桜×鯰3 構造見学会

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桜設計集団と鯰組の設計施工標準化プロジェクトによる木造住宅の構造見学会に行ってきた。

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奈良県吉野で天然乾燥した杉の柱・梁とパネル床(国産杉直交三層・Jパネル)の現し

この床のJパネルは、準耐火構造の床に現しで使えるということで以前カタログと見本を(協)レングスさんからいただいていた。

吉野杉もJパネルも実際施工された現場を見ると きれいだなぁ 良いなあと思った。

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聞くところによると準防火地域だそうだが、外壁は落とし込み板壁で(杉板30厚+24厚)ガリバリウム鋼板壁で、ガルバリウム下地に石膏ボードを用いない防火構造となっているとのこと。

軒裏は、垂木・面戸板・野地板12厚現しで準耐火構造軒裏になっているそうだ。

所用の途中に しかも路駐して見学をさせてもらったので、ほんのわずかな時間しか滞在できなかった。

後で知ったが鯰組の岸本さんは、私が学生時代から幾度か叱咤激励をいただいていた真木建設の故田中文雄さんの御弟子さんらしい。挨拶してくればよかった。

 

合成の誤謬

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日影被害の話し

赤い部分が今回の被害宅で木造平屋建て築50年近く経過している建物

西側に7階建てのマンション、南側に5階建てのマンションが次々と建った。

それぞれの建物は圧迫感はあるし午後の陽ざしはほとんど入らなくなったが日影時間は適法。午後は陽がささなくなったが、それでも東側隣地は2階建てのアパートだったので、朝から昼近くまで陽はさしていた。

ところが東側隣地に、新しく建替えで5階建てのマンションが計画された。説明を受けると一日中太陽が差し込まないようなのだ。

しかし東側の計画建物は、提出された日影時間図等を見ると適法のようだ。

「日影被害を訴えられるか」と聞かれたので「難しいだろう」と答えた。三つの所有者の異なる建物からの複合被害だから、「建築基準法を作った国を訴えるしかないかも」と

『合成の誤謬(ごうせいのごびゅう、fallacy of composition)とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語』(Wikipedia)

最近の建築基準法の改正は、私権の拡大が目立つが環境に配慮した項目は少ないようにも思う。

「合成の誤謬」そんな言葉を思い出した事例だった。

「環境時代のビルディングエンベロープを考えるシンポジウム」IN 東大

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環境時代のビルディングエンベロープを考えるシンポジウム~省エネ・健康リフォームをいかにして普及させるか~in  東大に11月20日参加して来た。

ビルディングエンベロープすなわち外皮を多面的・複眼的に捉え環境時代の外皮に相応しいものを見つけ出すヒントを得るというのがシンポジウム開催の趣旨とのこと(坂本雄三・建築研究所理事長)

第三回目となる今回のシンポジウムでは「住宅の省エネリフォーム」について集中的に議論しようとした企画となっていた。

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【会場の伊藤謝恩ホール】

三人の講演と五人の異なる分野からのパネラーの参加によるパネルディスカッションでみっちり4時間

この分野で、現在どういう取り組みがなされているのか解った。

伊藤国際学術研究センター

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東大(本郷)にある伊藤国際学術研究センター

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香山壽夫氏(東大名誉教授)の設計

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「桜広場」を中心に展開する

街に向かって開かれた知的な出会いの場

この広場の下には約500人収容の講堂が配され、広場へ突き出した2つのトップライトは講堂に自然光を取り込むとともに広場を照らす光の筒となる

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地下2階の伊藤謝恩ホール

http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/iirc/index.html

 

 

 

既存木造住宅の調査 -3

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築50年弱の木造2階建て住宅

外壁は、懐かしきラワン羽目板(t=12)にオイルペイント塗り

塗膜があちこちはがれかかっている

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内壁を壊して、断熱材を取り除いた状態

ラワン羽目板はシミだらけだが 意外にも腐朽はあまり見られなかった

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外壁のラワン羽目板の内側には、防水シートのようなものは貼っていなく、羽目板の下はグラスウールが貼られていたが、写真のようにシミで黒ずみ、黴臭かった。

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床下は土のままなのだが、土台・基礎廻りの状態は健全で、一部柱材が蟻害にあっていただけだった。

この建物は解体され あらたな住宅が建てられるのだが、もう少し以前に、詳細な調査をして外壁・断熱関係をリニューアルしたら長寿命化できたのではないかという感想をもった。

勿論 設備関係の機器も年期がきているようには思ったが・・

調査も国土交通省のガイドラインに沿った程度のインスペクション。すなわち現在通常行われている調査で、このような建物の状況を把握できたかというと疑問があり、住宅医協会で行っているような詳細調査をしなければ、全体の状況を把握できなかったのではないかと思う。

松竹梅でたとえるなら、通常のインスペクションが「梅」で、住宅医協会の調査は「松」

 

検査道具 -2

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左から

ヘッドライト(LED)・・ヘルメット等に取付、手が自由に、中々光量が満足できるものがなく、結局手持ちのライトも併用してしまう。

クラックスケール(カード型)・・コンクリート等のひび割れの太さを計測

レジタル温湿度計・・最近は温湿度が気になって常に計測

レーザー距離計・・天井高、室内内法等 一人で計測

打診棒・・モルタルやコンクリートの浮き、剥離箇所推定

非常用照明点検フック・・非常灯の点検

 

 

ホテル ニューグランド クラシック -1

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横浜・山下公園前のホテル ニューグランド クラシック

朝 8時頃に撮影

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正面玄関

現在は、右脇にできた新館にフロント部門が移動しているから旧正面玄関と言うべきだろうか。

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旧正面玄関上部

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接地部分のディテール

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