「伝説の銀座マダム おそめ」石井妙子著

 かつて銀座に川端康成、白洲次郎、小津安二郎ら文化人、知識人、政財界人が集まる伝説のバーがあった。その名は「おそめ」。マダムは元祇園芸妓であり、京都と銀座に二つのバーを持っていた。

 ライバルとの葛藤など、さまざまな困難に巻き込まれながらも、己を強く通して生きた女性の半生を描いている。まるで暴走する車のような、止まることができない人だったように見える。

 その一方 夜の銀座の水商売の戦略ストーリーのイノベーション変遷を知ることができ興味深い。

 一人の女性の生涯を綿密な取材をもとに丹念に掘り起こした隠れた昭和史。

 この本の存在を知ったのは、競争戦略の研究者である楠木建さんの「戦略読書日記」。その中で紹介されていた22冊の本の一冊であり、戦略と経営の本質を探究する思考の基になった本ということで、興味を持って読んでみた。

 若い時から勤め先が新橋から八重洲周辺が多かったこともあり、銀座は、社会人になってからは東京でも一番馴染みが地域である。

 もっとも銀座のクラブには若い時に接待のお供で一度行ったきりで、あれから半世紀行ったことはない。

 半世紀前上司に、座ったら一人5万円だと言われた記憶が残っている。

 その頃の私の給料のほぼ一月分。それでも社会勉強だからと若者を連れていく余裕が日本社会にはあった。

 

てら小屋チーム・第16回WEB打合せ

 毎月開催していたWEB打合せ。1月は諸事情により飛ばし2月になって開催。

 冒頭、現在進行形のプロジェクトの進捗状況の報告。進行形プロジェクトの共用部デザイン検討のための事例、カラースキームを担当者が報告し質問や意見の交換を行った。

 今回のメインは、「ジャンク不動産の商品化」と題して、今までの事例を紹介をした。

 違反建築箇所がとても多い物件の改修。是正工事を行って、全体的にリノベーションを行ったうえで検査済証を取得した。ちょっと内容が濃くて2時間もかかった。その後、チーム参加者からの個別相談を受けた。

 次回は3月。「生産施設の遵法性調査」について説明することにした。

labor、work、play

聞くところによると「仕事」に対応する英語の意味は三つあるそうだ。

「labor」は「労役」である。基本的には強制されて行う奴隷の仕事。嫌でもやらないと生命や安全が脅かされる。

「work」は、企業組織に属し、それぞれ決められた仕事をするような、現代的な仕事の形態なのかもしれない。

「play」は、プロの野球選手などのようにプレーして報酬をもらうう形態。彼ら、彼女たちの事を決してワーカーとは呼ばない。

 我々設計者の仕事は、果たしてlaborか、workか、果たしてplayか。それぞれの所属、立場によって異なるだろうが、私は一生プレーヤーでありたいと思うのだ。

「はたらく細胞 ばいきんvs白血球たちの大血戦!」原作:清水茜、作:牧村久実

 昨年、2024年12月に実写映画版が公開されていたので、映画を見に行こうと思っていたのだが、仕事とか一級建築士の更新講習とか予定を詰めすぎていた上に年末にはインフルエンザでダウンして見に行けなかった。

 それで原作の絵本をとりあえず第1巻だけ買って読んでみた。

 人間の身体のことは、まったく知らず、白血球、赤血球、血小板とか名前しか知らない。それぞれどんな役割があるのかさえも知らない医学音痴の自分。妻は医学、薬の事はめちゃくちゃ詳しいので、そちらの分野は依存しきっている。

 子供の頃に、こういう絵本を見ていれば、人生の選択は変わっていたかもしれない。

 

「ネット情報におぼれない学び方」梅澤貴典著

 岩波ジュニア新書だから、若い人たち向けの本なのだろうが、実にわかりやすい内容だった。

 「情報リテラシイー」とは、情報の信頼性を見抜く能力の事なのだが、現代のネットの中では、特にSNSではデマ、誹謗、中傷が横行、席巻していて気持ち悪くなる。

 自ら情報の信頼性を見抜く能力を身につけながら、自ら学ぶ力を伸ばす。そうすることで、それまでは存在すら知らなかった「人生の選択肢」を増やすことができる。

 この本には知的探求の「ワザ」が5個書かれている。

1、確かな情報を集める

2、幅広い知識体系を育てる

3、自分の探求テーマを見つけ

4、解決策を考えだし

5、言葉で伝える

「学びは終わりなき旅」

【覚書】借地非訟手続き

最近、借地の既存建築物にかかわることが増え、その中で知った手続き「借地非訟」

 借地契約によって土地を借りて利用している場合、地主の承諾が必要な場面がある。  例えば、借地権つきの建物を売却したい場合には、地主の承諾がなければ借主が勝手に売却できない。

