銀座の柳

最近 BGMとして聞いている東京大衆歌謡楽団の「東京ラプソディ」

1936年(昭和11年)に藤山一郎によつて歌われた。

昭和モダン末期の東京を描いている。

昭和11年という年は、2.26事件もあり戦時色が一層強くなってきた時期と言われています。

権力によって昭和モダンが抑圧され消えゆく中で

この歌は「モダニズムの残響」とも言われているそうです。

こんなに 心がわくわくする東京があったんだなぁ~

ところで 今 銀座には柳の街路樹は見当たりません

1874年(明治7) 銀座通りに日本初の街路樹として松、カエデ、桜が植えられたそうですが1877年(明治10) 地下水位が高いために松、桜が枯れ柳に植え替えられたとあります。(初代柳の誕生)

1884年(明治17年)には、銀座の街路樹はほとんど柳になったと書かれています。1923年(大正12) 関東大震災により全銀座は焼失し1932年(昭和7)に一時、イチョウに植え替えられたこともあったが1929年(昭和4)の「東京行進曲」(昔恋しい 銀座の柳・・・)のヒットで、朝日新聞社や有志などの寄贈により柳が植樹される。(2代目柳)

しかし戦災でほとんど焼失し戦後何度か捕植が試みられたが 現在は残存していないようです。

詩仙堂 -3

庭を歩く

詩仙堂からは「古び」の美学を感じます

侘び寂びというのは、

現代ではひとつの言葉として語られますが

本来は別の美意識です

縁側の柱は、角が取れてまるくなり

板は、浮造りのように木目が立っています

ときの移ろいを感じ受け継ぐことができます

 所謂「古民家再生」「町屋活用」という現場

最近、幾つか見ましたが

基礎も土台も柱も新品に置き換えられ、

古材の利用は梁材のみというところが気になりました。

構造体の8、9割がたが新材

それが本当に「再生」とか「活用」といえるのだろうかと

詩仙堂 -1

江戸時代初期の文人 石川丈山の山荘跡

現在は曹洞宗の寺院でもある。

妻は 以前来たことがあり、

とても良い庭だと聞いていました。

玄関上は3階建ての「嘯月楼」

タクシーの運転手さんに上賀茂さんからの行先を詩仙堂と告げると

本当に京都が好きなんですねと言われます

「清水寺や金閣寺は あれは京都ではない」と

以前乗った運転手さんに言われました。

まだまだ外国人があまり来ないところはあります。

漢詩が好きな婆ちゃんのセレクトだと

知らない世界に連れて行かれます。

上賀茂神社 2019

前日の大阪セミナー・交流会の後、京都に移動し夜10時にホテルにチェックインしました。今日は、京都市内で仕事があるため夜遅くても移動してしまいました。

朝一番で上賀茂神社に参拝。

昨日5月15日が葵祭りだったので、境内は、朝から昨日の片づけをしていました。

参道は、馬糞の臭いが立ち込めていました。

京都に来た時は、上賀茂さんの御参りは欠かしません。

何だか相性が良いですし、

境内の清浄なる空気感には癒されます。

「やきもち」を買おうと思ったら神馬堂は休みでした。

定休日の水曜が葵祭りだったので木曜を休みとしたらしい

残念

「建築ストック再生・活用技術セミナー」 IN 大阪 終了しました。

【講師の伊藤さん】

5月15日、「建築ストックの再生・活用技術セミナー」IN  大阪は、会場一杯の参加者を得て終了しました。住宅医スクール関係・MOKスクール関係の人達の参加が多かったので、どうしても木造関係の話の方が馴染みやすかったようです。

これで企画・構想から始まった6ヶ月間の独自セミナーは終了しました。シナリオライターとしては、朝ドラが一本 ようやく終わったと言う感じです。

セミナー事務局長兼講師で、しかも 講師の中で一番長い90分という時間に変更したので、両方の準備が重なり 講師の方の準備が疎かになりがちでした。

それでも、この5年程の仕事をリフレクションでき、形にすることができたことは、大きな成果だったと考えています。

また、次の展開に向けての 足掛かりができました。

デリス横浜ビル

隈研吾事務所設計の「デリス横浜ビル」

横浜駅西北口は、随分と建物が建て替わってきている

アルミのグレーチングをALC外壁に金具止め

何だか軽いのだ。

軽快ではなく軽薄という意味で

豊島区庁舎のグレーチングは鋳物だったのでそれなりの重量感があった。

ディテールは稚拙だったけど。

このビルの夜景は、サイトで見る限りさまになっていたのだが

割箸建築からジャンク建築への転向か

商業テナントビルらしい設備系が集約された壁面

デリス横浜ビル

 

