【屋根】ポリカボネート板

屋根材にポリカボネート板や強化プラスチック板等の国土交通省大臣認定の受けたものは「不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途」の屋根には使用できる。

 

平成12年5月31日建設省告示第1434号  不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途を定める件

 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第109条の5及び第136条の2の2の規定に基づき、不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途を次のように定める。

平成12年5月31日 建設省告示第1434号

不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途を定める件

 建築基準法施行令第109条の5及び第136条の2の2に規定する不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途は、次に掲げるものとする。

一 スケート場、水泳場、スポーツの練習場その他これらに類する運動施設

二 不燃性の物品を取り扱う荷捌き場その他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途

三 畜舎、堆たい肥舎並びに水産物の増殖場及び養殖場

附 則(平成12年5月31日 建設省告示第1434号)

この告示は、平成12年6月1日から施行する。

 

「スケート場、水泳場、スポーツの練習場その他これらに類する運動施設」類する用途としてテニス練習場、ゲートボール場、スポーツ専用で収納可燃物がほとんどなく又見通しがよく非難上の支障のないもの。

「不燃性の物品を取り扱う荷捌き場その他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途」同等以上のものとは、

  • 通路・アーケード・休憩所
  • 十分に外気に開放された停留所、自動車車庫(30m2以下)、自転車置き場
  • 機械製作工場

 

 

建築計画概要書・台帳証明@神戸市

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【神戸市役所】

神戸市には「神戸市建築確認情報セルフ検索システム」という先進的なシステムがあり、建築計画概要書や建築確認台帳証明を短時間で発行してもらえる。

調査対象を地図上からの検索、情報一覧からの検索、適合通知番号からの検索を行い、建築物・昇降機・工作物の情報を得ることができる。

建築計画概要書の閲覧は昭和46年からで、台帳証明は昭和25年から閲覧できるが、データー化しているのは昭和32年以降。

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神戸市建築調整課には、この検索システムのモニターが4台並んでいる。

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神戸市のサイトには「周辺住民の協力のもとに違反建築物を未然に防止するとともに、併せて違反建築物の売買をも未然に防止しょうとするものとし、善意の買主を保護するために設けられた制度です。」とある。

営業目的や閲覧目的が不明な閲覧は規制すべきだと思うが、情報を公開することで抑止力が働くことは多い。

 

特殊建築物定期報告の徹底が必要

国土交通省のまとめによると、平成24年度における特殊建築物等の定期報告の状況は、特殊建築物等が71.2%、昇降機等が94.7%、排煙設備等の建築設備が68.3%ということです。

未だに特殊建築物の定期報告対象建築物の3割近くが定期報告の届け出をしていない状況なんですね。

既存建物の調査に行ってみると維持管理がきちんとできていない建物が多く、避難経路の確保、防火戸の開閉、非常用照明の点灯、非常用進入口の確保などに抵触事項が見受けられる。

これら火災時の人命にかかる問題が放置されている建物は多い。

報告のない物件での重大な事故は多く、今後適切な建築物ストック管理が求められる中で資格者の資質向上が必要になっていると国交省は指摘する。

特殊建築物定期報告の必要な建物の範囲の見直しとともに報告率の向上が重要な課題となっている。

建築計画概要書・台帳証明@東京都 -2

東京都(都市整備局)で台帳記載事項証明書を発行できる建築物等の各年度は下記のようになっている。

1  建築物

(1) 昭和25年度~昭和39年度 : 全て(ただし、木造住宅の一部は区で建築確認)

(2) 昭和40年度~昭和49年度 : 昇降機(エレベーター又はエスカレーター)の付属する建物

(3) 昭和50年度~平成11年度 : 延床面積5,000平方メートル超で昇降機の付属する建物

(4) 平成12年度~ : 延床面積10,000平方メートル超の建物

※ 昭和25年~昭和40年までは敷地・建築・延床の各面積の記載はありません。

※ 風致地区は規模に関係なく都確認(平成11年度まで)。

2 昇降機

昭和35年~ : 建築物の条件と同じ

3 総合設計許可

昭和58年度~ : 建築物の条件と同じ

4 一団地認定

昭和62年~ : 建築物の条件と同じ

【以下については台帳がないため証明書の発行ができません。】

建築物

昭和25年度~昭和28年度/ 港区

昭和33年度/ 中央区・渋谷区・杉並区

昭和36年度 /千代田区

昭和37年度 /全区

昭和43年度~昭和44年度/ 台東区

昇降機

昭和40年度~昭和45年度 / 中央区・新宿区・文京区・台東区・墨田区・江東区・豊島区・北区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区

