安田講堂

東大(本郷)の正門から真っ直ぐ歩くと安田講堂です。

正面入口部分は、こちらからは1階ですが、反対側からは3階部分。つまり段差があります。

先に掲載した工学部2号館は、この安田講堂に向かって左手にあります

国の登録有形文化財です


こうして安田講堂を見ていると1969年1月にタイムスリップしたような気分になります。当時 私は中学校3年で高校入学が決まった頃でした。テレビで中継されていた安田講堂の攻防戦・封鎖解除の様子を食い入るように見ていた記憶があります。人生の中で最も鮮烈な思い出となっているかもしれません。

あれから50年の月日が経ったんですね。

それにしても東大本郷キャンパスは、公園のような開放感があります。色々な人があちこちで休息しています。

反実仮想

歴史学者の磯田道史さんが、テレビ(「英雄たちの選択」「サワコの朝」等)で「反実仮想の教育」の必要性を訴えていた。

「反実仮想」

簡単に言えば「もし~だったら~だろうに」と仮定して考えることだ。これこそ防災教育や現代に生きるものとして必要なことだと磯田さんは言っていた。

未来のまだ起こっていないことは、想像するしかない。

と言っても、単に「津波が来たら」と想像するだけでは無意味で、「もし津波が押し寄せてきたら、村はどうなるだろう」とまで考える能力が必要だ。ともすればこの国では「津波は来ないものとして」処理される。

想定した事態が、諸条件でどうなるのか連想していくのである。

建築のプロジェクトや実際の社会生活では、「反実仮想」のシュミレーションはとても重要だが、若い人達はこの「反実仮想」が不得意ということに直面することが多い。

教育者に言わせると「短期の記憶能力」に優れた人が試験の点数をとり、優秀だとされるからで、試験そのものが「短期の記憶能力」を問う出題形式になっているからだと言う。今の学校教育の中で「考える力」を養うことをしていないと嘆く。

今、私の仕事のネットワークは、ほとんどの人達が65歳以上なので「年金者ネットワーク」と私は言っている。構造・設備・積算・あまたある専門技術者。マンパワーはあまりないが、とにかくみんな「知恵」はある。

私自身が時々想定している反実仮想は「もし突然すべての仕事が途切れたら」である。建築事務所とはいえフリーランスで生きている限り、いきなり、あるいはじわじわと仕事が減って、ある時に仕事が途切れることは十分ありえる。

今が仕事が順調でも、全然安心できないのである。体調を悪くして仕事を断っていたりしたら数か月後には、突然暇になる事だってある。取引先の人事移動で担当者達が変われば切られることだってある。

とにかく何が起こるかわからない。

でも仮想することで、生き残る確率は確実に増える。さまざまな種子を蒔いておき、いつ来るともわからない収穫期に備える。その準備は怠りないよう目配りしておくことが必要だ。

東大大学院・情報学環 福武ホール

東京大学大学院 情報学環・福武ホールは、ベネッセコーポレーションの福武總一郎氏による寄附に基づき、安藤忠雄氏の設計によって建築され、2008年3月26日に竣工した建物です。

この長さ100mの「考える壁」と、その向こうにある「学びと創造の交差路」というのがデザインコンセプトということです。

内部の撮影は許可がいるのと、撮影した写真は公開禁止なので外観だけ。

東大工学部2号館

旧東京帝国大学の総長を務め、東大の建物を数多く設計された内田祥三氏が設計した建物です。

この2号館は1924年に建てられた後、最近では2000年に南側が改修され、また2005年に北側が取り壊され新しく高層階の建物に建て替えられました。

そのため、古い建物の上に、高層階の新しい建物が乗っかっているという、東大の中でもとりわけ変わった構造をした建物となっています。

今日は、工学部2号館の松本楼でお茶しながら打合せでした。

 