 このような場合「借地非訟手続(しゃくちひしょうてつづき)」を利用すると裁判所に地主の承諾に代わる許可を出してもらえる可能性がある。ただ、借地非訟の手続では、借地契約のうち旧借地法及び借地借家法に定められた借地権を扱う。従って建物の所有を目的とする土地賃貸借契約又は地上権設定契約であることが必要となる。

 詳しくは、最高裁判所のサイトへ。

https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minji-section22/minji-section22-mokuji-1/index.html

借地非訟事件として取り扱うことができる事件は、次の6種類としている。


(1) 借地条件変更申立事件(借地借家法17条1項)
(2) 増改築許可申立事件(借地借家法17条2項)
(3) 更新後の建物再築許可申立事件(借地借家法18条1項)
※本申立ては、平成4年8月1日以降に設定された借地権についてのみ適用される。

(4)土地の賃借権譲渡又は転貸の許可申立事件(借地借家法19条1項)
(5) 競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可申立事件(借地借家法20条1項)
(6) 借地権設定者の建物及び土地賃借権譲受申立事件(借地借家法19条3項、20条2項)

図面? 絵? なにこれ

 古からの知人から送られてきた図面。とある設計者から確認申請の手続きを再委託されているらしく省エネ計算をしてくれないかという依頼だった。

 まあ古くからの知人なので図面を見てみたら「図面?絵?なにこれ」とつぶやいてしまった。建築確認申請の仮受図らしいが、省エネ計算するにしても断熱の仕様も建具の仕様も書かれていない、さらには空調、照明、給湯図もない。

 およそ性能に関しては無頓着な設計者に見受けられたので、省エネ計算をするのに不明なこと、足りない図面を書いて質疑として送付した。

 図面といつても1/100をただ1/50に拡大したような図面。一級建築士でもこんな図面しか書けない人が相変わらずいるんだなと思った。

 ずっと昔の事だが、指定確認検査機関に勤めていたころ上司が、法6条4号の木造住宅の申請図画が明らかに耐力壁も筋交いもない住宅だったので「筋交い計算書」の添付を設計者に求めたことがある。

 建築基準法の細則では「その他必要な書類」として設計者に提出を求めることができるのだが、これが設計施工の住宅会社からクレームが入り、ひと悶着があった。結局は、その会社の確認申請は受けないことになった。

 4号特例は、設計者の責任でとあるが、この国では設計者まかせでは建物の構造安全性は担保されない。そうした実例をたくさん見てきただけに、今度の法6条4号特例の縮小には基本的に賛成だ。

 指定確認検査機関時代にたくさんの図面を見てきた経験から確信を持って言えること。

 「一級建築士はピンキリ」

「母とわたしの3日間」

 娘に会いたくて天国から帰ってきた母と母が恋しくて故郷に帰ってきた娘が織りなす物語。

 母と娘の愛という普遍的なテーマを感性豊かに、愛らしく描いている。この映画を見た人は、きっと大切な誰かに思いを馳せること間違いない。

 料理の果たす役割は偉大だ。韓国料理が食べたくなる。

 母娘の情愛のすれ違いが次第に通い合い、心温まる。観た後の気持ちがとても良い。

 良い映画を見つけた。

 死んだ父、母、兄、ペット達。話したい事、伝えておきたいことが沢山あるから3日間だけ戻ってきてほしい。と思ってしまう映画です。

 あっ。一人ずつ、一匹ずつ、あの世から訪ねてきてね。お願い。

ジャンク不動産

 「ジャンク」(junk)とは「廃品・ガラクタ・不用品」を指すらしいが、「ゴミ」とは異なり、まだ利用できるものとのこと。

 日本FP協会ジャーナル2024年12月号に「『問題不動産』の解決に向けたFPアドバイスという記事を、クライアントから見せてもらったら「問題不動産」として

「法的な問題があり利活用・処分が困難な不動産」として1、接道義務違反。2、違反建築物。3、既存不適格を挙げている。

 また「法的な問題はないが利活用・処分が困難な不動産」として1、境界が不明または境界トラブルがある。2、相続登記をしていない。3、私道に持分登記をしていない。

 ファイナンシャルプランナーの立場から見たら、こうした案件が「問題不動産」なのだという。問題不動産=ジャンク不動産ということではないだろうが、近いものを感じる。

 一方不動産屋さんから見ると、1、建物の老朽化が進んでいる。又は倒壊寸前の建物。2、ゴミ屋敷。3、事故物件。4、過疎地の一軒家。5、誰も住んでいない実家等がジャンク不動産らしい。