問題は、「赤字」で示す欠落している年度の建物の場合。所有者が変わって確認申請書副本を紛失している場合で役所に行っても台帳がなく、果たして建築確認申請が提出されていたのか、検査済み証を取得しているのか公的な書類が見つからない場合にぶつかると困ってしまう。

それでも建設年度を確定する方法は幾つかあるのだが、確認申請を取得しているかどうかは誰も証明することができない。

下記は、葛飾区の場合だが、台帳そのものが昭和57年(1982年)以前のものは保存されていない。もともと建築確認受付台帳の保存年限は10年だけど、例外的に需要があるから保存されているだけと説明される。他の区でも似たようなもので欠落している年度がある。

建築確認台帳は昭和58年度以降に受付をしたものが保存されています。それ以前は資料がありません。  台帳証明の発行を希望される方は住宅地図など住居表示で場所の分かるものや、登記関係の資料など物件を特定できるものをお持ちください。 また、台帳証明の発行には300円の手数料と15分程度の時間がかかりますので、遅くとも午後4時45分までには申し込みの手続を済ませてください。 なお、電話による該当物件の有無や内容に関するお問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください

https://www.city.katsushika.lg.jp/faq/746/747/005354.html

データーが無い、整備されていない状態でプログラムを作ったところで役には立たない。

「建築ストックの活用」という前に、無確認建築物、未検査建築物の実態を正確に掌握することが必要ではないのだろうか。

『今後の建築基準制度のあり方について「木造建築関連基準等の合理化及び効率的かつ実効性ある建築確認制度などの構築に向けて」(第二次報告)(案)』を読んで

2014年1月10日に国交省が発表した『今後の建築基準制度のあり方について「木造建築関連基準等の合理化及び効率的かつ実効性ある建築確認制度などの構築に向けて」(第二次報告)(案)』を読んだ。

「Ⅰ.木造建築関連基準のあり方」は、耐火建築物以外の木造建築物3000m2以上が可能とする。3階建て学校で準耐火建築物が可能になるような規制見直しについて記載されている。

以下 簡単な個人的コメントを記載してみた。

「Ⅱ. 効率的かつ実効性ある確認検査制度等のあり方」の「2.効率的かつ実効性ある確認検査制度等のために早急に講ずべき施策」では、

1,構造計算適合性判定の手続きの見直し

より早い段階で構造計算の審査ができるような見直し。構造計算適合性判定に いては審査請求又は異議申し立てを行う仕組みを導入→賛成

2, 構造計算適合性判定の対象の見直し

許容応力度計算(ルート2)について十分な審査能力を有すると判定された建築主事等が審査を行う場合については構造計算適合性判定の対象外とする。→どういう基準で十分な審査能力を有すると判定されるのだろうか。指定確認検査機関については、その会社によって構造適判が必要なところと不必要なところが生じるということだろうか。

3, 構造計算適合性判定の質の確保

構造計算適合性判定員の継続的確保→賛成

的確な監督体制を整備し、質の確保を図る→賛成。申請者からの評価を反映して欲しい。

4,計画変更の合理化

建築基準法施行規則第3条の2の規定見直し→賛成。項目ではなく基本的な考え方を示すだけでも良いのではないか。

5,型式適合認定の合理化

→よくわからない

6,仮使用承認制度の合理化

今まで行政が取り扱ってきた仮使用審査を指定確認検査機関に開放する→検査は行政が担うのか。検査を指定確認検査で担うなら反対。指定確認検査機関の検査は、おざなりになりがちであるから。

7,定期調査・検査報告制度の見直し

対象建築物の見直し、防火設備検査の専門性、検査結果の数値記載→賛成。定期調査・検査に検査結果の数値記載の充実とあるが、現状の目視重点型建築確認完了検査のままでよいのか。完了検査も検査方法の見直しが必要ではないか。

8,昇降機等の維持保全の徹底

→賛成

 