コア東京「東京消防庁からのお知らせ」

東京都建築士事務所協会の広報誌に掲載されていた「東京消防庁からのお知らせ」が冊子にまとめられた。

この連載は、「コア東京」の中でも読みごたえがありコピーしてファイル化していた部分なのだが、このように一冊にまとめてもらつて感謝している。

建築プロジェクトに係る時には、消防との基本的な打合せは設備設計者任せにしないで、自分で問題点を整理して打合せに行っている。

この冊子にある「消防の無窓階」「みなし従属」「小規模特定用途複合対象物」「特定一階段等防火対象物」等は、中小規模の建物でも重要な項目で充分理解しておく必要がある。

例えば事務所ビルの一部に飲食店とか物販店が入居するとする。事務所は消防法の防火対象物としては15項だが、複合になることで16項イになることがある。このあたりのところは建物の管理方法とか総合的に理解している人が打合せに行かないと、間違えることがある。

今 建築に係る法令解説本は、単体法律毎のことに終始し総合的なものがない。実際の建築プロジェクトは、建築基準法だけでなく消防法、バリアフリー法等多岐にわたる法律のハードルを越えなけれはならない。もうすこし総合的な視点の法令解説本があっても良い。

鬼太郎茶屋

調布市深大寺の参道にある「鬼太郎茶屋」

ゲゲゲの鬼太郎のグッズ類の販売と甘味処

壁には妖怪達が書かれている。屋根は台風で損傷したらしくブルーシートをかけていた。

鬼太郎とネズミ男

撮影スポット

鳥取県の境港市が「ゲゲゲの鬼太郎の聖地」で「さかなと鬼太郎のまち」として全面的に売り出しているが、水木しげるさんが昭和34年から住んでいた調布市は、水木さんの第二の故郷とも言われているので、鬼太郎をもっと強く押し出しても良いのではないかと思う。

親子孫・三世代に愛されるキャラクターは、中々いない。商店街にある妖怪モニュメントと鬼太郎茶屋だけでなく、鬼太郎プチ・テーマパークがあっても良いのではないか思った。

深大寺

山門

鐘楼・丁度 お坊さんが鐘をついていた。

本堂・大正8年再建と書かれていた

深大寺は、武蔵野の面影を残すと書かれていたが、こんなにも緑豊かで、水に恵まれているところだとは思ってもいなかった。東京とは思えない自然豊かな深大寺の境内。清涼な気分になる。

布多天神社

調布の布多天神社(ふだてんじんじゃ)に寄ってきた。延喜式神名帳に記載がある式内古社だが創建年代は不明とある。社格は郷社で布田5宿の総鎮守。なんだかとっても落ち着く神社。

古事記にも登場する小彦明神(スクナビコナ)が祭主で菅原道真公も合祀されているようだ。牛の鼻が、なでられてテカっている。

古い狛犬

本殿

布多天神社は、調布駅から徒歩10分程のところにある。

「NICHE mook02 台湾建築探訪!」

台湾建築の情報収集をかねて読んだ本

特集1の「台湾のフジモリ建築」では藤森照信が台湾と日本に作った茶室を網羅して紹介している。宣蘭の「羅東文化工場」にも藤森さんの茶室があるのを知り、行く楽しみが増えた。

特集2の「知られざる梅澤捨次郎の仕事」では、工手学校(工学院大学の前身)を1911年に卒業し台湾に渡り日本統治時代の警察や病院、百貨店を建てた建築家の生涯に迫っている。

彼の仕事の足跡を追うなかで台湾の現代建築も紹介している。丹下健三の聖心女子高級中学や、伊東豊雄のオペラハウスなども掲載されている。ただし2015年3月に出版された本なので最新の現代建築というわけではない。

また特別企画の「アントニン&ノエミ・レーモンドのトータルデザイン」では、1961年に北澤興一が譲りうけた「軽井沢新スタジオ」を題材に、日本のモダニズムに迫っている。

「散り椿」

建築事務所という法人のサイトに映画の感想を書くことは、普通はしないのだろうけど、もともと私生活も業務も混然一体としたブログを書き綴っているので そういうサイトだと思って貰えれば良い。

昨年の暮れに亡くなった葉室麟の原作。黒澤組の撮影担当だった木村大作が監督・撮影。そして黒澤組の小泉堯史が脚本と聞けば、葉室麟・時代劇ファンとしては絶対見逃せない映画。

