どこかな~。

おりしも 一級建築士の資格詐称が 昨日国交省から5件報告されていた。これまでに摘発された詐称は20件になるという。

今まで資格証を照合するシステムがなかったのだから、突合していけば まだでてくるかも知れない。

基本は個人の倫理の問題だけど、長年照合システムをつくらないで放置してきた責任は あまり問われない。