感染症病棟 -4 病院船

今日のニュースで「こんなのアメリカにはあるんだ」と驚いたのが病院船の存在。

米海軍の病院船「コンフォート(USNS Comfort)」は28日、バージニア州を出発し、30日午前11時(日本時間31日午前0時)ごろにマンハッタンの埠頭(ふとう)に到着した。病床1000床と十数の手術室を備える同船は、コロナウイルス感染者の大量発生によって受け入れ能力が圧迫される病院の負担を軽減するため、ウイルス患者以外で集中治療を必要とする人の治療を担当すると報じられている。

米海軍は、この「コンフォート「」と「マーシー」という排気量7万トンの病院船を2隻所有している。

コンフォートは、ベッド数は1000床を有し、重症患者用は200床。本船用と医療設備用の複数の発電機を持ち、真水を作り出す設備を持ち、病室に酸素を供給できる。さらに12室の手術室があるそうだ。食堂は一度に1200人分の食事を提供できるとある。まさに海に浮かぶ総合病院ですね。

日本には、一部の護衛艦に小規模な医務室や衛生員がいるが病院船はない。

ジュネーブ条約(第二条約)の第22条では、「傷者、病者及び難船者に援助を与え、それらの者を治療し、並びにそれらの者を輸送することを唯一の目的として国が特別に建造し、又は設備した船舶」と病院船を定義している。

上のユーチューブは、元衆議院副議長の衛藤征四郎さんが病院船「コンフォート」を視察した時の映像です。

衛藤さんは「日本は海に囲まれた島国で地震大国だ。大地震や大津波で多数の犠牲を出してきたし、これからも必ず起きる。それに備えるために「災害時多目的支援船」つまり病院船が必要だ。」と強調されている。

日本にも病院船が必要だと思った。

ウォーキング -2

月曜日朝の散歩

正月以来の大塚天祖神社

街の中を歩いてみると

お店が出来たり、

こんなところに銭湯があるんだとか

新しい発見がある

小学生の頃 街歩きをして

模造紙に地図を書いて発表したなぁと

思い出した。

「写真でわかる世界の防犯-遺跡・デザイン・まちづくり」小宮信夫著

「犯罪機械論」の立正大学・小宮信夫教授が半生をかけた犯罪学研究の集大成と自ら言われている本です。

人類の歴史は、戦争の歴史ともいえる。戦争という名の強盗殺人を防ぐ手立てが「犯罪機会論」の原点であり、それが万里長城や客家の福建土楼等の城壁都市になった。しかし日本では城壁都市をつくるまでもなかった。四方の海が城壁の役割を演じ、しかも台風などが日本への侵入を一層困難にしていた。

中庭を囲んで四方に部屋を配した漢族の伝統的住居は「四合院」だが、これこそ防犯に配慮した家の形式だ。外壁を壁で囲み、壁には窓を設けない。出入口も南面に設けられた一箇所のみ。壁をよじ登ったとしても降りる先は中庭なので、侵入者は四方から丸見えとなる。その住空間は、現代都市住宅のコートハウスに通ずるものがある。

学生時代に、坂倉建築研究所の西澤文隆さんの「コートハウス」論は、愛読書だった。1970年代に都市住宅の新しい可能性を感じたものだった。

現代は、グローバリゼーションの只中にある。

社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こしている。感染症によるパンデミック、犯罪の増加、環境汚染等、今まさに時代の転換期にいるのだとつくづく思う。

古来より「名医は既病を治すのではなく未病を治す」と言われている。予防に勝る治療無し。

リスク・マネジメントで最も重要なことは「予測」である。

犯罪機会論では、景色を解読する事によって「予測」できると書かれている。領域性(入りにくさ)と監視性(見えやすさ)を物差しにして景色を測る事が必要だ。絶体絶命の窮地に追い込まれる前に、景色解読力を高めて未知の危険を予測し、被害の予防が可能になると言う。

全ての分野において現代社会に欠落しているものは「予測」だと思うのだが・・・。

感染症病棟 -3 医療用陰圧テント

【太陽工業・医療用陰圧テント】

今、医療機関では通常の一般外来と別に新コロナウイルス感染の疑いのある人を分けるために「発熱外来」を設けるところが増えているそうです。その際設置されるのが、これまでも災害時の医療用施設で使われてきた医療用陰圧テントです。

