「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」-2

日本建築センターの「技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」2日目をWEB受講した。

 セミナーの第2日目は「空調負荷計算」「個別分散空調システムの設計」「エルルギー消費性能の評価」だった。

「空調負荷計算」では、空気調和・衛生工学会の熱負荷計算ツールであるHASPEEを利用したことがなかったので今後役に立ちそうだ。

「個別分散空調システムの設計」では、全熱交換機・外気処理機を設置すれば空調負荷が軽減される事。室外機の能力ダウンにつながる事。さらに直膨コイル付き全熱交換ユニット又は調湿外気処理機を設置すれば、外気負荷はほぼ100%処理可能となることを知ったのは、新しい知見だった。

「エネルギー消費性能の評価」は、標準入力法の解説で、これは既知の分野だったが、「標準入力法と空調設備パターン別入力方法早わかり講習テキスト」は、実務に役立つテキストだ。

 BEIの算定も、同一建物の条件で「全熱交換器なし」「全熱交換器あり」「外皮性能向上+全熱交器あり」の3ケースで比較した演習で、その違いがわかり為になった。

 2000㎡以上の大規模建築物の省エネ基準は、今年2024年4月から「0.8程度」に引き上げられる。(詳細は下記、建物用途によって基準値は異なる)

又ZEB対応も増える事から、モデル建物法から標準入力法の利用が増える事が予想されている。

 2日間の空調設備のセミナーは、今後の実務に役立つ内容だった。

「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」-1

 日本建築センターの「技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」をWEB受講した。

 セミナー2日間の第1日目は「空調設備設計の進め方」「空調機と湿り空気線図の利用」「空気搬送設備の設計」「水搬送設備の設計」だった。

 暗記重視の資格試験的セミナーではなく、実務に役立たせるセミナーだったので、とても興味深く、かつ面白かった。

 セミナーで対象としている建物が大規模なものや高層建物を対象としていた。延床面積10,000㎡を超えるような大規模な建物に関わった経験が少ないので、新鮮な知見が多かった。

 とりわけ「湿り空気線図」は、学生時代に「建築環境工学」で学んで以来のような気がして、あの頃はさっぱりわからなかったという記憶が蘇ってきた。空気線図は空調設計の基本であり、これを理解することで様々な空調設計の問題を検討可能になると指摘された。

 実務上は、中間期に冷房負荷が少ないが、梅雨で湿度が高くなるので除湿をしたい場合。湿気のある部屋の外壁が冷えて結露が発生することを予測する時。電算センターをパッケージで冷房したいが、顕熱の処理能力は足りているか検討する時等に再度空気線図に立ち戻り検討する必要があるそうだ。

 空気搬送設備も最近の省エネやZEBに対応で厳密な設計で動力や消費電力を算定する必要が増加しているという指摘があった。実際BEIの算定の中で空調と照明の占める割合は多い。

 水搬送設備における空調配管系の圧力線図も興味深かった。高さ60mを超えるような建物でないと、圧力線図は使用しないのでないかと思われるが、これは使ったことがなかったので新鮮だった。

 第2日目のWEBセミナーは来週。

 頭の中が設備脳になっている。

再循環空調

3711人の乗員乗客のうち、2割にあたる712人の感染が確認された大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス(DP)号の事は記憶に新しい。そのDP号の客室(キャビン)への給気の70%が別の客室などから排出された空気を循環させたものだった。公室・階段室は50%。医療室・調理室(ギャレー)は100%で設計したと書かれている。

2008年3月 日本船舶海洋工学会誌、「大型客船の空調システム設計・
Princess Cruises」三菱グランドシリーズ実施例という論文によると、

通常の客船では、新鮮空気量100%を設計条件すことが多いが、メガ客船では「省エネ対策」として新鮮空気を一部取り入れて還気させることが一般的だと記されている。「省エネ対策」とは名目で外気と比べ温湿度差が少ない客室同士の空気を還流させれば、電気代等コストや工事コストも抑えられるためだろう事は推察できる。

このコロナ禍において「換気」「空気」について勉強して色々と再認識することが出来た。今後の建築には、省エネだけでなく衛生的な換気という新たな要素を加わる必要がある。

日本は熱交換器による全(100%)外気換気が遅れている。常に再循環するようなことは決して推奨されるべきではない。空気感染制御を前提とした再循環回路がない空気調和機 AHUの開発が必要だ。