建築計画概要書・台帳証明@東京都

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【東京都都市整備局・市街地建築部・建築指導課の資料】

東京都は、基本的には昭和25年からの台帳記載事項証明を出してもらえるのだが、区によつては一部年度の分を紛失して(廃棄?)証明書の発行ができない。

年度、昇降機付属、面積によって東京都で発行するものと区で発行するものがあり、よく調べて行かないと、区と都に行く事になり足が疲れる。

建築計画概要書・台帳証明@名古屋市

名古屋・建築計画概要書・台帳証明

 

【名古屋市住宅都市局建築指導部建築審査課・審査統括係の資料】

名古屋市は、建築計画概要書は平成8年4月1日、計画通知は平成19年6月20日から保管しており、それ以前は廃棄されたようだ。

台帳記載事項証明は発行しておらず、「検査済証等処理経過の証明」などという名称の証明は、所有者以外は取得できない。建築主以外が請求する場合は、委任状と登記事項証明が必要。

台帳閲覧も出来ないのだから古い建物の場合、その建物が果たして建築確認申請を取得しているのか、工事完了検査済証を取得しているのか第三者は知る事も出来ない。

建築物は私的所有物でありながらも社会的存在だ。

違反建築物が事実上放置されている今日的状況では、個人情報保護の境界線はいかなるものが最適なのか・・・

前日に大阪市で昭和25年からの台帳を自由に閲覧できる経験をしてきただけに、名古屋市の閉鎖性には驚く。

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【名古屋市・西庁舎】

建築計画概要書・台帳証明@大阪市

大阪市・建築計画概要書・台帳証明

 【大阪市・建築指導部の資料】

大阪市は、建築確認記載台帳が昭和25年から保存されており、その台帳を各自閲覧できる。

建築計画概要書は昭和48年(1973年)から保存されており写しを請求できるし、昭和50年(1975年)頃からはコンピューター化されており、モニターで確認できる。

大阪市建築指導部の窓口担当は、とても親切で助けられた。

福岡市の整形外科火災事故に思う -1

平成25年10月15日、国交省が福岡県福岡市の整形外科において死者10名、負傷者5名の火災が起きた事故をふまえて緊急点検の指示をだした。

国交省と消防庁の事故報告を読むと、現在の建築基準法や消防法の既存建物の維持管理に関する事項から漏れ落ちた建物だと感じた。

平成25年10月11日に福岡県福岡市の整形外科において、死者10名、負傷者5名の火災が発生しました。
この火災については、現在関係当局により原因等の究明が行われているところですが、今回火災のあった建物は建築確認の届出をせずに増築され、その際、煙感知方式に改修すべき防火戸が温度ヒューズ式のままとなっていることなどが確認されています。また、少なくとも防火戸が作動しなかったことが被害の拡大につながったと考えられているところです。
このような火災の被害を防止するため、本日(10月15日)付けで、都道府県を通じ特定行政庁に対し、別紙のとおり病院及び診療所の防火設備に係る緊急点検を行うよう通知しましたのでお知らせいたします。
添付資料

http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000436.html

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上記は国交省の緊急点検に添付された事故の概要

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既存不適格建築物だと思っていたら、無届で増築した部分があるから違反建築物。一体増築だから既存遡及する部分は多い。

しかし火災現場から無届の増築部分の概要を、よく把握できたなぁと思った。国交省の調査能力はすごい。

昭和44年、昭和48年に確認申請が提出されていたとしても この報告書では完了検査が行われていたか記載が無い。

当時の書類は、建築確認記載台帳に掲載されている簡潔な情報。残っていたとしても建築計画概要書程度なのだ。

福岡市博多区整形外科火災(第5報)_01

上記は消防庁の第5報

福岡市博多区整形外科火災(第5報)_02

微妙に面積とか国交省の資料と相違している。

特殊建築物定期報告の対象から除外されているから既存建物の維持管理状態を把握できない。報告義務が無いから不備や未整備部分があつても放置される。

既存建物の調査で多くの物件を見てきて、防火区画・非常用照明・代用進入口は不備なものが多い。

それらの多くは、特殊建築物定期報告から除外されている中小規模の建物だ。

 

 

非常用照明

非常用照明器具は、マーケット・病院・劇場・ホテルなど多数人の集まる場所で、火災その他不慮の事故で停電したとき、居合わせた人々を速やかにかつ安全に避難できるように、室内や通路を照らし出す照明器具。

