「実務者のための工事監理ガイドラインの手引き(非木造建築物編)」

 建築士法において工事監理とは「その者の責任において工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおり実施されているかいないかを確認すること」と書かれているが、具体的な確認項目や確認方法、確認範囲は定められていない。

 と言いつつ。実際既存建築物の現場を見てみると、図面との照合でさえ怪しい建物に遭遇することもある。耐震診断と同じように既存建築物の調査では「実際を正」とする。図面と現場(実際)が食い違っていることは多く、現場を自分の目で確認することは最も大事である。

 既存建築物の増改築等の工事監理では、現場に合わせて臨機応変な対応。施工会社への指示が必要となる。その為には、やはり基本を押さえておく必要がある。

 この本は、国土交通省平成21年告示98号に基づく「工事監理ガイドライン」の確認方法を例示したもの。各項目に写真も多用されわかりやすい。

 工事監理担当者必携の書。

「既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針に解説と例題を付した耐震診断及び耐震改修の基本書(2025年改訂)」

2011年改訂から15年ぶりの改訂版

 2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震で多くの被害が見られた鉄骨造の露出柱脚や置屋根支承部(定着部)におけるコンクリートの破壊防止に関する規定がこの指針に盛り込まれた。

 ただ黄色本には2015年に、接合部設計指針は2020年に改正されている。

 今回もWEB講習。朝30分から1時間ぐらいの勉強で頭の中をバージョンアップできるので助かる。

「0・0・0・0」(ゼロ・ゼロ・ゼロ・ゼロ)

「0・0・0・0」(ゼロ・ゼロ・ゼロ・ゼロ)これは、構造計算において屋根・庇の積載荷重「床、小梁、大梁・柱、地震」について「0」(ゼロ)にして計算しているものを示している。大規模な工場、倉庫等で屋根が折版の場合に散見することがある。

 折版屋根に人が点検等の為に乗ることがあるにしても、それは一時的なもの、短期的なものとして建築確認申請を通し、躯体費用の低減を図ったもののようだ。尚 我々のような街場の建築士が設計する中小の建物で折版屋根の場合は、市街地で敷地に余裕がない場合が多く、将来的な建物用途の変更も多いため、人ひとり分ぐらいの積載荷重を見て(屋根60kg/㎡程度)構造計算をしている。

 個人的には、建築基準法は最低限の基準を定めたものだし、施工も材料の品質も仮定の積み重ねの産物なのだから、こうした最低限の設計は如何なものかなと思う。

 建物というのは その用途や使われ方を将来にわたって予測することは難しい。屋根に空調室外機を置きたい、送風機を置きたい、太陽光パネルを設置したいなどの相談は多い。30年前に太陽光パネルが普及するとは多くの人は考えていなかっただろう。

 何度か構造計算書で「0・0・0・0」の既存建築物に出会っている。比較的大規模なもの、ゼネコンの設計施工物件に見られるようだ。

 今回、「0・0・0・0」屋根に太陽光パネルを全面的に設置したいと建築主は考えているが、設計施工したスーパーゼネコンに「載せられない」と断れたとの事。ハザードマップ・レッド地域なので、出来るだけ高所に設置したいとのことだった。構造図と構造計算書を預かり検討を開始した。確かに「0・0・0・0」だ。スーパーゼネコンの担当者が「載せられない」というのも判る。検討は面倒だし時間がかかるからだ。

 小梁・大梁・基礎・保有水平耐力について、荷重が増加しても安全であることが確認できた。つまり太陽光パネルは補強無しに屋根に載せられる。

 ただし このスーパーゼネコンの構造計算書・構造図どおりの施工がなされている場合だが。

 結構「0・0・0・0」物件に太陽光パネルを載せられないかという相談は多い。

既存不適格調書

 今や、既存建築物に増改築等の確認申請を提出する場合に必須となった「既存不適格調書」。

 確認申請書の副本(構造計算書含む)が保存されており、1敷地1建物ぐらいのものは、建築基準法の各条文の履歴をチェックしていくだけなので、多少勉強すれば作成するのは容易だろう。しかし構造関係の既存不適格を判定するのは、結構難易度が高い。構造事務所に依頼しても受けてくれるところは そう多くない。

 1敷地に多数の建物がある場合、例えば工場・学校・病院などで、その中の1つの棟に増築等をする場合は、既存不適格調書を作成する前の事前の調査、書類の整理が必要になる。