小説家・葉室麟さんは「人のやさしさと美しさ」をずっと文字として表現して来た人でした。

監督の木村大作さんは「美しい時代劇」を作りたいと言われてましたが、この映画は本当に美しい日本の自然・四季・人を描いていると思います。

今は、デザインや本格的な設計からは少し距離を置いた仕事をしていますが、本当に美しい建築空間を作り上げる仕事をしたいものです。

監督の木村大作さん79歳。脚本の小泉堯史さん74歳。

残された命を振り絞って作品を作り上げていると思いました。

沖縄県の基地負担軽減を求め、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止を掲げ、安倍政権と対峙(たいじ)し先頭に立ち任期途中で亡くなった前翁長雄志沖縄県知事も、思えば命を振り絞っての闘いでした。

散り椿は、残る花弁があると思うからこそ散っていけるのです。

無事 オール沖縄の後継者にバトンが繋がることを願っています。

(^^♪

最近は、人生の諸先輩たちの「有終の美」に感激することが多いですね。

ハーフ&ハーフ

「ハーフ&ハーフ」 ビールのことではない。

民泊は、建築基準法上の用途は 本当は何なのかという問いかけ。

民泊は住宅宿泊事業で住宅の活用という視点なので、かりに床面積が100㎡を超えていても用途変更確認申請は不要である。

しかし実態は、ホテルと住宅という二つの用途が内在する。家主不在型だと180日の営業日数しか認められていないので180日/365日=49.3%で住宅が過半と言う事かも知れない。

しかし他の法令との関係で「住宅等」としてくくることが本当に妥当なのかという疑問が残る。

例えば都市計画法の特別用途地区に「中高層階住居専用地区」というのがある。これには第一種から第五種まであるのだが、第五種だと住宅の割合を敷地面積の80%以上としなければならない。

この中高層階住居専用地区によって設けられた共同住宅を民泊に利用して問題ないよねという問いかけを都内特別区の都市計画課に照会したら「ちょつと待て」となった。同様に地区計画で住宅の誘導をしている場合もある。

この中高層階住居専用地区で規定している「住宅等」は、「住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、老人ホーム等」としている。地区計画でも同様なのだが。後から出来た「民泊への転用」は想定外らしい。

建築指導課と都市計画課で協議してもらい「住宅等」には落ち着いたのだが、ハーフ&ハーフと言うかリバーシブル(両面利用)で両義性(アンビバレント)の建築用途はかってあっただろうか。

建築基準法等で考えても疑問の残る「民泊」。これでは運用後の実態でも様々な問題が生じるわけだと納得した。

「予約一名、角野卓造でございます。【京都編】」

「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」若山牧水

(しらたまの はにしみとおる あきのよの さけはしずかに のむべかりけり)

昔から酒飲みには詩人が多い。

実は、私は酒はあんまり飲めない。体格から酒豪だと思われることも多いが、最初の一杯程度で あとは飲んでいるふりをしているだけ。

そんな私でも秋になると日本酒を飲みに行きたくなる時がある。

東京では、大塚の「串駒」という十四代が常備されている居酒屋に行く。

この俳優の角野卓造さんの「予約一名、角野卓造でございます【京都編】」を読んでいたら魅力的な店ばかりで京都に酒を飲みに行きたくなってしまった。

歴史と現代が交差する京都の田の字地区をブラブラと歩き、酒を飲み歩くのは大人の散歩。

役場の食堂@千代田区役所

千代田区役所というか九段第三合同庁舎10階の食堂で昼食。

この九段第三合同庁舎は、大隈重信の雉子橋邸跡地。記念碑が建つている。

1階のパン屋さんで昼食を済ますことも多いが、今日はエレベーターで10階まで上がってみた。区役所専用エレベーターでは9階・10階は開庁時間帯は着床しないのだが、内緒のエレベーターがある。

ポークカレー(大盛)と小鉢で500円。並も大盛も同じ料金だったかな・・。

少し甘めなんだけど美味しいカレー。

この日は終日 役所回り。消防署1箇所と区役所2箇所・部署数5ヶ所。喋り疲れた。

都会の空き家・附置住宅制度

東京の都心部などのオフィス街をはじめ、定住人口の減少に頭を悩ませるエリアにおける人口の定住確保と良質な住宅環境の整備のため、新たに建設されるビルなどを対象に、集合住宅などの付置を義務付ける取り決めが1990年代初頭頃から都内都心部の特別区で要綱として定められた。

