事務所を始めてから、世の中には建築主と設計者のトラブル。近隣とのトラブルが実に多いことを知った。
そうした相談が、知人や弁護士を通して持ち込まれる。
- 設計者が建築主の希望を聞き入れて設計してくれない。
- 外壁の材料の耐久性・防水性が不安として施工会社が降りたが、設計者が設計変更しない。
- 設計を途中解約したが、まだ基本設計しか終わっていないので設計者に設計料の返還請求したい(契約12%、50%支払済み)
- 隣地に幼稚園が計画されているが、子供の声はうるさいので中止させたい。(この相談には正直困った)
- 擁壁下の隣地に地下2階の建物が計画されているが、擁壁が崩壊しないか不安
- 設計が完了し工事見積りを取ったら工事費が予算の倍以上になった。設計変更しても予算内への減額は無理。設計を解約して設計料の返還請求ができるか。
等々
それらの相談から、あるものは民事訴訟となり、あるものは建築審査請求へとなっていく。
指定確認検査機関に勤務していた時は、処分庁として建築審査請求を受取る側で、徹夜して抗弁書を起案したり、公開口頭審査に出席した。現在は、住民側の専門家として建築審査請求に加わり、建築審査請求の提起、反論書の作成にも加わっている。
建築審査請求に両方の立場で関わった人は、そう多くないようだ。
どちらの立場になっても、建築審査請求に関わると結果が出るまでは胃がキリキリする。