地方巡業の旅 -15

この数日、関東は秋晴れが続きさわやかな風が吹いている。久々に布団類を干し、お日様の香りを嗅いで熟睡したいところだが、相変わらずのショートスリーパー。

茨城県の取手市に既存建物の調査に行った。JRの取手駅に降り立つのは始めてでホームからだと東口と西口の出口が全く異なる事を知った。東口から西口へ行くには一旦駅の外に出て迂回し地下歩道で線路の下を歩き移動しなければならない。とても不便。

さほど気温は高くないはずなのだが、やつぱり半日歩き回ると汗びっしょり。

取手市役所近くの「湯楽の里」で汗をながす。

ここは温泉ではないようだ。平日昼間でも男湯は客が多かった

浴室も露天風呂もこじんまりとしている

地方巡業の旅-14

ついこないだまで40度近い灼熱下で現場調査をしていたのに、気温20度以下の涼しい朝を迎えた。外の空気がひんやりして気持ちが良い。

出張にくると、陽が昇る前に起き出し(これはいつも同じ)、朝6時半朝食、7時にチェックアウトして概ね8時頃には、その日の調査箇所に到着する。

空調服が不要になったし飲み水も飲む量は少なくなった。

しかし半日調査の為に歩いたり階段を昇り降りしていると、やっぱり汗はかく。

ということで深谷市郊外の「深谷花園温泉 花湯の森」で恒例の汗流し。

民家風の造り

内部はすごく暗い。目が慣れるとそうでもないが

深谷市の市街地から遠いゴルフ場の敷地の一角に出来ているからか、お客さんはそんなに多くなく、ゴルフ客らしい人もいる。

入浴のあと、中庭に面した縁側で涼む

間取りはこんな感じ

内湯と露天風呂は広々していた。pH8.2のアルカリ温泉

地方巡業の旅-13

埼玉県深谷市といえば渋沢栄一の生誕の地であり、彼が関わった事業もこの地には沢山あるようだ


写真は深谷市のホテルに飾ってあった渋沢栄一の写真。身長はあまり高くなかったようだ。


2021年の大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公であり、新一万円刷の顔に採用されたという事で、深谷市内には、いたるところに「渋沢栄一」が露出していた。

こちらは最近人気の「ふっかちゃん」
深谷ネギと鹿が合体したようなキャラクターだが 何気に可愛い

最近 ふっかちゃんに会いにジャニーズのSNOW MANが深谷市に来訪したとかで、SNOW MANファンもふっかちゃんのファンになったとか?

深谷市内のホテルも「ふっかちゃんルーム」を用意してファンの来訪を待っている。



地方巡業の旅 -12

埼玉県のJR高崎線・深谷駅に降り立ってびっくりした
一地方都市なのに駅舎が、あまりにも立派に見えたから
この駅舎は「ミニ東京駅」なのだそうだ


東京駅丸の内口の駅舎の煉瓦に、大正時代に深谷市に工場があった日本煉瓦製造が製造したものが採用されていたからとかの縁で、こうした煉瓦調の建物にしたそうである。

もっとも深谷駅の方は、鉄筋コンクリートに煉瓦調タイル張りである。

高崎線の線路に対して南北に直角に建っているので、威風堂々としている。

しかもライトアップされると とても美しい

ふっかちゃんのお出迎え

デジカメ達

調査用のデジカメ達

上左:CASIO、上右:CANON

中左:NIKON、中右:SONY、右:GOPRO10

下2台:FUJIFILM

デジカメは守秘義務の徹底の意味もあり、画像の外部流出防止とアスペクト比の統一、画像サイズを統一するために、協力してもらう調査員にもこれらのデジカメを貸与している。

ひとつの報告書のなかでアスペクト比とかが統一されていない画像は見苦しい。

現在使用中なのは、この国産の6台。それぞれスペアの充電池を複数所有、メモリは32Mカードにしている。

ほとんど中古というか売れ残っていた商品で、確か現在国産カメラメーカーで製造を継続しているのはSONYだけかと。また製造を復活して欲しい。

中国産の安いデジカメも売っているが、接写のピントが甘いらしい。エレベーターの点検証とか消火器とか各種設備機器の製造年月日ラベルとか撮影するので、安ければ良いというわけでもない。