「要綱」は法令による根拠はなく、地方自治体の基本的な又は重要な内部事務の取扱いについて定めたものであり法的な拘束力はない。しかし「住宅附置制度」等は、建築確認申請の事前協議対象としていることから実質的に建築基準法の関係規定として機能している。

それら要綱が定められてから四半世紀近い年月が経過した。

現在 都内都心部は、人口減少から一転して増加傾向にある。中央区等は人口が予想以上に増えすぎてインフラ整備が間に合わなくなっている。

この附置住宅制度、立地に関係なく敷地面積500㎡以上、延べ床面積3000㎡以上の新築建物に附置を指導したものだからホテルの上階に附置住宅があったり、事務所の上階に附置住宅があったりする。

最近幾つかの附置住宅がある建物の実情を聞いたところ「空き室」が多いことを知った。

附置住宅制度による住宅は、今はやりの民泊に転用することもできない。

空き家対策といっても附置住宅制度の実態調査など行われていないだろう。実際には、空き室もさることながら「飛ばし」も多いと聞く。附置住宅制度自体が時代遅れになってきているのではないか。

法律は、時代の後から明文化される。金科玉条のごとく「遵法性」を錦の御旗に振り上げているぐらいなら制度の見直しが必要ではないか常に考えていた方が良い。

「台湾レトロ建築案内」老屋顔

台湾のレトロ建築の魅力をフェイスブックで紹介している「老屋顔」をまとめた本。

「老屋顔」とは「レトロ建築のもつ顔」と言ったニュアンスの造語との事。

台湾各地には日本統治時代に建てられた建物が多く残り、近年はそれらをリノベーションして甦らせ、魅力あるまちづくりに寄与している。

それらは「鉄窓花」「人造石」「赤レンガ」「装飾ブロック」「セラミックタイル」といった材料により作り出されたディティールの集積によって多彩で魅力的な空間づくりに貢献してきた。

日本でも近年は、特別残さなくてもいいんじゃねぇと思えるような建物がリノベーションされ残されたり。新築よりリノベーションの方が安く提供できるし利益を載せて売れるといった商業主義的なリノベーションも多々見受けられる。さながら「猫も杓子も」リノベ―ションというような時代の傾向といえるだろうか。

こういう本を見ていると純粋にレトロ建築が好きだと言う著者たちの気持ちが伝わってくるし、建築に表出された時代の精神や価値観にまで思いをはせることができる。

老屋顔

あらかわ遊園

二人の孫娘を半日預かったので、あらかわ遊園に連れていった。あらかわ遊園は都内唯一の区営遊園地。今年の11月末でリニューアルの為に閉鎖される。リニューアルオープンは2021年春頃が予定されている。

この日は三連休の最終日で、アンパンマンショーが開催されていたためか、いつもより人出が多かったようだ。

都内最後のチンチン電車に乗って、レトロと言うべきかチープと言うべきか、異なる世界に入ってしまったかのように感じた。まるで子供達・未就学児の楽園。

何しろ大人入園料200円、乗り物代も安く家計に優しい値段設定。昔の後楽園遊園地もこんな感じだった。

観覧車などが新しくなるそうだが、あくまでも未就学児対象の遊園地のままであって欲しいなと思う。

二人の孫娘はパワー全開。楽しかった。又来たいと言う。相手をした爺と婆は すっかり疲れ切ってしまった。

大塚天祖神社・神輿巡行

毎年9月17日は、大塚天祖神社の大祭式。それに近い土日、今年は9月16日に神輿巡行が行われた。

大塚天祖神社は、昔の巣鴨村(今の豊島区のほぼ半分)の鎮守さまで、我が家も天祖神社の氏子。

鎌倉時代末の元亨年間(1321~4)に、領主の豊島氏が伊勢の皇大神宮の神さまをお迎えしてお祀りしたのが最初だと言われている。明治6年に天祖神社と名前が変わるまでは、神明社・神明神宮と呼ばれていた。

