『田根 剛 アーキオロジーからアーキテクチャーへ』

先月末「帝国ホテル 東京 新本館」のデザインアーキテクトに田根剛氏が選定されたが、この本は、その田根剛氏へのインタビュー本で2018年にTOTO出版から出版された。

サッカーから建築へ。夢と希望を携えて日本を飛び出し、いつしか建築家に。
記憶へのリサーチ、意味の探求、チームを率いること。今注目のまとである若手建築家・田根 剛氏の独占インタビュー。

建築家を志したきっかけから、「エストニア国立博物館」など話題のプロジェクトの背景、設計思想、そして未来への思いが、ジャーナリスト・瀧口範子氏のインタビューから率直に語られている。田根氏の人間像がひも解かれた本書は90頁ばかりの本ながら濃密な内容になっている。

田根剛氏の「弘前れんが倉庫美術館」。

見る前は、さほど期待していなかつたが、実際の空間を体験してみると「記憶の継承」というリノベーションの神髄を味わうことができた。

過去の部材の持つポテンシャルを引き出し、展開し、新しい意味付けをされている。とても42歳の作品とは思えない。

ヨーロッパを拠点に活動している人は、リノベーションは流石に上手だ。薄ぺらな保存修景等ではなく、まるで壮大な時間軸の中にいるようだ。

舗石の煉瓦の面取りの違いだけでこんなにも見え方、表現が異なるものかと学ぶことができた。また建築全体のディテールが非常にしっかりしている。

4代目の帝国ホテルには期待している。