老犬介護

もうすぐ14歳になろうとする次女(犬・ゴールデンレトリーバー)が、正月明けから腰がたたなくなり、散歩や外での排尿・排便ができなくなった。

獣医師からの指定で薬を投与したところ、多少腰があがるようになり、腹這いも少しできるようになった。

体重が30Kgぐらいあるので、動物用のオムツでは間に合わず(しかも高い)、人間用のパンツ型オムツにしっぽの部分は切れ目を入れ対応している。

幸いまだ食欲はあり、排便にも異常がないのだが、寝たきり老犬の介護をするようになった。パンツを取り換えて陰部をふいてやると甘えてくるからまだかわいいところがある。

他界した人間の両親は介護することがなく亡くなったが、ここにきて老犬介護をするようになるとは思ってもいなかった。前に飼っていたラブラドル(次男)は12歳で心臓が悪くあっけなく死んだが、次女にはできるだけ長生きしてほしい。

私が仕事をしている部屋の片隅で寝ているので、オシッコ臭いのには閉口し、寒くても窓を開けて換気している。

2/5 追記

そういえば仕事も古い建物のフルリノベが多いので「老建介護」。私生活は「老犬介護」で笑える。

2/10追記

次女は、2016年2月9日早朝 永眠しました。

享年13歳9カ月(人間年齢で約93歳)

2/10 葬儀を執り行いました。

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2歳頃 海辺を走り回る姿

「貸会議室」@「集会場」

オフィスビルの余剰床のコンバージョンの一つの案として提案されたり、採用されるのが「貸会議室」。

注意しなければならないのが、東京都安全条例ではその用途が200㎡を超えると「不特定多数の者が集会等に利用する建築物又はその部分」として集会場として取り扱われること(都安全条例第9条第7号)。集会場となると既存の建物の避難経路では、ほとんど対応できない。(都安全条例第40条から第52条)

ゆえに私のようなコンバーターは、基本的に集会場扱いを避ける。

建築物としては、文化会館・市民ホール・多目的ホール・結婚式場・葬祭場・セレモニーホール。建築物の部分としては、大会議室・ホテルの大宴会場。

日本建築行政会議の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例(2013年版)」では、200㎡以上で、全国的には概ね200㎡以上なのだが、横浜市では「すべての集会室が200㎡以下で、かつ、その床面積の合計が1000㎡以下」だと集会場に該当しない。

ただし熊本県は300㎡以上。

いくつかある貸会議室の最大の一室の床面積が200㎡未満であれば、集会場に該当しないが、例えば199㎡の貸会議室が10室あり合計で1990㎡あっても集会場には該当しないというのも変なもんだ。

固定席でない貸会議室の定員は、床面積を1㎡で除するのが一般的だから200㎡なら定員は200人となり、前例の1990㎡の貸会議室がすべて利用されていると1990人が定員となる。実質はテーブルなどがあるから0.5人/㎡程度になるからその半分ぐらいとなる。それでも定員は995人=約1000人となり、建物全体では地方都市の大ホール以上の定員でも集会場とならないというのは避難上どうなんでしょうかね。

やっぱり横浜市のように、全体の面積の上限を定めておくのが妥当なのではないだろうか。

霊友会釈迦殿

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神谷町から歩いて麻布台の霊友会釈迦殿の周囲を歩いてみた。

1975年に竹中工務店の設計施工で竣工したとあるから、築40年にもなるのか

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外部はステンレスで状態は良い

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周辺は、道路を挟んで住宅地

意外と建物の圧迫感はない

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霊友会釈迦殿脇の雁木坂

インバウンドは増え続けるのだろうか

2015年のインバウンド(訪日外客数)が過去最高の1973万人を超えたという日本政府観光局(JNTO)の発表があった。

東京の街には外国人(アジア系)が溢れ、ホテル建設ラッシュが続いている。とりわけ品川周辺のホテル用地の価格が高騰しているらしい。さらに規制緩和で「民泊」が話題に上がっている。

JNTOの資料を見ると2015年の年計では、中国・韓国・台湾・香港の東アジアからが72%。東南アジア+インドからが11%で全体の83%がアジア系の観光客のようだ。

