平成25年10月15日、国交省が福岡県福岡市の整形外科において死者10名、負傷者5名の火災が起きた事故をふまえて緊急点検の指示をだした。
国交省と消防庁の事故報告を読むと、現在の建築基準法や消防法の既存建物の維持管理に関する事項から漏れ落ちた建物だと感じた。
平成25年10月11日に福岡県福岡市の整形外科において、死者10名、負傷者5名の火災が発生しました。
この火災については、現在関係当局により原因等の究明が行われているところですが、今回火災のあった建物は建築確認の届出をせずに増築され、その際、煙感知方式に改修すべき防火戸が温度ヒューズ式のままとなっていることなどが確認されています。また、少なくとも防火戸が作動しなかったことが被害の拡大につながったと考えられているところです。
このような火災の被害を防止するため、本日(10月15日)付けで、都道府県を通じ特定行政庁に対し、別紙のとおり病院及び診療所の防火設備に係る緊急点検を行うよう通知しましたのでお知らせいたします。
添付資料http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000436.html
上記は国交省の緊急点検に添付された事故の概要
既存不適格建築物だと思っていたら、無届で増築した部分があるから違反建築物。一体増築だから既存遡及する部分は多い。
しかし火災現場から無届の増築部分の概要を、よく把握できたなぁと思った。国交省の調査能力はすごい。
昭和44年、昭和48年に確認申請が提出されていたとしても この報告書では完了検査が行われていたか記載が無い。
当時の書類は、建築確認記載台帳に掲載されている簡潔な情報。残っていたとしても建築計画概要書程度なのだ。
上記は消防庁の第5報
微妙に面積とか国交省の資料と相違している。
特殊建築物定期報告の対象から除外されているから既存建物の維持管理状態を把握できない。報告義務が無いから不備や未整備部分があつても放置される。
既存建物の調査で多くの物件を見てきて、防火区画・非常用照明・代用進入口は不備なものが多い。
それらの多くは、特殊建築物定期報告から除外されている中小規模の建物だ。