既存建物を調査して思うのは、この非常用照明があまり大事にされていない事だ。

電池が無いもの、電球がないもの、非常用照明そのものがなくなってしまったりと 扱いがおざなりにされている建築設備のひとつ

テナントが入居しているビルでは、工事区分がビル所有者工事とテナント工事区分とに分けられたりするが、防災設備関係はビル所有者工事区分になることが多いせいか、店舗の照明器具は新品だけど、非常用照明だけはタバコヤニで黄ばんでいたりする。

■非常用照明器具の基本要求機能

【1 照明器具】
(1)直接照明で、床面において水平面照度で1lx(蛍光灯の場合は2lx)以上確保できること(地下街の地下道は10lx以上)
(2)常用電源が保たれた時、予備電源により即時点灯する光源を有すること。
(3)周囲温度の40℃の雰囲気の中で30分間点灯を維持できるものであること。
(4)照明カバー、その他付属するものを含み、主要な部品は不燃材料にて造り、または覆うこと。
■電源

電池内蔵型と予備電源別置型がある。どちらを選定するかは建物の規模、構造、用途、取り付け場所、配線の方式、耐熱処理の有無、電源の種類などにより異なるため、その都度検討する必要がある。

【1、電池内蔵型】

電池内蔵型は配線規制を受けない。また、予期しない事由により、器具に至る配線がしゃ断されても点灯するので、安全で非常用照明装置を設ける目的に合致。配線規制のないこと、予備電源装置が不要で施工が簡単。

【2、予備電源別置型】

予備電源を別置する場合は、配線は耐火規制を受けるが、予備電源の寿命が長く、電源確保の信頼性が高い。
また、内蔵電池がないので、器具の意匠上も有利。

一般的に電池内蔵型は設備費は割高だが、予備電源が不要で、配線規制を受けないことで増築、改築の場合や小・中規模の建物に適している。大規模の建物では、予備電源装置が必ず設けられるので、電池内蔵型より予備電源別置型の方が経済的。
■非常用照明器具の配置設計

【 照明設計上の注意事項】
(1)照明範囲〔令第126 条の5、告示1830 号、通達住指発第44 号〕
照明は直接照明として、床面において水平面照度で、1 lx 以上の照度を確保します。蛍光灯を使用する場合は、常温において、1 lx 以上というのを、2 lx 以上におきかえて設計する。

床面必要照度は、避難行動上のさまたげとならない隅角部や居室、通路、階段などで柱の突出による陰の部分や物かげなどを除いた部分で規定の照度が確保できるように計画する。

 

避難上有効なバルコニー @ 京都市

「京都市建築法令実務ハンドブック」(H24.1.1)での「避難上有効なバルコニー」の取り扱い。

「解釈編」

京都市では、避難専用バルコニーの面積は有効内法面積だった。
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避難専用バルコニーでない場合は、3m2以上という取り扱いを示している。

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排煙設備の異なる室の区画 @ 福岡県

「福岡県建築確認申請の手引き」(2010年追補版)に記載されている、H12年建告第1436 号第4号ハの「壁及び天井の室内に面する部分」「その下地」の取り扱い。

令第126条の3の規定による排煙設備を設置した部分と同告示適用部分相互間の防煙区画の取り扱いを示している。

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H12年建告第1436号第4号ハ(四)を適用しようとする当該室と自然排煙設備室との壁等は、「不燃間仕切り」。出入口は「不燃戸」としている。

告示では出入口の戸の仕様については明記されていないが、最近は東京都内の特定行政庁や指定確認検査機関でも「不燃戸」で指導される傾向が増えてきているようだ。

「注)4」は、H18年に追記された。

排煙設備の「特殊建築物の主たる用途に供する部分」@京都市

「京都市建築法令実務ハンドブック」(H24.1.1)で記載されている排煙設備の「特殊建築物の主たる用途に供する部分」についての取り扱い。

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「病院や診療所の事務室(会計や相談窓口その他これらに類するもの)は、主たる用途に供する部分に該当します」とある。

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「建築物の防火避難規定の解説(2012)」84頁では、

本告示第四号ハのかっこ書き「・・・主たる用途に供する部分で、地階に存するものを除く」については、当該部分の利用用途が特殊建築物としての用途になるか否かをもって判断する。たとえば、物品販売店舗の地階にある事務室等はこのかっこ書に該当しないものと解釈し、本号の適用を受けることができる。