 これが結構大変な事務量となるのだ。大概の設計者は、まずこの事前調査でギブアップする。教科書はなく、その人の持つ総合力が決め手となる。

 とある設計事務所で公立校のひとつの棟にEVを増築する基本設計を受注したが、担当者が2ケ月半かかっても既存不適格調書が出来上がらないと弊社にヘルプを求めてきた。増築の図面はとっくに完成しているのに、発注仕様書にある「既存不適格調書」の作成が終わらないのだ。担当者は、よく本を読んで勉強しているようだが、毎日悶々としていたようだった。相談に乗ってあげて、少しは雲が切れたようだった。上司に聞けばいいではないかと思うかも知れないが、上司の時代は、こういう書類は必要なく、既存不適格関係に詳しい設計者は稀である。

 既存建物の書類を調査する場合、既存建物の確認申請書副本が保存されていない場合、図面類がまつたく残っていないが記載台帳証明書のみがある場合、役所に建築確認台帳が残されていない時代の場合(例えば名古屋市では平成4年以降のみで、昭和の時代の台帳が残されていない)、調べてみたら検査済証がなかった場合など、様々なケースがある。

 もっとも「既存不適格調書」は、建築確認済、検査済がある場合や、それらが台帳証明で確認できる場合に作成する図書で、検査済証がない場合は「現況調査書」というのを作成する必要がある。

 

排煙告示の変更・国交省告示第995号(令和7年11月1日施行)

変更された内容は「床面から天井面までの垂直距離が2.6mを超える場合」の取り扱い。

この場合、床面から1.8m以上の部分が排煙有効高さとなる。(防煙壁の下端以上の部分に限る)

天井高の1/2以上:今回の規定では天井高の1/2以上にするという規定はない。
床面:当該居室における床面の最も高い部分が基準
天井高:各部分での天井高の基準

*平成12年建設省告示第1436号第 1 項第3号の規定は令和7年11月1日時点で削除

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001967178.pdf

尚、最近の「建築基準法等に基づく告示の制定・改正について」については下記

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000096.html

建築確認申請書の作成支援

 一般財団法人日本建築防災協会がAIを活用した建築確認申請書の作成支援を開始した。

「建築確認審査の円滑化を図るため、建築確認申請図書の作成時の不備を減らすことを目的として、AIを活用した建築確認申請図書の事前チェックサービスの提供を開始します。令和7年4月の改正建築基準法の施行により、2階建て木造一戸建て住宅などの建築確認手続き等が見直されたことに伴い、設計者等による確認申請図書の作成実務も大きく変わりました。

 今般、当協会が国の支援を受けて「建築確認申請図書作成支援サービス」を構築し、サービスの提供を開始することとなりました。

 本サービスは、建築確認申請図書において記載が必要な事項のうち主要な事項について、申請予定図書等における記載の有無をAIが評価するものです。本サービスの利用を通じ、申請予定者が確認申請の前に申請予定図書が適切に作成されているかの自己チェックを可能とすることで、申請図書の不備を削減し、建築確認審査の円滑化を図ります。」と記載されている。

https://www.kenchiku-bosai.or.jp/kenchikukakunin/

 昨今、確認申請の事前申請から本受付、確認済書交付まで、従来よりかなり時間がかかっている聞く。

指定確認検査機関の人手不足か、設計者側の書類不備が原因なのかわからないけれど、こうしたAIを活用した作成支援が問題を解決してくれるのだろうか。

よくわからん。

「改訂版 既存不適格建築物の増改築・用途変更」大手前建築基準法事務所株式会社

 建築基準法では、既存建築物は、「現行法適合建築物」「既存不適格建築物」及び「違法建築物」に分かれます。古い建物が既存不適格建築物ではなく、新築時の確認申請済証、検査済証があり、その後の法律で不適合箇所が生じたものが既存不適格建築物です。

 この既存不適条項への訴求と緩和の規定は、建築基準法の中でも最も難しい部分と言われており、その内容を熟知し活用するのは容易ではありません。

 本書は、わかりやすく解説されており、既存建築物の業務に携わる者にとっては必読書的な存在になるでしょう。

 先に紹介した「建築基準法 改正履歴確認のポイント」大手前建築基準法事務所株式会社共編と合わせて活用されることをお薦めします。

 さて既存建築物の法適合状況調査を行う場合には、その調査目的を明確ににしておく必要があります。

1、既存建築物の増築や用途変更等に係る建築確認申請の手続きのため・・・一般的です

2、不動産の売買に際する資産評価の資料とするため・・・最近、リート投資法人に聞いた話では、「建築基準法適合状況調査(新ガイドライン調査)は、法的位置づけのない任意の規定であり、民間指定確認検査機関の交付する書類であるから、仮に適合証明が交付されたとしても検査済証に代替できるものではないの不動産投資の世界では、検査済証のないものとして扱う」と聞きました。あくまでも取引のあるリート投資法人で聞いたことなので全てのリートが同じ扱いかどうかは知りません。