薔薇が咲いた

今年も薔薇が咲いた

連休中に咲くかなと思っていたが

連休明けてから一斉に開花

以前駐車スペースだった所に薔薇の植木鉢を並べている

毎年少しずつ薔薇の苗木を買ってきて、

成長に合わせて鉢を変え

水やりと肥料だけを切らさずに

よかった。よかった。

亀戸天神・藤まつり

すごい人でした。亀戸天神・藤まつり

本堂に向かって身動きできないほどでした

亀戸天神・藤祭りは5月6日までです

もう藤の花は終わりかけ

本堂とスカイツリー

雨がちらついてきたので船橋屋でみつかんを買って帰路につきました。

 

どこかへ行きたい

もともとゴールデンウィークにはどこにも行かないことにしている。かわいい孫達も遊びに来ることだし、天候も不順だけど、何だかどこかに行きたい。

頭を空っぽにする時間が欲しい。

キャンプにも行きたいが 時々ギアを買い集めるのとアウトドア関係の本を買うだけで済ましているものだから、余計ストレスが溜まってきて噴火寸前。

さて5月セミナーの為の原稿をようやく書き下ろした。

A4で30頁にもなった。

4月の東京セミナーでは原稿を作らなかったので言い忘れた事が沢山あった。

果たして90分で収まるだろうか。

配布資料を増やしてポイントだけ説明するようにした方が良いかもしれない。

原稿をパワポ修正チームに渡して作業に着手してもらわないとならない。

終わらしても終わらしても仕事が積みあがっていく。

「建築ストックの再生・活用技術セミナー」IN 東京 終了

【講師の大貫さん】

4月22日(月)「建築ストックの再生・技術セミナー」IN 東京 会場いっぱいの参加者を得て無事終了しました。

とにかく楽しいですね。

他の講師や参加者、若い人達から刺激を受けて。

一人で仕事をしていると家族以外とはあまり喋らないので、そのうち言葉を忘れて認知症になってしまうのかなと思うことがありましたが、しばらくは大丈夫のような気がします。

さて昨日は、回収したアンケートを読んだり、修正点を講師間で忌憚なく指摘しあうなどしました。改善(リバイズ)にむけての取組みが開始されています。みんな真面目ですね。来月の大阪セミナーでは、よりバージョンアップしたものを提供できるかと思います。

東京セミナーの参加者を見渡した限りでは、木造系の設計者・技術者が多かったので「古民家」のほうが親しみやすかったかなあと思っています。

現役時代はパワーポイントを自分で作ったことが無く、若い人の作ったもの、発表したものに意見を言っているだけでした。

60歳過ぎてから自分でパワポを作るようになり、まだ数回なので技術も稚拙ですね。

講師の野上さんが原稿を作っており感心しましたが、他の人に聞いたら原稿は必要と言われました。ということで早速原稿づくりに着手。

また全体的に弁当箱にいっぱい詰め過ぎとも言われました。聞いている方が満腹になってしまうそうです。もっとゆっくり喋れ、原稿作らないで喋るから雑談みたいになるんだと・・・

この連休にプロジェクトチームが、私のパワーポイントを修正してくれるようなので大阪セミナーでは よりわかりやすい内容にしたいと思います。

写真を取り忘れ、また依頼するのを忘れて大貫さんの写真しかありません。

4月22日(月)「建築ストックの再生・活用技術セミナー」IN 東京

以前から告知していました「建築ストックの再生・活用技術セミナー」IN 東京は、4月22日(月)にいよいよ開催されます。東京会場は、関係者の皆様の御尽力で満席となりました。ありがとうございました。