100基に及ぶ町内神輿が出るのだが、神輿の出発・拠点となる神酒所は33箇所。その開催準備は、町内会の催しものでは一大イベント。まもなく4歳になる孫娘も法被を借りて朝からの子供神輿に初めて参加した。参加した子供には至れり尽くせりで御土産を貰える。

この神酒所を中心として各町内に例祭幟旗が掲げられ、各地で連合神輿を組み祭りを盛り上げている。

「LIVING IN PLACE」フィールドオフィス・アーキテクツ+ホアン・シェン・ユェン著


2015年にギャラリー間で開催された

フィールドオフィス・アーキテクツの個展の際に出版された作品集。

最近は、夜な夜な仕事の合間にこの作品集を眺めている。

深夜、心は宣蘭(イーラン)に飛ぶ。

【2015年7月講演会】

幸せとは

「日々の暮らしが充実していること、

そして好きな人たちとずっと一緒に暮らすこと。」

この言葉を大切に生きていきたいと思った。

【自然災害】違反建築物による損害賠償

古来より日本は災害大国と言われ、祖先は幾多の災害を乗り超えて今にバトンを繋いできている。今回の台風21号による被害状況を見ていて「自然災害による被害や損害賠償」について色々と考えた。

とりわけ今回は建物の屋上に設置されたプレハブ製と思われる倉庫のようなもの、看板類の飛散による他者に対する損害が気になった。

一般的には、自然災害による損害は請求権がないとされている。しかし瑕疵がある場合はその限りではない。

(民法第七百十七条・土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない」

上記の民法717条は、普通の不法行為(民法709条)と異なり、故意や過失の存否を問題としていない。
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた」場合には、一次的には占有者が、補充的に所有者が賠償責任を負うという定めになっている(占有者は責任を免れることもあるが所有者は無過失責任なので、過失がなくとも損害賠償責任を負うことになる)

屋上に設置されたプレハブ倉庫。

経験上ほとんどが無届・違法建築で本体建物との緊結方法もその安全性が疑わしいものが多い。「違法建築なら損害請求をすることができるか」と先日聞かれたので、違法性を立証できれば可能ではと答え、違法性の調査は比較的容易だよと答えた。

この原稿を下書きしていたところ北海道胆振で震度7の地震があった。自然災害は色々な教訓を我々に与えてくれる。

常備品

仕事をするときの これまでの常備品は「湿布」と「目薬」だったが、今年の夏から眼を養生するための「アイマスク」と「熱さまシート」が加わった。

「熱さまシート」は、今年の夏に肺炎で入院した時に蜂窩織炎(ほうかしきえん)という感染症に右足がかかり炎症を抑えるために冷していた。蜂巣炎(ほうそうえん)とも言うが毛穴や傷口から細菌が侵入して、皮膚の深い組織が炎症をおこす感染症。抗生物質を飲んでいれば直るのだが、抗生物質で胃がやられ、全然食欲がなくなる。それ以来常備しているのだが、脚が浮腫んだときに使用している。

湿布は保険適用のモーラステープ。目薬は薬局で買えるものだが、最近は「Vロートアクティブ・premium」、薬局に行くたびにいろんなものを買って試している。

常備品が増えてきたのは歳のせいか・・・。

 

多層階住宅

【箱根で見つけたタイルを張ったベンチ・お尻が熱かった】

最近の仕事の依頼は「多層階住宅のリノベーション」しかも「検済無」が圧倒的。

恐らく弊社の事務所兼住宅が豊島区の密集市街地にあり、まわりにあるのは3階建て以上の多層階住宅で「職住近接」「店舗併用住宅」が多いからなのだとは思う。居住しているからこそ地縁・人縁も年月が経っにつれ広がっている。

新築で建てた建物も20年も経てば家族構成も変わるし、下階にあった事務所や作業所も不要になったりする。高齢化に伴いエレベ―ター設置の希望も多い。住宅が不要になって他の用途に変更したいという相談もある。