3、既存建築物を用いた他法令の許認可を受けるため・・・弊社で最近多いのは、検査済証のない既存建築物の建築基準法適合状況調査を行い、法適合を証明し「倉庫業を営む倉庫」(陸運業)の許可を受けるというものです。既存建築物も色々で、あまりに老朽化が進んだもの、建蔽率がオーバーしているもの、もともと倉庫ではないので倉庫にすると積載荷重の設定が異なり補強工事が過大となるもの等。

 初期に渡される数少ない情報・図書で物になるか判断をしていかないとなりませんので、結構集中して進めます。

 まあジャンクな物件の中からは、たまに金が出ますので、さながら砂金とりの気分になりますね。

「建築基準法 改正履歴確認のポイント」共編 大手前建築基準法事務所株式会社

 ひと昔前までは ほとんど見向きもされなかった建築基準法の改正履歴。

 昨今の既存建築物の再生・活用に伴い、既存不適格建築物の増改築・用途変更も増加し、建築基準法の改正履歴を熟知するのは、建築士として必須事項となっている。

 しかし 他の会社のレポート等を見ると「現行法に適合していない既存不適格建築物だから改築する必要がある」とか、そもそも既存不適格ということを理解していない建築士に遭遇することは多々ある。また法曹界(弁護士や裁判官)でも既存不適格が理解できていない人に出会うこともある。そのぐらい「既存不適格」という概念は、建築基準法にある 特殊な概念でもある。

 もっとも日本の「建築確認」という制度も、世界的にみれば特殊な規定で、世界の趨勢は「建築許可」であるが、それはまた別の機会に書いておこうと思う。

 この本は、2025年4月に初版が発行された本だが、条文毎ではなく、項目ごとに「現行規制の内容」「主な改正履歴と改正の趣旨・内容」について、国土交通省が改正時に示した通達、技術的助言等を記載し、法令改正時のねらいや、その概要を記載しているので、とても分かりやすく、お薦めの本だ。

 「既存不適格建築物」(法3条第2項、3項)は、「過去の法令に適合していたが、現行法には適合しない建築物」をいい、一部の法令に適合していない状態では違法建築物とは法的に区別されている。

 でも、時々「既存不適格建築物の賞味期限」を設定した方が良いのではないかと思う事案に出会うことがある。

 例えば昭和45年に竣工した商業ビルで、用途は店舗、延床面積は1万㎡を超えていて、常時不特定多数の人が出入りしている建物だが、排煙設備がない。排煙設備の規定の施行は、昭和46年1月1日だから、築54年の間 テナントは入れ替わったが、用途の変更もないので、ずっと排煙設備がないまま現在も稼働している。安全面から考えて既存不適格の賞味期限を設定しても良いのではないかと思った。

 又 別の事案だが、古い建物のエレベーターやエスカレーターも既存不適格となっていることが多い。これらも昨今は、法令改正により安全面が強化されているが、常時不特定多数の人が出入りしている建物に設置されている場合などは、安全面から考えて既存不適格の賞味期限を設定しても良いのではないかと思っている。

 いずれにしても、ストック活用、長寿命化に向けて今後の法的整理、課題は多いように思う。

「境界確認の困難要因と実務対応」鈴木泰介・内野篤 共編

 建築物と敷地・敷地境界にまつわる問題は多い。

 既存建築物の敷地面積に関わることで こんな事が以前あつた。新築時の建築確認済証では建蔽率は適合していた。土地の登記簿謄本を取り寄せてみたところ確認済証に記載されている敷地面積より少なかった。謄本上の敷地面積なら建蔽率は不適合。

 そこで、とりあえず敷地の四辺をテープで実測してみたところ、新築時の確認申請副本の配置図に記載されている辺の数値と、ほぼ同じだった。既存建物があったので斜辺は実測できなかった。計画の初期段階で測量士や土地家屋調査士に依頼する以前の段階だったので、自分で実測。

 なんで敷地面積が違うんだろうと思案して、作図をしてみたところ 何という事はない、新築時の配置図の三斜法の底辺と高さを書き換えていることが分かった。多分 建蔽率がオーバーするので、敷地面積を増やして建築確認済証を取得したものであろう。つまり設計者による虚偽の建築確認申請である。

 増築時の建築確認申請の際に配置図の数値を修正した。建蔽率はどうしたのかというと、準防火地域+準耐火構造で10%加算を利用し法適合化した。

 建築物の敷地は、不動産登記法上の筆に制約されることはなく、一筆の土地の一部を建物の敷地とすることもできるし、複数の筆を建物の敷地とすることもできる。

 また敷地境界線は、厳密に境界や所有権等の範囲を明示しているものではない。判例でも、隣地と境界不明などの紛争が生じていない場合、設計の受任者は一般的な範囲で敷地の調査・確定をする義務を負っていると考えられている。(東京地判昭50・2・20判時794・89)

