地方巡業の旅 -10

今回は、地方巡業の旅の番外編・スピンアウト的な事を書いておく。

それは「兵站」(へいたん)について。

兵站は軍事用語で英語でMilitary Logisticsというのだが、戦闘地帯から見て後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもので戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語。兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれるとされる。

既存建物調査も単体ならば、さほど頭を使う事はないが、地域が分散し複数の施設を調査し報告書を作成していく場合は、その移動方法、宿泊先、日帰り入浴先、食事、持参する調査道具や着替えなど、結構頭を使う。

以前は車の利用度合いが多かったが、最近は歳ともに公共交通機関+車という移動手段に変更した。

弊社の場合は「兵站」を総括しているのは妻で、公共交通機関で調査地点近くまで移動して車をレンタルする時間から、宿泊先となるホテルの選定、調査箇所への道筋、食事をする場所(出来るだけホテル)と詳細な実施要領が事前に提出される。しかも金銭の精算も一元化している。おかげで私は調査の事前調査と報告書作成に専念できる。

この「兵站」は、あまり重視されないかも知れないが、弊社が現在行っているエンジニアリングレポートの一部を支援する既存建物の劣化調査と遵法性調査においては、地域が分散した多数の調査対象を計画的に実行していくには欠かせないものとなっている。

仕事には思いがけない副産物もある。

ひとつの県でも、行った事がなかったところが圧倒的に多いし、その地域の雰囲気を垣間見ることができた。宿浜施設や日帰り入浴施設にも詳しくなった。こうして記録を残しておくと後々役に立つ事もある。