8、建築トラブル


相談事例


【Q-5】建築主 : 設計監理契約で取り決めていた予算を大幅に超えた見積金額が工事会社から出されました。材料や器具の仕様を変更しても一定程度しか低減することができず、予算と大きな乖離がありましたので、設計契約を解除しました。その後、別の工事会社と予算範囲内で設計施工で契約をしました。最初の設計事務所には、既に設計料分(基本設計+実施設計)を全額支払っていますが、債務不履行で訴え、設計料の一部を回収することはできるでしょうか。

【A-5】一般的には工事予算の2割から3割程度の予算オーバーであれば、仕様などの変更で減額し、予算範囲内に収めることは可能だと思います。それ以上の減額は、構造方法や建物の規模を縮小する等の変更をしないと難しいと思います。本件の場合は、当初予算の2倍近い超過ですから、債務不履行で訴えるのは可能かと思います。詳しくは弁護士さんを紹介しますので一緒に検討しましょう。


【Q-4】工事会社 :  設計事務所を施主に紹介して設計を進め工事を行った。設計事務所と建築主はあまりうまくいってなかったが、完了検査済証までは業務を行い業務報酬は全額貰っている。建物は竣工し引渡しをしたが、仕上り等でクラックが入ってる、要望通りの設計になっていない等と言われ工事代金を2/3しか払って貰えない。

何度か話し合いをしたが平行線なので、工事会社が建物を差し押さえて裁判を起こしたが、逆に施主が専門調査会社に調査をさせて、報告書をタテにして逆に訴えて来た。
 設計図書に記載のない事まで善管注意義務違反による施工ミスを主張してきている。また併せて設計事務所にも裁判を起こして来た。

建設会社が残金未払いで裁判を起こしたところ、逆に建築主より契約不履行の損害賠償を起こされている件です。

【A-4】第三者の調査会社による鑑定書をもとに、裁判に望んだ方が良いと思います。


【Q-3】建築主 : 住宅のテラスサッシの下枠をフラットレールにすると漏水するので保証できないと工事施工者が言うので、設計者に変更した方が良いのではと言ったところ、大丈夫だし、ベランダと段差ができるので格好が悪いと言って、言う事を聞きません。どうしたらよいでしょうか。

【A-3】フラットレールでは、水密性・気密性を担保できないと思います。


【Q-2】建築主:鉄骨造3階建ての建物です。設計者が外壁をラスモルタル塗りとしした設計図をまとめ工事施工者3社に見積もりを依頼したところ、外壁ラスモルタルでは漏水の恐れがあるので3社とも保証できない旨の注釈をつけて見積書を提出してきました。どうしたらよいでしょうか。

【A-2】図面を見させていただきましたが、工事施工者の指摘通りだと思います。設計者が外壁の仕様を変更しないと言うのなら、設計監理契約を解除したらよいと思います。


【Q-1】住民 : 隣地にマンションが計画され計画図・等時間日影図等の近隣説明図を貰い説明を受けました。一番心配しているのは日影の問題です。

【A-1】いただいた説明図だけでは、検証し鑑定するのは難しいです。 いずれにせよ日影時間は条令で定められており、この場合は地面から4mの測定面 で、マンションの敷地から5mを超える範囲内は3時間以上、 10mを超える範囲は2時間以上という定めがありますので法令違反はできません。 法令違反では建築確認申請の許可が下りないからでもあります。 しかし図面を拝見したところ冬至のお昼前後数時間は、陽が当たらないようにみえます。 そこで事業者に、正確な実測に基づき、そちらの建物の「壁面日影図」を作成してもらいましょう。 実測に基づき建物の壁面・窓の位置にどのような影を作るか説明する図面です。 その上で、住環境が阻害されているならば訴え、話し合いが可能となるでしよう。
 建築基準法については適法になっているとしか相手方は言わないでしょうから 別な論点・住環境が阻害されているという論立てをする必要があります。事業者側の説明に納得いかない場合は、東京都中高層条令に基づき「あつせん又は調停」を申し立てます。
しかし行政にあまり期待しないでください、 紛争を長期化させる効果しかありません。
工事差し止め請求は、工事費の1割ぐらい予納しないとならないので、金銭的に負担になりますし、明確な理由がないと難しいと思います。
建築確認申請許可後は、60日以内に建築審査請求を提出できますが、 違反箇所の確証がないと勝訴できません。設計図も情報開示請求できますが、内部は真っ黒に塗られた図面しか提供されません。尚、建築審査請求の勝率は1割以下と言われています。