上記の写真は、太陽工業(株)の医療用陰圧テントで、CDC(米国疾病予防センター)のガイドラインに準拠しており集塵効率:HEPAフィルター集塵効率 0.3μm以上粒子 99.99%、処理風量:13m3/min、気圧差:10Pa、換気回数:1時間12回以上という能力があります。また前室用テントもあります。

太陽工業・医療用陰圧テント

またアキレス(株)でも医療用陰圧テントを販売しています。こちらもCDC、OSHAの両ガイドラインに準拠可能で、最大気圧差:15Paが可能と書かれています。またクリーンルームや手術室として使えるものもあります。

アキレス・医療用エアーテント

アキレス・エアーテント素材・構造

横浜港のクルーズ船「ダイヤモンド プリンセス号」の時、接岸地の広大な駐車場に、このような医療用テントを設置し検査し隔離すればよいのにと思っていました。

太陽工業もアキレスもエアーテントは、骨組がない形式です。キャンプのテントにもこんなエアーフレームテント最近出ています。勿論仮設テントですから設置は容易ですが、何れも仕様は優れものです。

現在「発熱外来」を設けた医療機関は増えているようですが、地域毎に仮設医療用テントを設置し発熱外来でPCR検査をした方が良いと思います。


ニューヨークのセントラルパーク内に準備されている野営病院の様子。

これもエアフレームの医療用の陰圧テントですね。

自粛と補償はセットであるべきだし、病室が足りないなら必要なものを作るべきだ。オリンピンク選手村だって空いている。

感染症病棟 -2

感染症隔離用の病室(個室)として重要なことは、

1、独立空調として換気回数、温度、湿度等の管理が行えるようにする。

2、清掃しやすい構造とする。

3、定期的にスモークテスト等により空調の確認をする

確実な陰圧隔離を行うためには、前室を設け病室と前室は単独の給排気を行い、廊下と前室、前室と病室の間に圧力差が生じるようにして、病室の空気が廊下に流出しないようにしなくてはなりません。このためには病室と前室の扉が同時に開かないようにする必要があります。また、給気側のダクトには高性能フィルターまたは逆流防止ダンパを設け、排気側のダクトには第一類感染症を取り扱う第一種病室の場合はHEPAフィルターを付けて病原微生物が病室外に放散するのを防ぐ処置が必要です。

病室・前室の病原微生物、塵埃の数を減らすためには室内空気の一定回数以上の換気が必要となりCDCが推奨している99%以上の換気を短時間で行うためには、室内の換気回数は12回/時間以上に設定されていることが望ましいとされています。また空気の再循環を行う場合は全換気回数のうち2回/時間以上は外気による換気を行う必要があります。再循環を行う場合には病室と前室の換気は独立したものとし空調機にはHEPAフィルターの装着が必要。

尚CDCのガイドラインでは病室内空気圧の圧差は2.5パスカル以上[0.01インチ水位]に維持することが推奨されています。
陽圧個室の場合も同様に前室を設置し、病室内を2.5パスカル以上[0.01インチ水位]の圧差の陽圧に維持することが推奨されています。また無菌病室においては,HEPAフィルターまたは層流吹き出しの装備された空調システムを設置することが望ましいと言われています。(参考:「病院空調設備の設計・管理指針」日本医療福祉設備協会 )


【HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter)】

空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。
JIS Z 8122 によって、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。(出典:ウイキペディア)

【ULPAフィルタ (ウルパフィルタ、英: Ultra Low Penetration Air Filter)】

空気中からゴミ、塵・埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。
日本工業規格 JIS Z 8122『コンタミネーションコントロール用語』 によって、「定格風量で粒径が0.15 µmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245 Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。
ULPAフィルタはHEPAフィルタの粒子捕集効率を上げるために濾材密度を高め、空気抵抗を減らすために厚みを薄くさせたものであるため、強度が弱いという欠点を持つ。(出典:ウイキペディア)


