このところ「改正建築物省エネ法オンライン講座」を視聴している。分割して好きな時間に視聴できるので とても良い。
振り返ると非住宅2000㎡以上の建物が省エネ適合義務となった平成29年前後は、弊社でも省エネ計算サポートの業務は、かなり多かった。その後、モダル建物法が拡充され計算方法が簡略化された上に省エネサポート会社が増えこともあり、自然と業務は減っていた。何事も諸手続きが簡略化していくと、中間的な技術者や専門家は必要なくなっていくものだ。
経済学で言うとイノベーションで獲得される期限付きの剰余価値を「特別剰余価値」というのだそうだ。特別剰余価値は、「ある商品の現在の社会的価値と未来の社会的価値との差異から生まれる」。
資本主義はダイナミックに常に変転している。その変化に対応して自営業者として生きていくのは中々忙しい。
省エネ計算サポートは、現在のところ特段営業もしていないが決まった固定客からの依頼と紹介業務は途切れずにある。
さて弊社の裏メニュー化しつつある「省エネ計算サポート」。一年を振り返ると途切れずに依頼がある。とりわけ300㎡以上の集合住宅が多い。集合住宅の場合は意匠上のタイプ数は少なくても、外皮条件や階高等が異なる場合も多いので省エネ上のタイプは増えがちで計算上は煩雑になる。
今年発表された「フロアー入力法」も取り入れてみた。計算は簡略化されるが、それぞれの外皮の熱貫流率は最も大きい数値、窓の日射熱取得率も最も大きい値とされているので、どうしても棟全体のBEIは安全側になる。施策的には安全側に誘導することになるのだろうから良いのかもしれないが、民間賃貸アパートなどの場合は熱的性能は貧弱なもの多く、意匠設計者が従来の熱的性能の延長で考えているとBEIがオーバーすることがある。
来年4月に迫ってきた非住宅300㎡以上の省エネ適合化。色々と準備しておかなければならない。