 建築確認申請上の敷地面積は、依頼者からの指示等により敷地の現状を調査すれば足りるので、境界確定や厳密な測量をしていなくても良いのだが、悪意のある虚偽の図面に出くわすことは多々ある。

 敷地境界に関わることは土地家屋調査士に相談するば事足りるのだが、設計者も基本的な事は知っていた方が良い。

 別な事例で、敷地境界に関する問題が生じたので読んだ本。

「建築物の防火避難規定の解説2025」

EPSON MFP image

 2023年度版に続き2025年度版が発行された。商売道具とはいえ、法令が変わるたびに、こうした本を購入し目を通しておかなければならない。

 さて、どこがどう変わったのか、相変わらず差分対照がないので よくわからない。

 フォローアップの避難検証法の質疑回答が掲載されたように思う。まあ避難検証法等の性能規定については、恐らく一級建築士が10人いたら、そのうち9人ぐらいは知らないというだろう極めて専門的な分野。

 東京は暑いので、日中はできるだけ外に出ず、クーラーの効いている部屋で、もっぱら、こうした専門書を読む。

「世界で一番おもしろい構造デザイン」日建設計構造設計グループ

2025年 年初に買った本の中の一冊

新しいプロジェクトを構想しているとき、傍に置いて参考にしている

勿論、この本の中で取り上げられているような、

大きなプロジェクトには関与していないが

構造設計者とプロジェクトについて対話するときの

ヒントになる事が書かれている

ずっと半年ぐらい結論が出せていないデザイン・構造上の

悩みを抱えている

幾度か間をあけて計画しているが、ピタッとくる解決方法が見つからない

そういう時に、いろんな本を引っ張り出してきて苦悶する

新ガイドライン調査への懸念

 2025年4月1日から 既存建築物の増改築等の確認申請には、新ガイドラインに基づく現況調査書の作成、添付が必要となる。

 国土交通省から2024年12月に発表された、この新ガイドライン(第1版)。3月末までには、木造以外の構造についてや、特殊建築物に言及した第2版以降が発表されるのかなと思っていたが、どうやら第1版のまま新年度を迎えるようだ。(2025年3月25日現在)

 ここで個人的意見、懸念を記しておきたいと思う。

1、全て建築士(設計者)に責任をおっかぶせてきた。建物全体の中の、わずかな調査箇所で適法か否か、あるいは既存不適格なのか判断するのは勇気がいる。

2、新ガイドラインに基づき現況調査をしたとしても検査済証のない既存建築物の増改築等の確認申請を受け付けない特定行政庁、指定確認検査機関が多数あるだろう。まず受付するか否か事前に確認しておかなければならない。

3、新ガイドライン調査、作成費用が嵩む。増改築等確認申請手数料が増額になる。つまり建築主の費用負担増となるだろう。

4、街場には、違反建築物が溢れている。既存建築物となれば尚更で、違反建築の宝箱みたいなものだ。どの段階で是正するのか、確認申請前に是正するのか、あるいは計画の増改築等で是正工事をすれば良しとするのか。確認申請決裁者が判断すればよいのでしょうかね。

5、多くの建築士は、既存建築物の増改築等の相談を受けたら右往左往するだろう

以上 とりあえずの懸念

清水建設 あと施工アンカーの設計・施工法に初の強度指定

 清水建設(株)はこのほど、日本ヒルティ(株)の協力を得て、短工期・低コストで鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の躯体(コンクリート躯体)に鉄骨小梁を接続する「あと施工アンカー」の設計・施工法を確立、この設計・施工法の信頼性を証する初の強度指定を国土交通大臣から取得した。

https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024057.html

2022年3月の国土交通省告示第1024号の一部改正後、強度指定を取得した「あと施工アンカー」については、用途が拡大し、従来の既存コンクリート躯体とその耐震補強部材との接合に加え、鉄骨小梁など常時荷重を受ける部材との接合にも適用が可能になっていた。

 鉄骨階段の取付け、床開口における小梁の取付け等、工期短縮とコストダウンに多大な寄与は間違いない。

 清水建設と日本ヒルティに感謝!!