新コロナウイルス・covid19のサイズは100um(ナノメートル・10-9メートル)と報道されています。これに対応するためには半導体工場等のクリーンルームでクリーン度・クラス1レベルに匹敵します。又このクラスのフィルターではHEPAフィルターでは不充分と言われています。


一般的な建築物では、ここまでの仕様は過剰なので 微粒物体のウイルスが浮遊する状態をつくらない事(換気)。浮遊している状態のところには近づかない事(密室空間)。人の手、顔等の無防備部位の洗浄で対応するのが一番です。又マスク、ゴーグルで防衛するが有効なのですが、このマスクが無い。

先日、我が家のマスクの在庫が空くなっなってきたので、ドラッグストアチェーンの開業時間の1時間以上前から並んだのですが、3袋入り×2=6枚のみしか購入できませんでした。一家族2袋限定だったのですが、並んだのが3番目だったのでようやく買えましたが、たぶん販売数量から並んだ10人も買えなかったのではなかったのではと思います。

とにかく布製マスクではなく、高性能のマスクの製造・供給を何とかして欲しいです。


日本の戸建・共同住宅の換気方法の主流は、第三種換気(給気・自然、排気・機械)で、従来からpM2.5や花粉症対策としてHEPAフィルター(シート)を自然給気口に張るなどして対応しています。又既存の空調室内機のフィルターの上に、より高性能のフィルターシートを張るなどして対応している場合がありますが、都市住宅では第三種換気については考え直す必要があるかもしれないと思っています。


 

感染症病棟 -1

これまで診療所、歯科医院、整形外科病棟等の設計に関わったことがあったが、大規模な病院や感染者病棟については知らないことが多かったので、感染者病棟の仕様や空調・換気について調べてみた。

まず「感染症」には、全部で5類あるが、一類と二類を記載すると。

【一類感染症】
ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱、痘そう、クリミア・コンゴ出血熱、エボラ出血熱
【二類感染症】
ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、急性灰白髄炎、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)

今問題になっている新コロナウイルスは、指定感染症になり、分類としては二類感染症となったので感染症指定医療機関に入院することになる。感染症指定医療機関は3種類ある。

特定感染症指定医療機関は、新感染症の所見がある患者、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として、厚生労働大臣が指定。(全国で4か所)

都道府県知事が指定する第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関に分類される。

厚労省・感染症指定医療機関

例えば北海道の市立札幌病院は、厚労省の感染症病棟施設基準に基づく病室等を下記のようにしている。

市立札幌病院・感染者病棟


【第一種病室】
病室、ベッドパンウォッシャー、トイレ・シャワールーム
・個室に依る感染管理
・患者の居住環境に配慮し、テレビや面会用電話を設置
・気密性を確保するためブラインド内蔵の二重構造窓
【第一種病室前室・前々室】
・前々室(-10Pa)、前室(-30Pa)、第1種病室(-50Pa)の陰圧設定
・前室入室時は防護スーツを着用。病室入室時にはその上にさらにガウン・手袋を着用
・病室退室時、手袋、ガウンなどの防護具を脱ぎ、前室退室時、防護スーツを脱いで退室


【第二種病室】
病室、手洗い設備


【ナースステーション】
・陰圧空調、室温モニター制御装置、病棟出入口監視モニター電気制御装置
・生体情報モニター装置
・ 患者モニター

【診察室】
診察室前室には車椅子型アイソレーターを保管

【患者家族待合室】

【排水処理施設】
・連続加熱方式
・コンピューターによる集中制御


第一種病室と第二種病室の仕様を比較するとかなり差があることに気づく。

空調・換気については次回。

「正しく怖がる感染症」岡田晴恵著

時の人、岡田晴恵さんの「正しく怖がる感染症」(ちくまフリマ―新書)を妻から借りて読んだ。感染症とか公衆衛生学の分野は門外漢だったのだが、2017年に書かれたこの本を読んでみてとても良く分かった。

「新型インフルエンザ、ジカ熱、エボラ出血熱、結核、梅毒。多種多様な感染症をその経路別に整理して正しい知識を持ち、いたずらに怖がり過ぎず来たるべき脅威に備えよう。」という本で、章建てが下記のようになっている。

