「ともぐい」河崎秋子著

第170回直木賞を受賞した河崎秋子さんの「ともぐい」を読んだ。

一言でいうと「すごい」小説だ。

この本を買ったのは、まだ直木賞候補作だったときで、知らない作者だったが内容が面白そうなので購入した。

しばし積読状態だった。

専門書以外で読む本が無くなったので、横浜に移動する電車の中で読もうと読み始めたら引き込まれ、ほぼ一晩で読んだ。

「新たな熊文学の誕生」と帯に書かれているが、動物と自然と人間の「生」の強烈な描写に圧倒される。

熊を狩る猟師 「熊爪」は、獣の如く生き抜き、まぐわい、死を受け入れる。

今日的な「幸せ」なんて、もはや小さい事ではないかと思ってしまう。

身体の芯をえぐられるような連続する死闘と荘厳な命の滴りを描き尽くした傑作。