 

小屋裏物置(ロフト)への階段・2025

 面識のない人からメールでこんな質問があった。

 「都内新築戸建で、LDKにつながるロフトを設置したいと思っております。ロフトへのアクセスは、LDKにスケルトンの内階段を設けてロフトへ上がれる様にしたいと思っています。
 渋谷区ではロフトへ上がるのに固定階段の設置はできないと設計から言われ、取り外し可の階段であれば可能ということですが、しっかりとした固定階段で上がれるようにしたいので、どうしたものか悩んでおります。」

【回答】
 小屋裏物置(ロフト)への階段の取り扱いについては建築主事によって異なっており都内でも特別区によって異なります。最近の都内特別区の取り扱いを全て調べたわけではありませんが、渋谷区、新宿区等が固定階段不可のようです。

 昔は、固定階段絶対不可の時代もありましたが、梯子は危険性もあるため最近は、よほど大きなものでなければ固定階段可になっているのではないでしょうか

 また、「建築確認のための・基準総則集団既定の適用事例(2022年度版)」日本建築行政会議では、「小屋裏物置等への専用の階段は、法第2条第5号に規定する『局部的階段』に該当する」という記載(この記載は2017版から)があるために、それを根拠に固定階段を認めている建築主事も多いようです。

 以上のような文書もあることから、民間指定確認検査機関に確認申請を提出する場合は、必ずしも特別区の取り扱いになるとは限らず、また個々の取り扱いの判断については、確認申請を決済する民間指定検査機関に任せることがあるので、民間指定確認検査機関に御相談ください。

「佐々木睦朗作品集 1995-2024」

2025年最初に購入して読んだ「佐々木睦朗作品集 1995-2024」

実は、建築構造が好き

20代の頃 世話になった先輩達が、

みんな構造設計者だったという事もあるかもしれない

「本格的に構造をやれ」と何度も言われたけど、

D値法を少しやったくらいで終わった。

それでも構造家の本を見るのは好き

「せんだいメディアテーク」のコンペから、もう30年経ったんだなと思うと考え深い。

磯崎新、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAなどと協働し、
世界を舞台に活躍を続ける
日本を代表する構造家・佐々木睦朗さん。

「せんだい」「金沢21世紀美術館」「ROLEXラーニングセンター」
「豊島美術館」などの代表作から
最新「あなぶきアリーナ香川」までの30作品収録。

空間構造の最高賞 「トロハメダル」受賞(Torroja Medal, 2023)。

その構造ディティールの美しさに魅了される。

SRC耐震診断資格者・耐震改修技術者講習を修了しました

国土交通大臣登録 耐震診断資格者講習・耐震改修技術者講習の講習修了証明書が一般社団法人日本建築防災協会から届きました。

昨年の鉄筋コンクリートに続き、今回講習が終了したのは鉄骨鉄筋コンクリート造の部門です。

耐震診断には、かれこれ30年ほど前から関わっていますが、近年は高強度コンクリートの開発もありRC造が主流でしたが、現在大規模改修時期を迎えている集合住宅の建物はSRCも多く、SRCも勉強しておこうと思い受講しました。

WEB講習でしたが、顔認証システムが導入されていたので、少し静止していると「顔写真」と判断するのか動画が停止し、うつ向いていると「真面目に聴講してない」と判断するのか動画が停止するというシステムなので、意外と真面目に聴講しました。顔認証システムは良いシステムだと思います。

計画通知について、指定確認検査機関による審査・検査等が可能に

令和6年6月19日に改正建築基準法が公布され、建築基準法第18条で定める国、都道府県または建築主事を置く市町村の建築物(計画通知)について、指定確認検査機関による審査・検査等が可能となった。
計画通知に関する業務受付を開始した指定確認検査機関もある。

いいんだかどうだか。

意外と盲点・・・施行令70条(柱の防火被覆)

 その後関係者の御提供により、建設省住宅局建築指導課事務連絡「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施行令第70条の取扱いについて」(昭和62年12月1日)を受けて「低層建築物の構造耐力性能評定に関する技術規定(鉄鋼系)」(日本建築センター、昭和63年)という文書を入手した。

そこには、精算法、軸力再配分法の計算方法が詳細に記載されている。

この記事を見ての問合せが意外と多いので追記。質問は令70条について平成12年改正以前の取り扱いがどのようなものであつたか知りたいという事だった。検査済証のある既存建物でも天井裏の部分で施行令70条の防火被覆が施行されていない案件を時々見かける。又既存不適格であるということを証明するには、過去の取扱いがどうなっていたか調べる必要がある。

1991年(平成3年)に出版された「詳解 建築基準法 改訂版」の令70条の解説では以下のように記載されている。これは昭和46年1月1日施行から平成12年5月31日までの規定についての解説。

この頃までは柱1時間耐火程度が適切という取扱いだったが、その後厳しすぎる面があるという事で「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施工令第70条の取扱いについて」という事務連絡が昭和62年12月1日に出て、現在は告示に集約されている。