セミナーというと、とかく一方的になりがちですが、公開カンファレンス(症例・事例研究)に近づけることができればと思って取り組んできました。あまり名前の知られていない建築事務所4社が共同開催なので、「上から目線」ではなく「事例研究」よって今後とも参加者と経験を交流していければと考えています。

カンファレンスは医療の世界のみならず、最近では弁護士事務所の中でも行われていると聞きます。しかし建築の世界では あまり事例がありません。上下の関係が強い企業の中では難しく、こうして設計者や工事関係者が経験を持ち寄って技術や意見を交換することが、技術的な課題も多く残っている「建築ストック再生・活用」の分野では とりわけ大事なのではないかと思っています。

準備は概ね出来てきましたが、私の担当分野については、お話しすることの推敲を未だ行っているところです。

ノートルダム大聖堂火災

あの薔薇窓も溶け落ちたみたいですね。

高熱で爆発したというのが正確らしいです

もう二度と見ることは出来なくなったと思うとショックです。

子供達が小学生の時ノートルダム寺院に行き薔薇窓を見ているはずなのですが、記憶にないとのこと。うちの婆ちゃんも覚えていないとか。ちょつとがっかりしました。みんなで写した写真が残っているのに・・・。

日本の歴史的遺産も火災には充分気をつけてもらわないなりません。

その後の詳しい被害状況が報道等されてきて3つの薔薇窓の内、1つは被害を受け2つは無事のようです。完全修復ではなく 修復の是非を含めた国際コンペをするとか色々と騒がしいですね。

アンドリュー・タロンという建築史家がこの5年ほどかけて、大聖堂の内部と外観をレーザースキャナーを用いてスキャンし、3Dの点群データに落とし込んでいたそうです。これによって、修復はより完全なものに出来そうですから修復の道を選択すべきではないでしょうか。

ノートルダム寺院3D寺院

 

「H1法話グランプリ~エピソード・ZERO」

「H1法話グランプリ~エピソード・ZERO」 昨年病院に入院していた時にユーチューブを見ていて、こういう取り組みがあるのを知った。若いお坊さんの法話技術のレベルアップを図る目的らしいが 聞いていると自然に涙があふれてくる話もある。

爺になると坊さんの法話が心にしみる。

私の高校時代の国語の先生であり、クラブ活動の顧問がお寺の住職だった。色々な僧侶の法話を聞いていると 高校時代の国語の先生を思い出す。

今はギターやピアノを弾きながらの音楽法話、漫才法話、紙芝居法話等 法話にも色々な手法がある。

今年の「H1法話グランプリ」は、昨年までより相当グレードアップしている。審査委員長は釈撤宗先生。全国各地から宗派を超えた8人の選りすぐりの僧侶の法話の競演。チケットが買えれば神戸須磨寺に行ってみたい。

H1法話グランプリ

 

プロフェッショナル 仕事の流儀「疾走、あんこ道~菓子職人・小幡寿康~」

4月9日に放送されたNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀「疾走、あんこ道~菓子職人・小幡寿康~」』を見て、放浪と言うか流しのコンサルタントというスタイルにあこがれてしまった。

これぞ私が目指す道と。

かねてからキャンピングカーを事務所と車中泊ができるようにして全国各地を回って歩こうとパートナーに提案しているのだが、何度言っても否決されてしまう。パソコンとネットさえあればどこでも仕事ができるし、たまに東京に戻ってくるだけで良いではないかと説得しているのだが、なかなか城は落ちない。

菓子の世界でも餡を作らず他所から買って済ましている店があると知った。餡は菓子の根幹をなす部分である。建築設計業界でもワードとエクセルしか使いません。図面は全て外注ですと自慢している人がいたが、それってどうなのよ。設計者としてと思う。

