2006年で少し古い本だが文化財の法制度や補助事業、関連法規や防災面の取組み、アメリカや日本における実践例、町家や茅葺の再生、NPOの動きなども記載されている。
建物を保存するだけでなく、現在の生活に役立つものとして活用しようとする業務に従事しているものには必読かもしれない。
特に興味深かったのは「近代に建てられた建築の保存・再生の技法」梅津章子氏の論文。以前京都市に行って景観条令に関する資料を貰ってきて読んでいたので その源泉のような内容の論文で感心した。
さらに「歴史的遺産の地域的活用手法」三船康道氏の論文も興味深い。「活用を点から面に進める各種手法」の成功している実例は参考になる。
最近は、事務所の仕事も従来の「調査関係」から「公共施設リノベ」へと変わってきている。公共施設の「点」のリノベーションも都市や地域の文脈の中で見ていかないとならないと常々思っている。