「木密地域不燃化10年プロジェクト」学習会@豊島区

東京都は、23区内で木造密集地域12地区を「不燃化推進特定整備地区」に指定し、豊島区では東池袋4・5丁目地区が指定された。

この地域は、池袋サンシャイン・造幣局の南側にある都電荒川線を挟む両サイドで有楽町線と首都高速が走る日の出通りから春日通りまでの住宅地域。

この地域は、すでに都電荒川線に沿って補助幹線(補助81号線)に指定されており、都電の両サイドは建物の解体が進みつつある。

「木密地域不燃化10年プロジェクト」
不燃化特区制度の先行実施地区について

平成24年8月31日
都市整備局

 都は、特に甚大な被害が想定される木造密集地域のうち、地域危険度が高いなど、特に改善を図るべき地区について、区からの提案に基づき、都が不燃化特区に指定し、不燃化を強力に推進することとしており、本年6月に、11区12地区の応募がありました。
各区から、従来よりも踏み込んだ主体的で責任を持った提案がなされたことや、木密対策の緊急性、重要性等を総合的に勘案し、今般、12地区全てを先行実施地区とすることとしました。
今後、都は各区からのこれらの提案を受け、区と整備プログラムを作成するとともに、不燃化特区制度を構築していきます。

先行実施地区
墨田区 :京島周辺、鐘ヶ淵周辺東
品川区 :東中延一・二丁目、中延二・三丁目
目黒区 :原町一丁目・洗足一丁目
大田区 : 大森中
中野区 :弥生町三丁目周辺
豊島区 :東池袋四・五丁目
北区 : 十条駅西
荒川区: 荒川二・四・七丁目
板橋区 :大谷口

葛飾区: 四つ木一・二丁目

江戸川区: 南小岩七・八丁目周辺
※参考資料 先行実施地区位置図(PDF形式:710KB)
※参考資料 各区の提案区域(PDF形式:2.35MB)

今後の予定
平成24年9月~ 各区からの提案内容に応じ都が関与して整備プログラムを作成し、地区ごとに順次公表
平成24年11月頃 不燃化特区制度(案)の公表
平成25年3月 不燃化特区制度の創設、不燃化特区の指定
平成25年4月~ 整備プログラムの実施

 本件は、「2020年の東京」への実行プログラム2012において、以下の目標・施策に指定し、重点的に実施している事業です。
目標1 「高度な防災都市を実現し、東京の安全性を世界に示す」
施策1 「震災対策に集中的に取り組み、地震に負けない都市を造る」

この日の学習会は、当初予定されていた豊島区地域まちづくり課は参加せず、NPO法人区画整理再開発対策全国連絡会議・事務局長の遠藤哲人氏のスライドをまじえた講演のみとなった。

この地域には、すでに計画が明らかになっている街区が幾つかあり春日通りに面した住友不動産による高層マンション街区。地権者が区画整理組合を作る再開発。日の出通り側の旧都バス車庫跡地の利用計画など。

都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」は再開発を10年で仕上げてしまおうという性急な計画で あれこれと逡巡しているとあっという間に再開発が進みそうだ。

防災都市は良いけれど、建物を耐火構造にすれば事足りるというものでもない。再開発地域では土地を持っている人達は、再開発後もかろうじてそこに住み続けられるが(統計によると6割程度らしい) 借地借家人の9割以上はその地域をさることになる。

この地域は子供も多く、休みの日は路地に遊ぶ子供達の声で賑やかだ。子ども会、隣組、町内会活動が活発で、神社の祭礼のみこしや冬季の夜回り等も町会で行なわれている。また高齢者の一人暮らし世帯も多い。何と言っても古くから住んでいる人が多いので近所の人が防犯などに目を光らせている下町的なコミュニティの残っている地域だ。まぁそれが「うざい」という人もいるのだろうが・・・。

そうした地域コミュニティを一旦崩壊させてしまうのが再開発なのだが、箱物だけの計画で防災都市は作れるのだろうかという疑問が残った。