元々、池袋はリトルチャイナタウン(北池袋)があるぐらいだから中国人は多いのだが、それに加えて日本語学校が増えているらしく街を歩いていても聞いたこともない言語が飛び交っている。

昨年年末まで業務が押しており、年明けてそれらの修正・補足に追われていた。そうはいっても年賀状も年末に間に合わせて、毎年恒例のTAF通信(PDF)も発行できた。そして2016年の事業計画書を作成して社内協議をした。もっとも二人だけ・(笑)

近頃、ようやく時間があいてきたので色々なことを考える。

その中で考えたのが、これからの日本社会・経済の動向。

インバウンドが増えたのは2015年の円安、原油安=燃油サーチャージの値下げによる航空運賃の低下、ビザの大幅緩和等々に起因している。

さて、これからどうなっていくのだろうかと思うと2016年は円高になりそうだし、右肩あがりでインバウンドは増加していくだろうか。

今はやりの「民泊」という怪しいビジネスモデルに手を出して資金回収を図るころには、東アジアの観光客が大幅減ということにならないとも限らない。

消費税10%になると、また国内消費者の需要は低下するのだろう。一定の駆け込み需要の後は反動があるし、死んだ親父が東京オリンピック(私は小学生)の後の数年は不景気だったと言っていたのを思い出すと202×年まで・・・

そんなことを考えると暗澹とした気持ちになる。

以前買って読み半端な「下流老人」という本を読んだ時のような気分。

「求道学舎再生・集合住宅に甦った武田五一の大正建築」

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2008年日本建築学会賞(業績)を受賞した「求道学舎」の再生の全貌を設計者であり施主であり住人である著書がその全貌を綴っている。

東大正門にほど近い本郷の住宅地にあるこの建物は、大正15年(1926年)に学生寮として建てられた。

求道学舎の建物を生かしつつ、62年間の定期借地権付き分譲マンションとして再生された。元はワンルームだった部屋を複数連結し、小家族向けの住戸に改造している。

こんにちでは文化財ではない戦前の建物の多くは解体されているが、この求道学舎は戦前の建物として改修・再生事例として取り上げられることが多い。求道学舎は耐震診断時のコンクリート圧縮強度は公表されていないが、「コンクリート強度は戦前のものとは思えないほど良かった」とこの本でも書かれている。

この建物は耐震性能を確保するために、コンクリートの打増しや外壁仕上げ下地にポリマーセメントモルタルの吹付け等の工事を行っており2009年の改修・再生時に約100万円/坪の工事費がかかっている。(延べ床面積768.1㎡=232坪、概算改修・再生工事費 約2.3億円として~公表資料による。)

求道学舎は、リノベーションと言ってもほぼ新築するのと変わらない工事費がかかっているので、経済合理性を第一番に考慮する民間における一般的なリノベーションとして適用するのは比較しづらい。

恐らく収益性の高い分譲マンションというビジネスモデルだったから成立したのではないだろうか。

以前、この建物の外部だけ見させてもらった事があるが、都心とは思えない静かな住宅地に大正・昭和の雰囲気をかもしだしていた。

内覧

日曜日、中古一戸建て住宅の内覧に付き合った。

業務の一貫ではなく、ボランティアのようなもの。

ネット検索等で絞り込んで、これぞという物件の内覧であり、かつ探し始めて最初の内覧だった。

私には、物件の住所の丁目までと建物の外観・間取りがわかるとネット上で事前に位置を特定(住所・地番)することができるという得意技があって、この日も的中していた。

物件は築15年の中古一戸建て住宅だったが、建物の状態が良かった。恐らく小さい子供が住んではいなかったからではないかと思う。

内外装、設備機器に大きな問題箇所はなかった。

居住中の物件だったので隅々まで見るのは遠慮したが、家具類が片付けられ、ハウスクリーニングをかけたら見違えるようになるだろうということでは内覧参加者の意見が一致した。