1回の調査で1000枚/台ぐらい撮影することもあるのでデジカメの消耗は激しい。

GOPRO10は、建物全体とか屋根等の高所を動画撮影したものを静止画にして報告書類に利用することもある。後で調査対象の連続的な状態を確認するのに役立っている。

デジカメ達に感謝して 手入れをする。

地方巡業の旅 -11

埼玉県加須市・羽生市で既存建物の調査

仕上は恒例の日帰り入浴施設

「極楽湯 羽生温泉」

「極楽湯」は日本で店舗数が一番多いそうだ

室内の間取り

露天風呂が広く、源泉はちょつと熱かったが良い湯だった。

「源泉名:江間忠神戸温泉
泉質:ナトリウムー塩化物・炭酸水素温泉(弱アルカリ性 低張性高温泉)
効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・うちみ・慢性消化器病・冷え性・疲労回復・健康増進 ・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 など
泉温:43.9度
湧出量:毎分200リットル

食塩成分と重曹成分の両方の性質を持つため、よく温まり、お肌がすべすべになることから「美人の湯」「熱の湯」とも呼ばれている」

江間忠とあるから、もしかして大手木材商社の「江間忠」かと思ったら、どうやらこの温泉に関わっているらしい。

食事がセルフサービスで「餌」を食べてる感があり、ちょつと残念

地方巡業の旅 -10

今回は、地方巡業の旅の番外編・スピンアウト的な事を書いておく。

それは「兵站」(へいたん)について。

兵站は軍事用語で英語でMilitary Logisticsというのだが、戦闘地帯から見て後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもので戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語。兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれるとされる。

既存建物調査も単体ならば、さほど頭を使う事はないが、地域が分散し複数の施設を調査し報告書を作成していく場合は、その移動方法、宿泊先、日帰り入浴先、食事、持参する調査道具や着替えなど、結構頭を使う。

以前は車の利用度合いが多かったが、最近は歳ともに公共交通機関+車という移動手段に変更した。

弊社の場合は「兵站」を総括しているのは妻で、公共交通機関で調査地点近くまで移動して車をレンタルする時間から、宿泊先となるホテルの選定、調査箇所への道筋、食事をする場所(出来るだけホテル)と詳細な実施要領が事前に提出される。しかも金銭の精算も一元化している。おかげで私は調査の事前調査と報告書作成に専念できる。

この「兵站」は、あまり重視されないかも知れないが、弊社が現在行っているエンジニアリングレポートの一部を支援する既存建物の劣化調査と遵法性調査においては、地域が分散した多数の調査対象を計画的に実行していくには欠かせないものとなっている。

仕事には思いがけない副産物もある。

ひとつの県でも、行った事がなかったところが圧倒的に多いし、その地域の雰囲気を垣間見ることができた。宿浜施設や日帰り入浴施設にも詳しくなった。こうして記録を残しておくと後々役に立つ事もある。

地方巡業の旅 -9

群馬県境の埼玉県羽生市で既存建物の調査

拠点にしたのは「ルートイングランディア羽生」という多目的ホテル

併設されている「華のゆ」

思いがけず、いいお湯だった。

ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉でPH8.1、源泉44.0度

肌がつべつべする 所謂「美人の湯」

この地域には工場と物流施設が多いせいか、外国人の利用客が多かった。

ルートインは、こういう地域にホテル進出しているので、当然と言えば当然かも

お湯は良かったが、建物内の配置と浴室内の洗い場、内湯、露天風呂などの配置が判りづらかった。

受付ホールから浴室の入口が見えづらく狭い。

食事も美味しかったし、お湯も良かったので、いいけれど。

埼玉県羽生市は、利根川を渡ると群馬県館林市

雰囲気的には上州

「台湾のトリセツ」執筆・撮影 片倉佳史

地域特有の地勢・地形、歴史、交通、文化、産業等のジャンルからトリビアを深掘りしていく「トリセツシリーズ」

この本は、デジタル産業を中心に近年目覚ましい経済発展を遂げている台湾を紹介している。

片倉佳史さんの台湾紹介本は幾っか持っているが、この本は単なる観光ガイドブックではない。過去・現代・未来という時間軸の縦糸と風土が織りなす横糸が重なりあう、読み応えのあるガイドブックに仕上がっていると感じた。