既存の多層階住宅のほとんどが重量鉄骨造で、これが意外とスケルトン・インフィルで内部間仕切りの可変性が高い。鉄骨造特有の内部結露を起こしている建物も多いが、これは断熱改修をすれば改善する。

何度か郊外に移ろうかとも考えたこともあるが、交通の利便性がよいのでこの地が捨てがたい。三多摩等と比べる生鮮食料品等の物価は高いし品質も悪いと感じるが・・・。

しばらく「多層階住宅」の可能性を探ってみようと思う。

検済無・横増築・多層階住宅のリノベーション・荒川区町屋PJ

築21年、鉄骨造3階建て既存延床面積182㎡の建物の前面道路側・横に増築するプロジェクトです。既存建物の工事完了検査済み証がなかったので建築基準適合性状況調査を行い、荒川区に法第12条第5項報告と建築確認申請を提出しました。

建築主からの最初の希望は、屋上に増築して4階をつくりたい。新築する時に施工会社に依頼したし、上増築が出来るようになっていると言われていた。と言う事でした。

既存建物の構造計算書が残っていたので検討した結果。確かに屋上の積載荷重を多く見ていましたが、逆日影で検討したところ屋根裏部屋のようなものしか出来ない事。直通階段の設置が難しい事。既存建物全体の補強工事や法適合工事がかかる割には要望する空間が得られない事。つまり投資対効果が悪い事から4階増築は断念し横増築に変更しました。

既存建物が建てられた頃は建ぺい率が60%でしたが、その後の都市計画の変更で建蔽率が80%に変更されていましたので、横増築が可能となりました。

この物件は、法第12条第5項報告が比較的短期間にスムーズに終了しました。一番の理由は、荒川区が検査済証の無い建物の調査について調査報告書の指針・書式等を完備しているからだと思います。都内で自前の書式等を整備しているのは荒川区だけです。イレギュラーな部分は打合せ協議をし、物理的調査について調査者の判断で良いのかあるいは第三者機関の証明が必要なのか個々に打合せしておけば良く、後から追加調査が必要となるような追加指示がありませんでした。勿論弊社の調査報告書の完成度が高かったと言う事もありますが、行政側の方針がゆるぎなかったと言う事が一番の要因です。

既存延床面積182㎡+増築面積33㎡ 合計215㎡で1階から3階までが多層階住宅(二世代住宅)となっています。また新たに3層用ホームエレベーターを設置しています。建築確認申請上の工事種別は増築となっております。

【建築場所】東京都荒川区町屋
【法的規制】準工業地域・準防火地域・容積率300%・建蔽率80%
【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・有/各種施工報告書・無/工事中写真・一部有
【調査・設計・許認可申請】株式会社 寺田建築事務所
【構造設計】一級建築士事務所 ビオス
【法12条5項・建築確認】荒川区

サンシャインシティ納涼盆踊り大会

第41回サンシャインシティ納涼盆踊り大会

サンシャインシティの屋上(4階相当)に行ってみた

ここは、飼い犬が生きていた時の散歩コース

サンシャイン60やプリンスホテルに囲まれた階段状広場の上にある平坦部が会場。私たちの子供の頃の田舎の盆踊り大会とは風情が異なるが、池袋の7町会が協力しているとあって「こんなに子供いたっけ」というほど子供達が集まってきて輪投げ、スマートボールすくい、射的で遊んでいた。

時々 アンパンマン音頭なども混じり子供達も参加して踊っていた。孫が「楽しかった」と言っていたので、これはこれで都会の子供達の夏の思い出にはなるのだろう。建築によって作り出された人工台地も年月が経ち地域に浸透すれば「広場」になるんだなと思った。ちなみにこの盆踊り大会は41回目。

そういえば、屋上広場は照り返しで暑いかなと思っていたら、心地よい風が吹き抜けていた。ビル風も真夏にはちょっとは役に立つ。

サンシャインシティ周辺は、再開発ばやりで既存住民は他地域に追い出され新住民が流入している。合わせて住民の高齢化で年々町会の維持も難しくなってきている。子供会が成立しなくなった町会もある。これからどうなっていくのだろうか。