私は図面の外注は好きでない。目配せができなくなるような大規模な設計は引き受けていない。

メディアで取り上げられるのも好きじゃないし、図体は大きいが目だたない存在だとパートナーは言う。あんたが人一倍目立つから良いんだと切り返す。

「一店主義」や「隠れ家レストラン」の店が好きだ、御中元やお歳暮は極力そういう店から買うようにしている。均質化する世界の中で孤高を死守している人が好きだ。

先日お客さんと話していて、知る人ぞ知る「建築コンサル業界の隠れ家レストラン」ですと紹介した。その代わり美味いもの食わせまっせ。

「建築ストックの再生・活用技術セミナー」を開催します

このたび「都市×地方それぞれの建築ストック再生」を副題として「建築ストックの再生・活用技術セミナー」を開催する運びとなりました。

弊社で近年取り組んできた都市の多層階住宅のリノベーション・重量鉄骨造検査済無建物の増築改修と、野上氏・大貫氏が取り組んできた養蚕農家のホテルへのリノベーション・増築改修の二つのテーマで公開セミナーを行います。いずれも調査・申請・設計というプロセスに焦点をあてた実務者に役立つセミナーになっています。

講師陣・建築系事務所4社共同主催・共催 (一社)住宅医協会です。

是非 御参加いただけれは幸いです。

【東京会場】4月22日(月)13時~17時 連合会館401号室

<終了しました>

詳細及び参加申込書・PDF

ストック再生セミナー・東京

【大阪会場】5月15日(水)13時~17時 (株)ニチネン本社4階会議室

<終了しました>

詳細及び参加申込書・PDF

ストック再生セミナー・大阪

*新建ハウジング・WEBで紹介されました。新建ハウジング

*(一社)住宅医協会・WEBで紹介されました。住宅医協会


【3/26 講師陣打合せ】

4人の講師陣がセミナーで発表するパワーポイントを持ち寄り、それぞれの担当部分を説明し、みつちり4時間にわたり意見交換等を行いました。調査・申請・設計にわたるプロセスが詳細に語られ、経験やノウハウも語られるレベルの高いセミナーになりそうな予感がします。

リノベーションセミナーは最近多くなっていますが、どちらかというと「まちづくり系」で、実務者(建築設計者・建築技術者)の知りたいことに寄り添った「技術セミナー」は、あまりないと思います。今回のセミナーは、再生・活用技術を深化させたセミナーとなっています。

野上氏・大貫氏の養蚕農家を旅館にリノベーションした事例は、木造の一体増築にチャレンジした意欲的な作品です。用途変更した事例は数多いのですが一体増築は現行法の構造規定に遡及しなければならないので技術的にハードルが高く、それをひとつひとつクリアした経験が述べられています。プレゼン資料も美しく、説明も親切で感心しました。

私、寺田と構造設計担当の伊藤氏による「多層階住宅のリノベーション」は、数件の同様事例を比較する事で、法的な問題点、調査項目や行政の対応など分かってくる事が多いと思います。そして今のところ重量鉄骨造の多層階住宅がスケルトン・インフィルが実現できる最適な構造ではないかと考えています。

個々の説明時間を調整した結果、私の持ち時間が増えました。

また学生参加費を1,000円としてリノベーションに取り組んでいられる大学の研究室を通じて参加をお誘いすることにしました。


【4/10 東京セミナー満席】

おかげさまで東京セミナーは、満席となりました。

東京セミナーは秋田県、宮城県、群馬県、名古屋市、埼玉県各地等 遠方からも参加申し込みがあり、建築ストックの再生活用技術への関心が全国各地に広がっていることを新めて実感しました。

ありがとうごさいます。


 

 

夜の椿山荘

神田川沿いから椿山荘の庭に入る

右手に長松亭

夜の椿山荘の庭を歩く。

爺と婆で

幽翠池

羅漢石 総勢20あるとの事

ほたる沢の脇の階段を上がってバンケット棟へ

神田川の桜

神田川の桜 もう東京のソメイヨシノも散り始めた

神田川は花筏

今日、東京は雨が降るようだから桜は全て散ってしまいそうだ

神田川に接した椿山荘

「リフレクション」

「リフレクション」(省察・内省)という言葉がビジネス界や教育現場で注目されているようだ。

「リフレクション」とは実践を振り返り教訓を導き出すこと。「リフレクション」を「主要能力の核心」と位置付けているところもある。反省とはことなり実践して起きた事象を振り返り本源的なものに気付く事と本には書かれている。