 私から見ると「ジャンク不動産」とは、1、検査済証がない。2、違反建築箇所が多い建物。3、再建築不可物件(接道)となる。

 「検査済証がない」と既にリート(不動産信託)案件の商品とはならないし、売却もしずらかったり、値引きさせられる金額が多いと聞く。また今後日本社会で建築ストックが積みあがってくると更にジャンク枠入りが濃厚である。「違反建築箇所が多い」のは、あまりに違反箇所が過大だったりすると是正工事費がかかり、投資対効果が悪くなる。「再建築不可物件」は、要するに接道義務違反である。

 こうして考えると、さながら弊社は「ジャンク不動産・専門事務所」と言えるかもしれない。

高齢者向けシェアハウス

 今は爺婆二人住まいだけど、更に歳を取ってからシングルになったらどうしようかと考える。常々婆ちゃんには先に死ぬなよと言っているのだが・・・。

 たとえシングルになっても、老人ホームや特養とか集団生活の管理型施設は嫌だな。

 でもシングル高齢者は「知らぬ間に認知症が発症・進行する」「社会からの孤立」「生活意欲の低下」「詐欺(さぎ)など犯罪に狙われやすい」「孤独死」など、さまざまなリスクがある言われている。

 自分も高齢者になったことでもあり、このところ高齢者の住まいについて調べていた。

 その中で気になったのが、高齢者向けシェアハウスだ。

 一般的なシェアハウスと同じく、高齢者向けシェアハウスに明確な定義はないとのこと。基本的には介護を必要としない高齢者が、複数人での戸建てをシェアする形や、共用部があるアパート型の集合住宅に住む住居スタイルを『高齢者向けシェアハウス』と呼んでいるようだ。

 日本の法律では高齢者が集団生活を送り、介護や食事のサービスが受けられる施設を「老人ホーム」と定義。特別養護老人ホームは生活に制約があるが、サ高住は介護や食事以外のサービスも充実していて入居者の自由度が高いなど、それぞれに特徴がある。  

 高齢者向けシェアハウスは、個人が自由に生活できるのでサ高住に近いが、自立生活が前提なので介護や食事の提供がない。

 サ高住は介護や食事以外のサービスが付くので当然料金が高い。それに比べて高齢者向けシェアハウスは低価格のようだ。

 今、老人ホーム、特養、介護事業の経営は苦しくなってきていると聞く。

 とりわけ介護事業所が経営難に陥り倒産する件数が過去最多を記録している。新型コロナの影響や物価高の煽りを受け、2023年の倒産件数も最多ペースで推移してる。

 ひとつは介護職員不足も背景にある。利用者を増やして収益を増やそうにも、現場で対応するヘルパーの有効求人倍率は15.5倍、さらに65歳以上のヘルパーが4人に1人と高齢化していて、人手不足が解消しないことから利用者を増やせず、経営不振から脱却できないという悪循環に陥る事業所が多くあるとのこと。

 また、介護サービス事業者は介護報酬が法定価格として定められているため、収益を上げて激しい物価高に対応することが難しい一面がある。

 高齢者社会という潜在的需要があるけれども、制度や経営システムが適合していない事例の典型かと思う。

「蔦屋重三郎・江戸のメディア王と世を変えたはみだし者たち」山村竜也監修

 この本は、映画「HOKUSAI」を観た頃に買った。もともとは、曲亭馬琴の事が詳しく知りたくて読み始めたのだが、この時代を彩った人々が、実に多才であったことを知ることができた。

 この本の監修者である山村竜也さんは、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~の時代考証担当者である。

 その山村さん曰く蔦重の最大の功績は「喜多川歌麿と東洲斎写楽を育て世に送り出したこと」に尽きると。

 確かに現代でも「歌麿」と「写楽」の絵は、強烈な印象を我々に残している。

 ともかく蔦重を取り巻く人々は、奇人、変人、奇才、粋人のオンパレードで楽しい。

トランプ大統領が政府庁舎の建築様式に関する大統領令に署名。「公共建築は古典的伝統に沿うべき」

 ドナルド・トランプは、アメリカ国内に新設される公共建築物および政府庁舎はすべて、古典主義建築が望ましいとする大統領令に署名した。

 「美しい連邦公共建築(Beautiful Federal Civic Architecture)」と題されたこの大統領令は、「地域の遺産を尊重し、アメリカの古典的伝統に沿った」建築デザインを強調することで、「公共の空間を美しくすること」を目的としている。「古典的」という言葉は、新古典主義、ジョージアン様式、ギリシャ復興様式、ゴシック建築、およびモダニズム建築時代以前の建築様式を指しているという。