この後、平成12年6月1日に改正され平成13年1月6日施行-現在有効が下記の条文

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設計上や審査上で意外と盲点というか忘れてしまうのが建築基準法施行令第70条(柱の防火被覆)です。

(柱の防火被覆)第70条

地階を除く階数が3以上の建築物(法第2条第9号の2イに掲げる基準に適合する建築物及び同条第9号の3イに該当する建築物を除く。)にあつては、一の柱のみの火熱による耐力の低下によつて建築物全体が容易に倒壊するおそれがある場合として国土交通大臣が定める場合においては、当該柱の構造は、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

耐火構造・準耐火構造とする必要が無い 三階建ての鉄骨造の建物・・・例えば倉庫とか工場、専用住宅で鉄骨がむき出しの建物などの場合には、柱の防火被覆が必要です。

防火被覆の条項が構造規定関係のところにあるので、つい見落としやすい条項です。

特定行政庁によっては、1階の柱部分のみ被覆すれば、容易に倒壊しないと考え指導しているところもあると聞いています。

検査機関は、法判断の裁量権がないので特定行政庁の指示に従う事になりますが、個人的には1階の柱部分のみ被覆すれば、容易に倒壊しずらい。と考えますので簡易的な方法としては有効だと思っています。

この施工令70条の法文は、昔は下記のようなものでした。

地階を除く階数が三以上の建築物にあっては、一の柱のみの火熱による耐力の低下によつて建築物全体が容易に倒壊するおそれがある場合においては、当該柱は、モルタルその他の断熱性のある材料で皮膜しなければならない。

昭和62年当時、近畿建築行政会議の統一解釈として大阪府下では、一時間耐火として指導していた。

しかし建設省住宅局建築指導課より「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施工令第70条の取扱いについて」という事務連絡が昭和62年12月1日に出され、一時間耐火の性能を要求する事は、やや厳しすぎる面があるとして是正された経過があります。

この事務連絡では、検討方法として

1,精算による方法

2,軸力再配分による方法

が詳細な計算方法とともに示されています。

てら小屋チーム・第14回WEB打合せ

 今までは、単独プロジェクトの設計チームのWEB打合せだったが、同時並行で進んでいるプロジェクトも増えてきたことから、今回から名称を「てら小屋チーム」WEB打合せにした。

 そこで相談が増えている「新2号建物の建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査)」について説明した。

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 2025年4月より建築基準法第6条1項4号の木造2階建てが、新2号に改正されるのに伴い、木造住宅等で大規模なリフォームをする場合に建築基準法上の「大規模な修繕」「大規模な模様替え」に該当し建築確認申請を提出する必要が出てきます。

 木造戸建て住宅の建築確認申請検査済取得率は、1998年(平成10年)当時は、取得率40%以下でした。大規模なリフォームの実施要望がある戸建て住宅は、築20年から築30年ぐらいの建物と言われていますから、今後戸建て住宅の大規模リフォームの相談案件の過半は検査済証がないので、建築基準法適合状況調査のあとに建築確認申請を提出する必要が増えてくるものと思います。

 建築基準法適合状況調査に沿った調査(ガイドライン調査)や改修設計に精通した設計者は多くありません。現在弊社には、全国から一級建築士を始めとした設計者から多くの相談が寄せられています。

 そこで緊急的に、検査済み証が無い建物の建築基準法適合調査に沿った調査(ガイドライン調査)→申請→改修設計→各種確認申請→検済取得のプロセスを、ひとりひとりがイニシアチブをもって実務を行えるようになるためのガイダンスを今後継続的に開催することにします。

 まずは建築基準法適合状況調査を木造から始め、非木造・特殊建築物に知識・技術を発展させてください。

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 質問も多く2時間も喋ったものだから病み上がりの身体には堪えた。

エビデンス、エビデンスとコンプライアンス鳥は今日も鳴く

最近、鳴き過ぎだろうと感じるのは「コンプライアンス鳥」。

些細な事にもエビデンスは?、打合せ議事録は?、この条文の規定の文書化された取扱いは?とか。そういう天の鳥に振り回されることが多い。

そうした中で、一般の人には建築基準法の用語「既存不適格」というのが、どうもわかりずらいようである。

もしかしたら建築関係者でもわかっていないんでないかと思う事がある。「既存不適格だから改修が必要だとか、解体建替えが必要だ」というような文書にお目にかかる事がある。また弁護士などの法律専門家にも詳しく説明が必要な場合がある。

建築基準法の「既存不適格」とは、建築・完成時の「旧法・旧規定の基準で合法的に建てられた建築物」であって、その後、法令の改正や都市計画変更などにより、現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のことをいう。「違反建築物」と異なるし、条文毎に時期が異なる。