現役の頃は、忙しさにかまけて振り返ることがなかった。今も現役と言えば現役で、たぶん今の方が仕事の時間は長いと思うが、毎週毎週作らされた業務報告書や会議に忙殺されていたころよりも何故か時間を作れる。現在は、年に一度程度セミナーをすることでようやくリフレクションすることができている。

今年東京と大阪で開催する「建築ストックの再生・活用技術セミナー」は、多層階住宅のリノベーションに対象を絞ってリフレクションした為に、色々な課題が明確になった。

ほとんど書下ろしみたいな内容になっているので、以前のセミナーで使ったパワーポイントのページはあまり使えなかった。現在も4月22日のセミナーに向かって推敲を続けているが、自分なりに面白いもの、若い技術者に役立つものに仕上がってきたと思っている。

このセミナーには東京会場では、宮城県・群馬県・名古屋市等の遠方の方々。大阪会場では福岡・金沢・兵庫・奈良等と全国各地の方々から参加申し込みがあった。

私なりのリフレクションを公開できると思う。

 

「リノベーションの教科書 企画・デザイン・プロジェクト」

最近の大学の卒業設計において、既存建築ストック再生の提案が多くなっていると聞く。一種のブームなんだろうけど、それでも若い人達は、時代を読む力が鋭いところがある。建築ストック再生・活用は これからの日本では避けることができない分野であることは、ほぼ間違いないだろう。

さて この本は近畿の大学で教鞭をとっている6人の先生たちの共著である。「はじめてリノベを学び、取り組むための入門書」とあるように「さまざまな教育機関での講義や実習のテキスト」としての役割を持つている。

いままでテキストとして使えそうなリノベ本が中々無かったが、この本は「理論と実践の座標軸」「建築からまちや地域までという座標軸」そして「新築から改修までを時間軸でとらえる」という立体的で体系だった構成になっていて実務者でも再発見する箇所があり面白い。

とりわけ関西方面の事例については、知らなかったものもあり興味深かった。

また弊社が2014年から2015年にかけて、その業務の一部を担当した「THE SHARE HOTEL HACHi 金沢」が事例として掲載されていた。

弊社は、この建物が工事完了検査済証が無かったために金沢市と交渉し、建築基準適合性状況調査や耐震診断・耐震補強設計を行い、法12条5項報告提出する業務までを担当した。その頃は、国交省ガイドラインも発表される前だったので「検査済証の無い建物のコンバージョンなんかできるのか」と事業者も心配していた。たしか法12条5項報告で「検査済証の無い建物の用途変更」を行うのは金沢市で始めてと言われた記憶がある。リノベの裏には、我々のようなデバイスメーカーがいることも知って欲しい。

これからは、簡単なリノベばかりでなく高度の専門知識を要する建築設計者・技術者を育ていく必要があるように思う。たぶん大学教育もこれから変わっていかなければならないのだろうと予感する。

「よくわかる コンクリートの基本と仕組み」岩瀬泰己・岩瀬文夫著

鉄筋コンクリート造の既存建築物の調査をしていると疑問に思うことが沢山あった。

例えば「コンクリートコア採取」。JIS規格では「一般に粗骨材の3倍以内としてはならない」としており、粗骨材の最大寸法は2cmが一般的だから コアの直径は7cm~10cmとされている。しかし行政の担当者によっては直径10cmにこだわる人もいる。コア採取の技術者や試験所に聞くと3.5cmや5cmでも問題ないと聞いていた。既存の構造体の事を考えたら小さい直径が良い。この本の著者も直径3.5cmでも品質推定できると書く。

またコア採取の位置は、高さ方向のどの位置が適切なのかとか、コンクリートについて知りたかったことが沢山書かれていた。実務経験者が書いた本は、経験に裏付けられていて知恵が溢れている。

以前、両面コンクリート打放しの建物で外壁が孕んだり、垂直方向に壁が傾斜したり、外壁から雨漏りや結露するというので弁護士に依頼され現場を見に行ったことがあった。両面全面コンクリート打放しなのに施工計画書も作らないで施工しており、設計・工事監理者も何一つコミットメントしていない状態だった。協力業者という名の下請けに全面的に依存した施工だった。