日本とは地理的にも歴史的にも身近な存在である台湾。過去に深くかかわった人達の事も紹介されている。台湾産紅茶の発展に寄与した新井耕吉郎さん。鳥山頭ダム等の水利事業に関わった台湾総督府の土木技師・八田興一さん。日本統治時代から現代まで数えきれないほどの人達がいる。

三年前仕事で台湾に行くところだったがコロナで中断。色々な台湾に関する本を読み、心の準備は出来ているのだが、観光であっても中々台湾には行けないでいる。

地方巡業の旅 -8

埼玉県の比企郡・秩父郡のいくつかの既存建物調査の為に「おがわ温泉・かわらのゆ」に隣接するKAWARA HOTELに連泊して、ここを拠点にして車で調査に向かった。

平成16年に新築されたとかで二階建てでコンパクトなホテルだが、隅々まで掃除が行き届いていて清潔だし親切で居心地の良いホテルだった。連泊なので3時前に戻ってきたら管理者・フロント・従業員総出で客室のメーキングをしていて感心した。

調査から帰ってきて汚い・臭い・フロントが外国人で細かい話が通じないではストレスがたまる。しんどい地方出張のなかにも、何かしら楽しみを見つけたい。

なんといっても「花和楽の湯」に何度でも入れる事が一番の魅力。ここの温泉は「高濃度炭酸泉」が売りでpH10の強アルカリ性単純泉。肌の余分な角質を取り除き保湿を与えるという、通称「美人の湯」

高濃度炭酸泉は露天風呂にあり、日によって温度が変わると聞いたが、加水しないので熱い時は湯もみをしたりとかしなければならないとか。私が入浴した時はぬるめだった。内風呂は鉄分を含んだ天然地下水。岩盤浴もある。

日帰り入浴施設は、食事が美味しくないとガッカリするが、ここは美味しいし、さほど高くない。

入浴後の黒蜜のかき氷がふあふあで美味しかった。なかにバニラアイスクリームが入っている。

総じて ここの施設は従業員がフレンドリーで思いやりがある。平日も客が多かったから繁盛しているように見えた。小川町に良い施設ができたなと思った。

「詳解・建築基準法(改訂版)」

「詳解・建築基準法(改訂版)」は、1991年に出版された本で、もう31年前の法令解説書です。

この本は、現在は絶版となっていますし、最近の改正条文が反映されているわけではありませんが,この本に書かれている内容は運用が定着してます。役所に相談に行くと時々担当者がこの本を引用したりします。

最近編集中の法令解説書の議論の中で、この絶版となっている書籍からの引用は読者に親切なのかどうか疑問を呈した事がありました。それほど価値ある本なのか?という疑問が生じたのですが、まずは再読してみようと思いました。

実は、この本は会社にあるものを昔パラパラと読んだくらいで、自分では所有していなかつたので、古本屋さんのネットワークで購入しました。

10数年ぶりに読み返してみると、これが実に内容が濃い本なのです。

建築基準法関係法令を項目ごとに分類整理した上で、編集したものであり、単なる逐条解説とは異なり、これらを総合的かつ体系的に理解できるよう構成されている点が秀でています。

法令改正時にその改正の意図等は、改正説明会で国交省から解説がされるのですが、年月が経つと明文化された法令のみが歩き始め、その背後に隠れている意図を見失いがちになります。この本を読み直してみると建築基準法令の神髄が伝わってきます。

この本が、建築行政にかかわる人たちの間で広く運用が定着している訳がわかりました。

建築法令解説本の中では、不朽の名著のひとつかも知れません。