「少年と犬」馳星周著

 直木賞を受賞した馳星周さんの「少年と犬」。出先の駅の本屋に平積みされていたので買って帰り、一気に読んでしまった。

 それなりに仕事に追われているのに・・・。

 一気読みした本は久しぶり、いつもは途中までしか読まなかったり、数ページずつしか読めない。大概は読んでいるうちに眠くなるから。でもこの本には引き込まれてしまった。読み進めると、ときおり以前飼っていた犬達のことが脳裏に浮かんでくる。ついつい「ありがとう」と呟いていた。

 さてこの本は、東日本大震災で被災し飼い主を亡くした犬・多聞(たもん)の数奇な運命をたどる物語。

 帯にも書かれているように「(犬は)人という愚かな種のために、神が遣わした贈り物」という著者の言葉に、うなずいてしまう。

人は「無償の愛」に包まれた時、しあわせを感じる。

 「犬を愛するすべての人に捧げる感涙作」といのは間違いなし。