既存不適格であれば、増築とか用途変更をしなければ、そのまま使用していても法律的には問題は無い。注意しなければならないのは、ここでいう「既存」とは、建築基準法では確認済証があり、かつ完了済証がある既存の建物であって、ただ古い建物=既存建物を言うのではない。

しかし、それは法律的な側面であって、安全上の側面とは異なる。遵法性だけ満足していれば良いというものではない。

法律はその時々の社会経済情勢の反映でもあるから、現行法が全て正しいとは言い切れない。実際 現在の建築基準法は緩和、緩和のオンパレードだ。

ただし、こと安全基準に関わることとなると別だ。特にエレベーターやエスカレーターに関しては、強く安全性の問題を意識せざるを得ない。とりわけ不特定多数の人が使うような建物の場合は、改修が急がれる場合が多い。

【昇降機(エレベーター)】

 既存建物の昇降機(エレベーター)は、既存不適格であり法令に違反してはいない事が多い。

 ただし、新築時から30年も40年も経過していると、その間昇降機に関する安全基準は大きく変わったため既存不適格項目に基づく改善要望事項は多くなる。

 例えば2005年(平成17年)7月の千葉県北西部地震において発生したエレベーターの閉じ込め事故、2006年(平成18年)6月の港区シティハイツ竹芝のシンドラー社製エレベーターの戸開走行事故等を受け、(1)戸開走行保護装置の設置義務付け(令第129条の10第3項第1号関係)エレベーターの駆動装置や制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降したときなどに自動的にかごを制止する安全装置の設置が義務付けられた。

(2)地震時管制運転装置の設置義務付け(令第129条の10第3項第2号関係)
 エレベーターについて、地震等の加速度を検知して、自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開くことなどができることとする安全装置の設置が義務付けられた。

さらに2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震での昇降機の被害事例を受けて、昇降機の耐震強化を目的として、2013年にエレベーター、エスカレーターに関する耐震関係告示が制定され、2014年4月1日から施行された。このように昇降機の安全基準は大きく改正されてきている。 

 また経年変化による劣化が指摘され要是正とされる場合もある。既に昇降機の基準耐用年数(35年程度)を超えていると、新規入替の検討が必要である。事故が発生すれば人命にかかわる事であり緊急の対応が必要であるが放置される傾向がある。


【エスカレーター設備】

エスカレーター設備もエレベーターと同じ問題を孕んでいる。2014年4月1日、建築基準法施行令の一部が改正され、地震その他の振動によってエスカレーターが脱落するおそれがない構造方法の規定が追加された。これは2011年の東日本大震災でエスカレーターが脱落し被害が生じた事による法改正である。

 また、2024年(令和6年)4⽉1⽇からエスカレーターの安全基準が変わった。
近年の、エスカレーターの挟まれ事故への対応として、エスカレーターの周辺部に誘導柵、転落防止柵等を設置する場合の安全基準が見直しされた。さらにエスカレーターの転倒事故への対応として、ハンドレール停止等の異常を検出し、踏段を停止させる安全装置の設置が義務化された。
 このようにエスカレーターに関わる安全基準は、近年大きく変わってきており、利用者の安全を確保するためにも、エスカレーターの機械設備としての耐用年数が近づいている場合は、現行法令(安全基準)に適合した新規取替が必要不可欠である場合が多い。 

ただし、エスカレーターは発注から施工まで1年半。エレベーターは1年という昨今の建設事情では、中々改修のスピードは上がらない。

人間であれぱ、いくら法律的に支障がないとはいえ「身体堅牢・骨太ではあるが、脳や心臓に重大な疾病が発見され至急処置しないと死に至る状態」、「至急外科的出術が必要」というようなケースは多々あるということ。

「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」

2024年10月3日国土交通省から発表された「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」を見ていた。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html

https://www.mlit.go.jp/common/001766698.pdf

旧法6条1項4号建築物から新2号建築物になる2階建て木造一戸建て住宅がリフォーム。リノベーションを行う場合に大規模の修繕又は大規模の模様替の建築確認申請が必要になるということを注意喚起するもの。

新2号建築物は階数2以上又は延べ面積200㎡以上で、これまで無法状態だった旧4号建築物のリフォーム、リノベーションに法規制の網がかぶさってきた。軸組だけ残すスケルトン・リフォームやスッポッポン・リフォームも確認申請が必要となる。

例えば木造2階建で耐震等級を「3」にアップするようなリフォームを含有する場合、床合板、野地板合板、壁面合板等を張り替えないと耐震等級を上げることはできないので、当然ながら大規模の模様替えの確認申請が必要になる場合が想定される。

