「空間デザインと建築法令」-1

「空間デザインと建築法令」・「建築法規」カリキュラムの提案

【はじめに】

空間デザインに関連する建築法令は、都市や環境、建築の形態、性能に大きくかかわっています。

建築計画や設計を行う際に必要となる建築関係の法令について、建築基準法を中心に解説するほか、実在の建築プロジェクトにおいて都市計画法、バリアフリー法、景観法、消防法等の他の関係法令と、どのような関わりがあるのかについても解説します。

建築の実例等を紹介しながら建築関連法規を法文解説することで、建築法令のリアルな把握を促し、建築法令を止揚することでデザインの自由度や空間の新しい可能性を生み出すことができることを知ってもらいます。そういう実例を通して若い人達に建築法令の必要性を理解してもらう事を主眼としています。

建築実例は、現に存在し見ることが可能な建物を中心に、江戸東京博物館、江戸深川資料館等の資料、江戸東京たてもの園等に移築復元した近代の建物や市中にある著名な現代建築等を中心にすえて法令の解説をします。

建築基準法をはじめとする建築法令は、建築物を計画、設計する上で必須の法令です。また建築関係法令は、木造建築士、二級建築士、一級建築士等の資格試験の試験科目となっています。

このように建築法令は、実務上必須であり、年々複雑かつ多様な関係法令が出来ているにも関わらず、今も昔も多くの大学では、2単位というところが多く選択科目にすぎないところや、授業の内容が二級建築士受験対策講座のようなところもあります。

実務現場からは、学生時代にもっと多くの時間を割いて、建築基準法や建築関連法について学んでおくことが、切望されています。

主として都内の大学で4単位としてカリキュラムを編成する場合を想定して提案します。