 

排煙設備の異なる室の区画 @ 神戸市

「神戸市建築主事取扱要領(第2版)」(H24.8.18)で排煙設備の異なる室の区画について取り扱いを定めている。

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例えばオープンな管理スペース(ナースステーションのようなイメージ)と廊下。すなわち居室と室の排煙区画はどのように考えるか。

飲食店で厨房と客待ちスペース(ファーストフード店をイメージ)。すなわち居室と居室の排煙区画の考え方など。

実際の設計では、連続的な空間領域は多く とても悩ましい。

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告示第1436号四ハ(4)の排煙緩和居室間の場合、「開口幅の合計が1.8m程度までの場合、防煙垂れ壁のみとし、扉を設けないことができる」としている。

ということは、

神戸市ではファーストフード店の厨房と客席の間それぞれの排煙緩和は難しい。

各斜線制限の建築物の適用 @ 東京・江戸川区

東京・江戸川区の「建築基準法等における取り扱い基準」(平成20年7月)で、各斜線制限等のたて格子手摺に関する取り扱いを定めている。

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天空率に対して緩和を認めていないということは、天空率そのものが道路斜線、隣地斜線の緩和であるから二重に緩和する事はないだろうという判断か。

四号建築物における準耐火構造の層間変形角の取扱い

防火地域内に建築基準法第6条第1項第4号建築物(木造住宅)を建築する場合、構造を準耐火構造にすることによって、100m2未満であれば建築可能となる。

木造2階建てで準耐火建築物(イ準耐)とする場合の層間変形角の確認はどうするか。

層間変形角の確認要求は施行令109条の2の2で規定されており、令第10条の確認特例の条文には該当しない。

令109条の2の2

法2条第九号の三イに該当する建築物の地上部分の層間変形角は1/150以内でなければならない。ただし、主要構造部が防火上有害な変形、き裂その他の損傷を生じないことが計算又は実験によって確かめられた場合においては、この限りではない。

確認申請の4号特例は、施行令第46条について免除されてはいない。

この事について特定行政庁や指定確認検査機関では、どのような取扱いがされているだろうか。

  1. 層間変形角の計算書を添付させる。
  2. 必要壁量の1.25倍を満たしている壁量計算書の添付を求める。
  3. 必要壁量の1.25倍を満たしている旨明記させ、構造審査は行わない。

「2」か「3」が適用される場合が多い。

準耐火建築物の「防火設計指針(平成5年6月25日)」p73では、木造軸組工法の場合として「一般的に層間変形角が1/120 と1/150程度の差であれば・・・・・木造軸組工法については、施行令46条に定める必要壁量に1.25を乗じた数値により設計すればよい。」と記載されている。

脱法ハウスの調査・途中経過 @ 国交省

脱法ハウスについて国土交通省と地方公共団体により調査が進められていたが、7/30国土交通大臣会見の質疑応答の中で、途中経過が明らかになった。

違反の疑いがある物件が398件で、そのうち32件は建築基準法違反が判明して是正措置が行われていると発表された。

違反の疑いのある物件の大半は東京に存在しているらしいが、現状では法的なガイドラインが明確ではないので、明らかに違法と結論をだせないものも多いらしい。

太田大臣会見要旨
2013年7月30日(火) 10:56 ~ 11:13
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

質疑応答

(問)いわゆる脱法ハウスについて、6月に国土交通省の方から都道府県の方に情報収集ですとか違法物件の検査等の要請が出たと思うのですが、その要請に対する現状はどのようになっているのでしょうか。
(答)6月の中旬にしっかり調査をすると、そして各地方自治体と連携を取るということを申し上げたと思います。
違法貸しルームは、建築基準法に違反をしている、火災時に多くの居住者に危険が及ぶということから、国土交通省としましては何よりも居住者の安全を確保するということが最優先である、違反の是正を求めていくというのが基本です。
これまで国土交通省と地方公共団体の調査の結果、違反の疑いがある物件として398件を把握したところであります。
特定行政庁において消防部局と連携しながら必要な立入調査等、順次進めているところです。
その結果、32件について建築基準法違反が判明して、是正措置が行われているというところです。
その他の物件につきましても違反が判明し次第、速やかに是正措置を講ずるようにしたいと思っています。