1章 昆虫が運んでくる感染症
2章 接触することでうつる感染症
3章 吸い込んでうつる感染症
4章 母子感染で重篤化する感染症
5章 飲み込んでうつる感染症
6章 傷からうつる感染症
7章 動物からうつる感染症

岡田さんは、21世紀は感染症との闘いの時代と指摘しているが、新コロナウイルスによるパンデミックスの真っただ中にいる現在。岡田さんが2017年にこの本に書いている危惧のとおりになっている。

エボラ出血熱のような、まだまだ怖い感染症も、未知の感染症もある。

新型感染症の流行時には、感染機会を減らし生き残るためには、水や食料、生活必需品の1ヶ月程度の備蓄は必要と指摘している。

我が家も防災対策として1週間分ぐらいの備蓄はしていたが、あらためて備蓄リストを作成し、そのぞれの品の数を調べた。表にしてみると少ないもの足りないものが良くわかる。

在宅勤務

ほとんど外出せず、毎日PCとにらめっこ

たまに歩かなくちゃとは思うけど・・

花粉症が激しくなって、くしゃみと咳が止まらなくなるし

コロナに感染したら爺だからイチコロ確定

万年 在宅勤務しております。

室内苺狩り

コロナで幼稚園が休みになり、まもなく二週間。ストレスが溜まってきている感じがしたので孫娘と、そのママの慰問に行ってきました。

先日、テレビで見た室内苺狩りのセットを婆ちゃんが作って持って行きました。

物干しと葉っぱ(偽物)で雰囲気を作り、洗った苺をひとつずつ洗濯ハサミに取付。

5歳の孫娘に大うけでした。

オセロをして、チャンバラをして遊んできました。チャンバラをして汗をかくほど身体を動かしたせいか、後でお昼寝をしたそうです。

大人も子供もストレスが溜まってきてるようです。

鉄筋検査(監査)

久しぶりに鉄筋の検査をしました。配筋検査ではなく、工事現場事務所で書類上の検査(監査)です。

鉄筋の場外加工の場合、問屋から出荷された鉄筋は加工場に搬入されます。そして加工場で加工された鉄筋が、後日工事現場に搬入されます。

通常受入検査時に工事管理者(現場監督)は、下記の点を確認します。
・メタルタグに記載の製造番号とミルシートに記載の製造番号が一致しているか。
・ミルシート記載の鉄筋の規格、径、長さ、本数などが設計図書と整合し間違いなく搬入されているか。
・ロールマークより鉄筋の規格、径、メーカーなどを設計図書と確認する。

ようするに、頼んだ鉄筋が間違いなく納品されているかの確認・検品作業です。

検査員は、これらが書類として整理されているのを確認するのですが、鉄筋検査は久しぶりだったので写真で整理されていた書類のロールマークの見方を忘れていました。でも写真を見ているうちに思い出してきました。検査予習は常に必要です。

上記の写真の見方は、D25、東京鉄鋼、SD345です。

コロハラ対策

「コロハラ」コロナ・ハラスメントの事で、電車や会社で咳やくしゃみをすると「コロナなら会社に来るな」とか「離れろ」と言われるというのをテレビを見ていて、僕たちもうかつに咳とか出来ないねと話していたところでした。

