子供の貧困問題~放置すれば経済損失2.9兆円 日本財団

「子供の貧困問題:放置すれば経済損失2.9兆円 日本財団」というショッキングな記事が、毎日新聞12月3日号で報じられていた。

http://mainichi.jp/select/news/20151203k0000e040222000c.html

「研究は、今年7月~11月、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都)が実施した。15歳の子ども約120万人のうち、ひとり親家庭の15.5万人、生活保護家庭の2.2万人、児童養護施設の0.2万人の計約18万人を対象とした。子どもの時の経済格差が、学力や進学率の教育格差を生み、将来の所得に影響すると推定し、現状のままの場合と教育格差を改善した場合を試算した。

 大学や専門学校などへの進学率は80%に達しているが、貧困世帯の子どもは32%にとどまる。18万人の就業状況を推定すると、正社員は8.1万人、非正規社員3.6万人、無職4.8万人などとなり、現状では64歳までに得る所得の合計は約22.6兆円だった。

 一方、何らかの対策が行われ、高校の進学率、中退率が一般家庭の子どもと同じになり、大学などへの進学率が54%まで上昇したと仮定すると、正社員は9万人に増加し、非正規社員は3.3万人、無職は4.4万人に減少して、合計所得は約25.5兆円に増えた。

 所得が増加すれば、国に納める税金なども増える。税と社会保険料の個人負担額から、医療費や生活保護費などの給付額を差し引いた「純負担額」は、現状では約5.7兆円だが、改善すれば約6.8兆円になった。

 厚生労働省によると、17歳以下の子どもの貧困率は16.3%(2012年)で過去最悪を更新し、6人に1人が貧困状態にあるとされる。日本財団は「子どもの貧困を経済的観点から見た調査はこれまでなかった。国民全体の問題と捉え、官民の対策の後押しになれば」としている。【黒田阿紗子】」

外国の子供の支援をしているどころではなく、足元の日本の子供たちの貧困が危ぶまれているのだ。慈善事業に頼ることなく、緊急に経済対策としても取り組まなければならない。