住宅医検定会・2014東京

住宅医スクール2014(東京)の最後に行われた「住宅医検定会」

3人の方が発表され、それに対して温熱、構造の各専門分野の方、住宅医理事等の検定委員が質疑をするという方式。

各自プレゼン15分、質疑10分というのは、あまりにも短かった。それぞれが改修事例でありもっと時間をかけてもよかったと思う。聞きたいこともあったが、検定委員からの質疑だけに終始してしまった。

意外と技術者同士の意見交換の場は少ない。住宅に限らず既存建物の調査・検査方法は段々収斂され定まってきた感があるが、その調査結果に対する評価・診断は判断に迷うことが多い。

建物診断・耐震診断・インスペクション等個々の専門調査は深まりつつあるが、それらを統合化するところの総合診療医(ドクターG)のようなプロフェッサーが求められてきているように思うし、学問的には建築病理学の構築が求められている。

「住宅医」も必要だが「建築医」も必要では

と私は思っている。

ところで検定会の話しに戻そう

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1番目の発表者は、鹿児島から来られた2013年住宅医スクール終了の住宅会社の方。

長期優良住宅リフォームの補助金を受けた住宅で、南側採光を阻害していた車庫を減築し、太陽光パネルを設置するために2階部分の屋根を切妻から片流れにして住宅の雰囲気をモダンなものに一新させた。

温熱は仕様規定を採用していた。調査は、協力会社10社の参加で行ったというところは住宅会社の強み

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2番目の発表者は、2013年住宅医スクール終了の都内の設計事務所の方。

建蔽率ぎりぎりで増築の余地はなく、予算上、主に1階部分の改修の為、住宅医的性能(6指標)はあまり向上していない。1階のバリアフリー化が改修目的だったので、階段の位置を変え温熱のゾーニング改修を図っている。

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3番目の発表者も、2013年住宅医スクール終了の都内の設計事務所の方。

非常に限られた予算(600万円程度)の中での改修事例で、きっかけは耐震診断調査からとの事で、耐震性能の向上が主眼だが、温熱のゾーニング改修等に取り組んでいた。

みんな色々と苦労・苦闘しているのが発表からわかった。

私も木造3階建ての温熱改修の相談を受けているところだが、都内の木密地区なので隣地建物との離隔距離がなく外側断熱改修は難しい。建蔽率ぎりぎり、屋根は高度斜線ぎりぎりのため、とにかく内側だけで断熱改修を考えるしかない。

木造3階建て・階段竪穴区画免除の建物なので1階と3階の縦の温度差が激しい。縦の温度差が激しいのを何とかならないかというのが温熱改修の動機なのだが、階段を扉で閉ざすのは生活上支障が多い。吹抜け状態を確保したままの断熱改修は中々難しい。