https://artnewsjapan.com/article/21553

トランプ政権が公共建築に画一的な建築スタイルを押し付け、国家主義的な理想を強引に推し進めようとしている表れである。

第一次政権時代に署名された大統領令をめぐっては、米建築家協会(AIA)が全面的に反対することを表明していると聞いた。

 かってナチス政権のもとで建てられた建築は、ヒトラーによって建築統制がおこなわれた。 ヒトラーは古代ローマ帝国への憧れをもちながら、イタリアのファシズムにも心酔していて、それらをモデルにしながら都市計画をおこなった。 様式は単純化した古典主義で、国家権力を誇示するような威圧的な建築が建てられたことをすぐ想起した。

 40年ほど前になるが、イタリア・コモにイタリア合理主義の建築であるジュゼッペ テラーニの建築を見に行ったことがある。その頃 テラーニに心酔していたが、その後カテゴリー分けされる「ファシズム建築」とはちょつと異なると感じていた

 そしてEUR(エウル地区)、<ローマ万国のための新都心>も訪れたが、ローマ万国博覧会(1942)開催のために計画された新都心EURの建築には興ざめした記憶がある。

 かって全体主義を達成するため、民衆の意思をまとめる「舞台装置」として建築はフル活用された。

「国民国家」という人為的に人々を一つにまとめ上げるシステムは「伝統」と親和性が高く、権力の象徴としても効果的に機能する。

 やっぱりトランプの本質は、ここにあるんだなと再認識。

 

「ソウルの春」

 1979年12月12日、韓国・ソウルで発生した粛軍クーデター(12.12 軍事反乱)を題材としており、全斗煥の反乱軍と鎮圧軍の9時間の攻防が一部フィクションを交えながら描かれている。

 あれから、まだ46年なので この頃の記憶は新しい。

 1979年10月26日、大韓民国(韓国)の朴正煕大統領が暗殺された10・26事件の直後から翌1980年5月17日の非常戒厳令拡大措置までの民主化ムードが漂った政治的過度期を「ソウルの春」と指す。チェコスロバキアの「プラハの春」に由来する言葉である。全斗煥の粛軍クーデターと光州事件の武力鎮圧で多くの血が流され挫折したが、1987年の6月民主抗争で民主化がすすみ現在に至っている。

 粛軍クーデター(12.12 軍事反乱)の実情は、その後 徹底的に隠蔽され続けたらしいが、映画は緊迫の場面の繰り返しで、画面に吸い込まれてしまう。

 昨今の韓国の政治状況を半世紀の時代の中で俯瞰すると、まだ民主化闘争は途上にあることが理解できる。

 

清水建設 あと施工アンカーの設計・施工法に初の強度指定

 清水建設(株)はこのほど、日本ヒルティ(株)の協力を得て、短工期・低コストで鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の躯体(コンクリート躯体)に鉄骨小梁を接続する「あと施工アンカー」の設計・施工法を確立、この設計・施工法の信頼性を証する初の強度指定を国土交通大臣から取得した。

https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024057.html

2022年3月の国土交通省告示第1024号の一部改正後、強度指定を取得した「あと施工アンカー」については、用途が拡大し、従来の既存コンクリート躯体とその耐震補強部材との接合に加え、鉄骨小梁など常時荷重を受ける部材との接合にも適用が可能になっていた。

 鉄骨階段の取付け、床開口における小梁の取付け等、工期短縮とコストダウンに多大な寄与は間違いない。

 清水建設と日本ヒルティに感謝!!

 

「九十歳。何がめでたい」

 昨年、映画館で封切中に見逃したので、DVD発売とともに購入し、深夜に一人で見た。

 最近は、一人で深夜に動画を見るのが日課みたいになっている。DVDだと気になる場面や、セリフを何度も見直したりも聞き直すことができて良い。

 さて、この映画は歯に衣着せぬ物言いで人気の直木賞作家・佐藤愛子のベストセラー・エッセイ集『九十歳。何がめでたい』『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』を原作に、90歳の草笛光子が、エネルギッシュかつチャーミングに等身大の佐藤愛子を熱演している。彼女を支える時代遅れの編集者・吉川真也役に唐沢寿明、愛子の娘・響子役に真矢ミキ、さらに豪華キャストとゲストが多数登場しているのが興味深い。

