テナントビルの看板

 借主(テナント)にとって看板は、店の集客と売り上げを左右するものなので、「できる限り通行人の目をひきたい」と考え、看板の設置が必要不可欠なものと位置付けられている。
 一方、貸主(オーナー)にとって看板は、所有物である建物のイメージを左右するものなので、「建物のイメージとかけ離れた看板を設置してほしくない」と考える。

 テナントビルの場合、設計者は通常、完了検査が終わり済証をもらい、工事の完了検査、引き渡しが終了すれば契約が完了し、その建物とは関わりが少なくなる。

 しばらくしてからテナントビルを訪れると、随分と建物のイメージと違ったり、他のテナントとは異質な看板を見る事もあり驚いたりする。テナントビルは需要と供給の力関係が反映する事もあり、一概にこれが正しいとは言い切れないが、やっぱり設計者としては、ビルのイメージを損なうテナントの看板は控えめでお願いしたいところ。

 あとあとトラブルがないように賃貸契約書上で看板のデザイン・種類・設置場所についての記載をすることが大事だと思う。

 契約書などで設置する看板のデザインや場所について明記されている場合は、予め契約書を交わしていることを理由に、後に無断で借主が設置した場合でも看板の撤去を警告することが可能となる。
 テナントから看板類のイメージパースを提出してもらい、話し合いによって契約書上で取り決めた看板のデザインと違う旨を説明し、看板デザインの修正について交渉を行う必要がある。

 ここはやはり、オーナーの姿勢次第。