また、予防的な対策も必要だということで、違法貸しルームが更に拡大をしないようにということを考えまして、7月12日付けで、マンション管理業団体に対して情報の提供などの対応を依頼しました。
また、7月19日付けで建築士、建設業、不動産業の各関係団体に対して違法貸しルームへの改造行為に関与しないなどの通知を致しました
今後、会員各社への周知などを更に行って頂くこととしているところです。
現状はそうした状況にございます。

http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin130730.html

屋内階段の移設、新設

屋内階段の移設

特殊建築物(例えば飲食店、物品販売店、共同住宅etc)で、ひとつしかない屋内階段を移設して模様替えする場合に建築確認申請は必要となるか。

この場合、屋内の他の部分に床開口を作り、新規の階段を設置した後に 既存の階段を撤去し床をふさぐ。

階段は主要構造部であり、大規模な模様替えと考えるのが自然。

勿論 床開口を作ったことによる構造的な検討書は必要。

ちょつと古い通達だが、下記のようなものがある。

倉庫を用途変更して共同住宅にした事例について[昭和42年住指発第2号]
昭和42年1月7日
建設省住宅局建築指導課長から京都市建築指導課長あて回答

(照会)

一 建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物であつても、用途変更後の建築物が第6条第1項第1号に該当する場合には、第87条第1項の規定により
(1) 建築主は全く工事を伴なわない場合であつても、建築主事の確認を受けなければならないと解してよいか。(法第6条第1項準用)
(2) 工事施工者は、確認を受けないで大規模の修繕又は大規模の模様替の工事はすることができないと解してよいか。(法第6条第5項準用)
二 大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について
(1) 外壁の過半部分について、下地板取り替えのうえ、モルタル塗仕上工事をしたことは、大規模な修繕に該当すると解してよいか。
(2) 1つしかない階段の位置を変更、模様替工事をしたことは、大規模な模様替の工事と解してよいか。

(回答)

いずれも貴見のとおり解してさしつかえない。

では、ひとつの屋内階段がある特殊建築物に、別にもうひとつ屋内階段を設置する場合は確認申請上の取り扱いはどうなるだろうか?

“屋内階段の移設、新設” の続きを読む

避難上有効なバルコニーの構造

避難上有効なバルコニーを設置することによって、2以上の直通階段の設置緩和、重複距離の制限の緩和が適用できるが、建築基準法の条文上では「避難上有効な」という判断基準が明確でなく、その目安として「建築物の防火避難規定の解説(2012)」47頁が採用される。

この「建築物の防火避難規定の解説(2012)」で目安としている2㎡以上は躯体芯か有効寸法かと聞かれた。

一応 「バルコニーの面積」だから躯体芯 床面積の算定基準に依れば良いのではと答えた。

若い設計者に

あのね、バルコニーに何を置くの?

エアコン室外機・給湯器・避難ハッチ・物干し金物・台所からの排気ルートは避難梯子の正面にならないように配置するし、吸気口の位置も考えた?

それから金属製の手すりなら控えの位置も考慮しないといけないよ。

実施設計や監理をあまりしたことがない設計者らしく 彼は口をつぐんだ。

バルコニーにそれらをプロットしてみたら、2㎡というのがどれだけ狭いかわかるよと答えた。

ビューローべりタスジャパンの編集した「確認申請・面積高さ算定ガイド」には、避難ハッチの部分の面積を除くという考えもあると言い添えた。

 

「用途上可分・不可分」・・・札幌市

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上図は、「札幌市建築確認申請の手引き」にある「可分・不可分」の取り扱い。

カラオケルームは郊外にあるコンテナ等を転用した分散配置の建物群で管理事務所が出入り口部分にあるものをだろうか。

「用途上不可分の関係」とは、「用途が機能的に互いに連携しているために、それぞれの棟に敷地分割することができない建築物」と規定しているのは、常識的な規定。

最近「用途が機能的に互い連携しているが、敷地分割して一団地認定をしなかった」過去の物件を見つけた。

現地を見てきてからレポートしょう。

スノコ状バルコニーの取り扱い@さいたま市

いつのまにか「さいたま市建築基準法取扱集」(平成25年3月)というのが出来ていた。

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さいたま市では、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーでも、建築面積に算入し、その下部を屋内的用途に供する場合は、床面積に算入するというもの。

個人的には、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーを建築面積に含めないなどという取り扱いはありえないと思っている。