そうしたら、妻が以前買った缶バッチを作る道具を出してきて「花粉症・喘息です」とカミングアウトする缶バッチを作ってくれました。

今年は花粉症もひどく、そのうえ先日バスに乗ったところ前の席に座った女性の香水が強く、何度も咳をしたら振り返られ白い目でみられました。

外出する時は この缶バッチをつけて行こうと思います。

何だか余裕のないイライラ感が社会に充満しています。

犯罪機会論

妻の愛読書「ニュートン(2020.04)」の中に、面白い記事があると勧められて読んでみたのが立正大学・小宮信夫教授の『「犯罪機会論」で犯罪を防げ!』。

『犯罪学では、人に注目する立場を「犯罪原因論」、場所に注目する立場を「犯罪機会論」と呼んでいる。欧米諸国では、犯罪原因論が、犯罪者の改善更生の分野を担当し、犯罪機会論が、予防の分野を担当している。
犯罪機会論とは、犯罪の機会を与えないことによって犯罪を未然に防止しようとする考え方である。ここで言う犯罪の機会とは、犯罪が成功しそうな状況のことである。つまり、犯罪を行いたい者も、手当たりしだいに犯行に及ぶのではなく、犯罪が成功しそうな場合にのみ犯行に及ぶ、と考えるのである。
とすれば、犯罪者は場所を選んでくるはずである。なぜなら、場所には、犯罪が成功しそうな場所と失敗しそうな場所があるからである。犯罪が成功しそうな場所とは、目的が達成できて、しかも、捕まりそうにない場所である。そんな場所では、犯罪をしたくなるかもしれない。逆に、犯罪が失敗しそうな場所とは、目的が達成できそうにないか、あるいは、目的が達成できても捕まりそうな場所である。そんな場所では、普通は、犯罪をあきらめるだろう。』

小宮信夫の犯罪学の部屋

犯罪学者の小宮教授が提唱する世界標準の「犯罪機会論」は、「犯罪は犯行の動機があるだけでは起こらず、動機を抱えた人が犯罪の機会(チャンス)に出合ったときに初めて起こる」というもの。

そこで、機会をうかがう犯罪者が「心理的・物理的に犯罪をやりにくい条件とは」という目線で、世界遺産、住宅や道路、学校や公園、駅やトイレなどを調査した小宮教授の「写真でわかる世界の防犯 遺跡・デザイン・まちづくり」という本を早速注文した。

一つ例を取り上げると、トイレの設計で通常行われているのは「A」だが、防犯機会論から言うと危険なのは「A」で、男女のトイレの入口が近く、そのそばに多目的トイレがあると、異性を尾行して多目的トイレにすぐ連れ込める。確かに多目的トイレは密室空間。「B」の平面だと男女の入口がはなれ、かつそれぞれのトイレの中に多目的トイレがあれば連れ込みにくいそうだ。

目から鱗。

是非「ニュートン」を買うか「小宮信夫の犯罪学の部屋」をみて欲しい。視点が変わると、建築のあり方も大きく変わる事に気づく。

準耐火建築物 -2  イ-2準耐

準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(法2 条9 号の3 イ)又はそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。

このイ-2準耐は、一般的な木造準耐火建築物の仕様です。

H30年の建築基準法の改正で令第107条の2の準耐火性能に関する技術的基準は、ほとんど変わっていません。

平成30年改正法第53条第3項第一号で準防火地域内の耐火建築物等、準耐火建築物等の建蔽率が1/10緩和されていますので、準防火地域内の木造2階建戸建て住宅は、従来は防火構造で建築可能でしたが、より防耐火性能の高い準耐火建築物等にする傾向は高まると思います。

 

 

準耐火建築物 -1

■準防火地域内の制限(H30改正前法第62条第1項→法第61条)

法第61条・令第136条の2により、準防火地域内の3階建て以下、500㎡を超え1500㎡以下の建築物は、準耐火建築物にしなければなりません。

下記の表は、戸建て住宅の場合です。

H30年の建築基準法の改正で法第62条第1項は、法第61条となり「防火地域及び準防火地域の別並びに建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準」である令第136条の2の内容は、改正前とは全く異なるものになっています。

延焼防止性能の基準は二通り用意されていて、「イ」は旧法の技術的基準。「ロ」は延焼防止時間を規定しています。

準耐火建築物には、以下の4つの種別があります。

・準耐火建築物(イ-1): 木造3階建て共同住宅(木三共)、主要構造部は60分準耐火構造
・準耐火建築物(イ-2): 主要構造部45分準耐火構造
・準耐火建築物(ロ-1): 外壁耐火(自立できる構造等)
・準耐火建築物(ロ-2): 主要構造部不燃、主として鉄骨造

4種別に共通してるのは、延焼の恐れのある部分の開口部は防火設備の設置が必要だという事です。

この中で都市の多層階住宅で一般的なのは、イー2準耐とロ-2準耐です。