遠目にはインスタ映えする建物だが、近くでみるとがっかりするような施工状態だった。

両面コンクリート打放しが難しい施工という認識は工事施工者も設計・工事監理者にも欠落しているような現場だった。もっと関係者は。コンクリートについて勉強して欲しいなと思ったものだ。

この本には、初学者にも読みやすいが学術書にはない楽しみが溢れている。コンクリートが好きになるような本。実務に役立つ本です。

「映画 ドラえもんのび太の月面探査記」

いゃあ~ 実にクオリティーの高い映画でした。

券が余っていると言うので孫娘達が見に行くという映画についていきました。今しか孫娘と映画を見に行く機会はないだろうと思い。

子供用のアニメ映画を見に行くのは始めてだったけど、チラシを眺めていたら脚本が直木賞作家の辻村深月さん。ちょつと興味が湧きました。

ドラえもんの底流にある「愛と平和」「信じる力が僕らをつなぐ」「想像力をはたらかせよう」 いつの間にか忘れてしまった世界観が満ち溢れています。

日曜午後3時に行きましたが、映画館は満席。子供達のパワーがすごかった。大人も楽しめる映画です。

映画ドラえもんのび太の月面探査記

用途変更確認申請200㎡以内は不要・幾つかの危惧

2018年6月の建築基準法改正による施行日(現在未定だが2019年6月27日迄)が迫ってきた。

今まで4号建築の用途変更が少なかったのは、工事完了検査済証が無い建物が多かった事にも起因している。今でこそ全体の完了検査率は90%ぐらいになってきているが20年前の平成10年前までは、完了検査率は40%以下だった。多分4号建築物に限るともっと完了検査率は低いと思われる(国交省資料)。

工事完了検査済証が無い建物は、実態的に違反建築物が多いため違反部分の適法化工事や建築基準適合性調査に一定の費用がかかる。その為個人の費用負担が多額なる事が多く用途変更を断念する場合が多かった。

4号建築は工事完了検査済証が無くても使用開始出来た事。済証がなくても登記や融資を受けれた事。社会の遵法意識が低かった事。戦後の建築基準法等の弱点である「負の遺産」の集積を現在に引き継いでいる。そうして実態的に違反建築物を社会に広く存在させてしまつた。今回の用途変更確認申請対象面積の緩和は、これら負の遺産である「違反建築物を恩赦」しようとしているようにも思える。

何しろ既存住宅の30%は100㎡以下だが、200㎡以下だと既存住宅90%が恩赦の対象となる。そもそも、この法改正は空家住宅対策と言う事だったが、改正基準法では、法第6条第1項第一号の「100㎡」を「200㎡」に改正しただけなので4号建築だけでなく1~4号までの全ての建物に適用される。

200㎡以下は用途変更確認申請が不要になることによって建築設計事務所と指定確認検査機関の業務が一定量減じることは間違いない。

「確認申請は不要だけど遵法性は保つてね」というは、現実的には悩ましい。

最近の事例で、RC3階建てのリノベーションで用途変更変更確認申請等が不要と言う事でインテリアコーディネーターが「絵」を描いた。出来た「絵」はRCの耐力壁がきれいさっぱりなくなり、床に大きな開口があく、文字通り「自由な設計」だった。たまたま関係者が一級建築士が構造安全性を担保してくれないと工事できないと言ったので検証したら、床は補強すれば何とかなるが耐力壁の開口は駄目。

建築業界では、ともすれば「法の規制を受けない」「構造安全性からの解放」「避難安全性の制約を受けない」ことが設計の自由度が高まったと受け止められる。

「違反建築物に恩赦」を与えることで遵法性意識のある建築士、建設業登録をしているような施工者は「建築ストックの活用」に関与できる機会がかえって少なくなるのではないか。

「自己責任」「設計者責任」だけが重くのしかかりそうだ。

私が事業者なら、コンビニ、保育園、ディーサービス、共同住宅、ホテル等の特殊建築物で、その面積に近いものは全て200㎡以下で成立するように、基本設計の見直し用途変更確認申請は不要ととして諸費用の削減、工期の短縮を図るだろう。

建築ストックの活用が増えると手放しで喜んでもいられないのではないかと思った。