知人から電話が来て「工事の着手」についての建築基準法の定義はないかと言うので、日本建築行政会議編集の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」(2013年度版)の34頁を送ってあげた。
『「工事の着手」の時点とは、「杭打ち工事」「地盤改良工事」「山留工事」又は「根切り工事」に係る工事が開始された時点のことをいう』
今時、「工事の着手」時点は何時かと聞かれるのは珍しい。
法令が大きく変わる時には、改正前にとりあえず建築確認だけ降ろしてダミー施工会社に一部掘削なりさせておいて「工事着手」させ、その後確認申請は、大きく計画変更確認申請をして正式に実施図面を完成させ施工会社と契約して本当の工事着工。確認から正式着工まで1年以上という、手法が流行ったりした。
いわゆる「かけこみ着工」なのだが、工事の継続性があるのかないのか、偽装もできるし、中々わかりづらいものだ。
ところで、知人の相談には現場の写真が添付されてきた。
敷地は道路より約1.6mほど高かった。
掘削して山留のH鋼を設置している
道路より約1.6m高かった敷地の土砂を掘削し平坦にし、山留H鋼を打ち込み矢板も設置している。この時点でも工事施工会社と工事監理者は工事着工前の準備工事中と言い張っているらしい。
驚き、桃の木、山椒の木である。