建築トラブル・業務実績


【2018.12】家主の賃貸契約更新拒絶と建物の明渡訴訟

 戦後まもなく建てられた木造2階建店舗(借家)で営業中。家主が耐震性の強化と連続した建物と併せて耐火建築物にする必要があり費用が嵩み経済的合理性がないとして、全ての店子を撤去、解体更地にしマンションを計画。

 調査により、全体が昭和26年に建てられた建築確認申請無届の違反建築物であり、元々は隣の建物とは別の建物であったことを証明。建物の所有者は幾度か変わってきているが、どこかの時点で一棟にしている。違反建築物を是正するのは所有者の責任。分離した建物に戻せば防火地域・100㎡以下で耐火建築物要求はなく、本件を取り壊さなくてもマンションは建設できると主張。

 東京地方裁判所で和解が成立、借家人は建物を明け渡した。

【依頼者】被告・借家人

【弁護士】城北法律事務所・深山弁護士


【2018.08】設計料未払い請求案件

建築設計事務所が設計料残金及び追加設計料を支払わない建築主を訴えた係争案件

設計料の残金及び設計変更に係る追加設計料を建築主が支払わない為に東京簡易裁判所に民事訴訟した事件。被告側が和解に応じなかったので東京地方裁判所に審理は移行。新型コロナウイルス感染の影響で審理が遅れ2020年9月に原告・建築設計事務所の請求金額の70%で和解が成立。少額訴訟にも関わらず訴訟から和解まで2年間。

【依頼者】建築設計事務所(原告)
【弁護士】城北法律事務所・小薗江弁護士、田場弁護士


【2018.05】設計料未払い請求案件

建築設計事務所が設計料残金を支払わない建築主を訴えた係争案件

建築確認済証受理後支払う契約だった設計料の残金を建築主が支払わない為に東京地方裁判所に民事訴訟を行った。原告・建築設計事務所が全面勝利し、被告が控訴しなった為に判決が確定した。被告の預金等差押を実行したが被告・建築主が事業を継続出来なくなったために、現在のところ債権の極めて一部しか回収できていない。

【依頼者】建築設計事務所(原告)
【弁護士】城北法律事務所・小薗江弁護士


【2017.10】建築係争案件・調査報告書+是正工事費算出

建築主と設計工事監理者及び工事施工者との係争案件。

竣工後まもなく外部サッシからの雨水の侵入、外壁面からの雨水浸透、地下室の結露等や、数々の施工不良が顕在化し、建築主の相談を受けた弁護士から紹介を受け、現地調査を行い調査報告書を作成した。また損害賠償額の根拠となる是正工事費用の算出を行った。

【建物概要】鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積390㎡
【依頼者】建築主(原告)
【弁護士】城北法律事務所・小薗江弁護士


【2016.02】建築確認申請係争案件

建築設計事務所(原告)が指定確認検査機関に損害賠償を求めた係争案件。

半年以上かけて事前相談をしていた大規模案件の建築確認申請事前審査が放置され審査に長期の日数がかかり、初期の打合せとは異なり構造計算ルートが変更されたため、止む無く他の指定確認検査機関に変更した。その為に着工予定日までに建築確認申請済証が公布されず建築主から工事監理契約(随契)をキャンセルされた。

建築設計事務所は事前審査を受付してくれたものと認識し、指定確認検査機関側は「相談」だと主張した。指定確認検査機関側は「確認検査業務規程」に沿った受付審査を行っていなかったが、事実関係を証明するものが互いに存在せず平行線に終始した。

建築確認申請に不慣れな建築設計事務所と建築確認を受付することが不慣れな確認検査員との遭遇により、互いに不幸せな結果が生じた。

【依頼者】建築設計事務所(原告)
【弁護士】中村総合法律事務所・鈴木敦士弁護士


【2014.08】建築審査請求・隣地マンション建設による係争案件・東京都

敷地段差の大きい土地に計画されたマンション建設計画に反対する近隣住民の相談を受けた知人建築士のサポートをした。

途中から参加したので主として建築審査請求の文章を起案する等、住民側のアドバイスをした。

【建物概要】鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建て、延べ床面積960㎡
【依頼者】隣接住民(原告)
【弁護士】伊藤紘一法律事務所