もうひとつ忘れてはならないのが、旧4号建築物は、検査済証がない手続上違反建築物や実態上の違反建築物が街場にゴロゴロしているということだ。

当然ながら大規模の模様替え確認申請の前段階として、検査済証が無い場合は、建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査)等が必要となる。

建築ストックにおける建築基準法の取扱い

 先月、「床および階段の改修に関する建築基準法上の取り扱いについて」の技術的助言が国交省(国住指第208号 令和6年8月28日)から通知された。
 これは建築基準法第6条第1項より、同第一号から第三号までに掲げる建築物の大規模の修繕※1や大規模の模様替えをしようとする場合には、確認申請が必要になるが「床および階段の改修に関する建築基準法上の取り扱いについて」の技術的助言がまとめられたもの。

【床の改修】
次の行為は、大規模の修繕および大規模の模様替えには該当しないものと取り扱うことも可能です。

床の仕上げ材のみの改修等を行う行為
既存の仕上げ材の上に新しい仕上げ材をかぶせる改修

【階段の改修】
次の行為は、大規模の修繕および大規模の模様替えには該当しないものと取り扱うことも可能です。

各階における個々の階段の改修にあたり、過半に至らない段数等の改修を行う行為
既存の階段の上に新しい仕上材をかぶせる改修を行う行為

以上の内容程度でわざわざ技術的助言を通知しなければならないほど、審査の現場は混乱しているというのだろうか。

実際、建築ストックの設計・監理に携わっていると、もっと重要かつ取扱いが分かれている事があるだろうと言いたくなる。

例えば

「装飾か増築か」

 既存の壁面にルーバーをつける程度なら装飾で、植栽棚(点検床あり)のようなものは装飾と言ってよいのか。床面積が発生しないなら装飾か。装飾物が既存躯体にどの程度応力を負担させるなら増築と取り扱わなくて良いのか。いちいち審査機関に確認するのが面倒だ。そもそも増築の定義が建築基準法では明文化されていない。今日の状況に合せて定義する必要があると思う。

「庇をつければ増築?」

新しく開口部の上に庇をつければ増築だという。建築面積が生じなく幅1.8m程度なら増築ではないという。建築面積はともかく幅1.8mの根拠は如何に。

「RCかぶり厚の補正」

内装を解体してみたらRC梁のジャンカが多い。クラックが多い、鉄筋のかぶり厚が少ない場合等がある。この時の補正・補修はポリマーモルタル等を使うんだけど、鉄筋かぶり厚を確保する為に厚塗りするのは、建築基準法的にはどうなのと思う。モルタルは鉄筋コンクリートとは違うし。一体となったものがRCと言えるのか?

その他にもいろいろある。「エレベーターピット下の居室利用」「エレベーターのオーバーヘッド確保の為にエレベーターシャフト部分だけ高さを増す事」

事件は現場で起きているんだよ

「逐条解説 建築基準法 改訂版 」逐条解説建築基準法編集委員会 ・編集

予約注文していた「逐条解説 建築基準法 改訂版」が届いた。実に12年ぶりの全面改訂である。

「建築基準法」を条文ごとに趣旨、解釈を整理した唯一の解説書で令和6年4月1日施行までの最新内容を盛り込み、上下巻セットでずっしりと重く充実の内容
 
法令遵守徹底のために、自治体の建築関連部署、指定確認検査機関、設計事務所、建設会社、コンサルタント事務所など、建築基準法を扱う職場の必備図書ではあるが、事務所に1冊常備で良いような図書も、個人事務所では購入しなければならないのが、少々負担。何しろ この本のお値段は19,800円(税込)

【主な改正点】
平成26年改正
構造計算適合性判定制度の見直し、木造建築関連基準の見直し、容積率制限の合理化 …など

平成30年改正
維持保全計画の作成義務の範囲の拡大、耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し …など

令和4年改正
建築確認審査の対象となる建築物の規模の見直し、高さ制限、建蔽率・容積率に係る特例許可の拡充 …など

令和5年改正
「建築基準法施行令」の改正による、定期調査の指定可能対象範囲の拡大、物流倉庫等に設けるひさしにかかる建蔽率規制の合理化 …など

秋の夜長に、じつくりと読みましょうかね。

「建築物の防火避難規定の解説2023」日本建築行政会議編

「建築物の防火雛規定の解説2016(第2版)」の発行以降に行われた建築基準法令及び国土交通省告示の改正内容、さらに関係各方面からの質疑回答を反映している。

いつも前版との差分を確認するのだが、新しい項目の追加は見られなかった。

「耐火構造の屋根の例示仕様について」の内容が追記されているのが目についたが、質疑回答を本文に反映した変更が多いように思う。

ともあれ特殊建築物が業務の中心になっている設計者にとっては、今や必携書となっている。