今回の建物は、建築確認申請の許可書は添付されていたが完了検査済証はなかった。建蔽率・容積率の違反はないので銀行融資は問題ないだろうが、完了検査済証が無くても不動産の商品として瑕疵にはならないというところに、日本の不動産商品のコンプライアンスの不十分さがある。

周辺環境で道路の幅員がもたらす空間のゆったりさは、とても大事だと思った。細街路の地域に比べると全然違う。住宅街のせいか日曜の日中でも人が歩いておらず車もほとんど走っておらず静か。

私の住んでいる木密地域は、細街路だし電車の音はうるさいし、日当たり悪いし住環境としては散々なのだが、交通利便性の良さと見知らぬ人が立ち止まったりしていると近所の人が監視していてくれて防犯上はとても安心していられる。

今回出てきた問題は、小学校・中学校の学区の問題。若いお母さんは、色々と学校の評判を調べてきたりしていて とても教育熱心。学校への距離は、1km以内なら問題ないのだが「質」が問題とのこと。

小中学校の有名校への進学率とか勉強熱心な地域は、住宅不動産の価格は高いらしい。そういえば豊島区と文京区の区界周辺に住んでいるのだが、文京区の住所だと不動産の価格が変わると聞いたことがあった。

中々 勉強になるわい。

依頼者には、不動産屋はあれこれ浮気しないで、第一印象でここぞと思ったらそこに探してもらうと良いでしょうとアドバイスしていたが、応対してくれた若い営業担当者の説明には、好感を持てたようで以後の物件探しをこの営業担当者を通じて行うことにした。他社の扱い物件でも気に入ったものがあれば連絡することにした。

窓口になってくれた営業担当者の第一印象はやっぱり大事だなぁ~。

帯びに短し 襷に長し

常々「中古住宅を購入しリフォーム・リノベーションしたら」と吹聴していたからか、年末に中古一戸建て住宅の物件探しに関わつた。

建築を生業としながらも住宅には ほとんど関わりがなく工務店とか不動産屋さんを知らないので ほぼネット検索に頼った。

依頼者からリストアップされてきた物件について意見をつけて返し、自分でもネットで検索し良さげな物件をリストアップしたり、仲介業者に電話をしたりしてみた。

依頼者からの要望は、二世代住宅で5LDK程度、駐車場は1台で出来ればビルトインタイプでない方が望ましい等。通勤の関係で探すエリアは概ね決まっていて、依頼者からの注文を整理して文書にして探した。

まずは、新築一戸建て住宅を探した。

基本的には建売住宅の売れ残りなのだろうか、規模は4LDK程度だが予算と最寄り駅からの距離など諸条件に合致するものは沢山あった。

両親に二部屋(在宅の仕事部屋が必要)、兄弟が来た時の部屋とか要望を入れると5LDK以上の物件は、新築一戸建て・建売では商品がない。さりとて注文住宅をと土地を探してみると更地の場合は、ほとんど建築条件付きとなり不動産屋に毛の生えた程度の住宅会社に頼むのは不安だと言う。

ということで1部屋減らせば諸条件に合致するというのがわかった。

そこで 中古住宅一戸建てを探してみた。

それこそ標題のように「帯に短し襷に長し」なのだ。

  1. 路地状敷地で路地幅員が2mで路地部分の距離が長く実質的に車を駐車するのは困難。車が駐車していると人も通れない→ゆえに安い
  2. 北側道路で採光悪そう。部屋の名称がやたら納戸になつている
  3. 容積率・建ぺい率オーバー(ようするに違反建築)で都市銀行の融資は困難。信販系でも6割程度しか融資されず自己資金がかなり必要。検査済み証がなくても良いが容積率・建ぺい率違反物件は融資が難しいらしい。一戸建て住宅には建築確認申請時の図面とは全く異なる建物が建築されているものがある。
  4. 接道されていなく再建築不可
  5. 昔の家だから駐車場がない。
  6. 最寄り駅から遠すぎ。

中古一戸建て住宅を商品としてみたとき欠陥もあり、建物が単に古くなったものとだけでは言いきれない色々な問題を内包している。ストック活用といいながらも空き家になつてしまうのがわかるような気がする。