 映画『老後の資金がありません!』で老若男女の共感を呼んだ前田哲監督がメガホンをとり、笑いと共感の痛快エンターテイメントに仕上げている。

 浦和の埼玉会館・前川圀男設計の魅力的な空間 エスペラナード、共通ロビーがロケ地の一部としてて使われていた。

 とても楽しくて、じんわりくる映画。

小屋裏物置(ロフト)への階段・2025

 面識のない人からメールでこんな質問があった。

 「都内新築戸建で、LDKにつながるロフトを設置したいと思っております。ロフトへのアクセスは、LDKにスケルトンの内階段を設けてロフトへ上がれる様にしたいと思っています。
 渋谷区ではロフトへ上がるのに固定階段の設置はできないと設計から言われ、取り外し可の階段であれば可能ということですが、しっかりとした固定階段で上がれるようにしたいので、どうしたものか悩んでおります。」

【回答】
 小屋裏物置(ロフト)への階段の取り扱いについては建築主事によって異なっており都内でも特別区によって異なります。最近の都内特別区の取り扱いを全て調べたわけではありませんが、渋谷区、新宿区等が固定階段不可のようです。

 昔は、固定階段絶対不可の時代もありましたが、梯子は危険性もあるため最近は、よほど大きなものでなければ固定階段可になっているのではないでしょうか

 また、「建築確認のための・基準総則集団既定の適用事例(2022年度版)」日本建築行政会議では、「小屋裏物置等への専用の階段は、法第2条第5号に規定する『局部的階段』に該当する」という記載(この記載は2017版から)があるために、それを根拠に固定階段を認めている建築主事も多いようです。

 以上のような文書もあることから、民間指定確認検査機関に確認申請を提出する場合は、必ずしも特別区の取り扱いになるとは限らず、また個々の取り扱いの判断については、確認申請を決済する民間指定検査機関に任せることがあるので、民間指定確認検査機関に御相談ください。

「イラストで読む建築・日本の水族館五十三次」宮沢洋・編著

日本は100館近い水族館を有する知る人ぞ知る「水族館大国」だそうだ。

 この本を読んで、結構自分も水族館に行っていたことに気が付いた。サンシャイン水族館、葛西臨海水族園、しものせき水族館・海響館、沖縄美ら海水族館、旭川市旭山動物園、アクアマリンふくしま、ほたるいかミュージアム。

 その中でも特に強く記憶に刻まれているのは、沖縄美ら海水族館の黒潮の海。幅35m×奥行27m×深さ10mの巨大水槽には圧倒された。その水槽の中を悠々と回遊する大きなジンベイザメには驚いた。この水槽は、世界最大級の大きさらしい。

 日本は技術面からも「水族館先進国」とのこと。

 これまで水族館は、建築的視点で語られることは多くありませんでしたが、水族館が、大人から子どもまで幅広い世代が建築を体感し楽しむことができる貴重な存在なのだと再認識した。

コンカレントエンジニアリング

 知人に弊社の仕事の進め方を話していたら「コンカレントエンジニアリング」に近いかもしれないと言われた。

 コンカレントとは同時並行のことだそうです。
「コンカレントエンジニアリング(CE:Concurrent Engineering)は、製品設計と製造、販売などの統合化、同時進行化を行うための方法で、1980年代、自動車産業業界で提唱されました。競争の激化で製品開発スピードの向上が求められる現在、国内外、様々な産業において有効な手法として導入・活用されています。」とのこと。

 従来の建築設計では、意匠設計者が設計を進めた後で、設備設計者や構造設計者が進めるバトンリレー。あるいはウォーターフォール(water fall=滝)型と言って、上流から下流へ順番に工程が流れるように進む手法で、後発の部門は原則上流からの成果物を待つスタイルを取っていました。

 これに対しコンカレントエンジニアリングでは、各部門で情報を共有し、設計・調達・生産などを並行的に行います。JISでは「製品のライフサイクル全体を考慮して、これに関連する工程の統合化を行い、相互に情報交換することによって、同時、並行的に産業活動を実施する技術」と定義されています。

 弊社でコンカレントエンジニアリングを進められたのは、上下関係のある会社組織ではなく業務委託関係にある技術者のネットワークで仕事を進めていること。BOX等の情報共有ツール。WEB会議等のツールが容易に利用できるようになったことが前提にある。

 一方でリアルなコミュニケーションを意図的にとるようにしている。

 ただ、それぞれの設計者には多少負荷が加わっているかもしれない。設備設計者や電気設計者には関係の薄い防水材料の選定、外壁材の選定などの設計段階での調査事項にも耳を傾けてくれていることに感謝したい。

 もう少し試行錯誤を進めながらコンカレントエンジニアリングを極めてみたいと思う。

「佐々木睦朗作品集 1995-2024」

2025年最初に購入して読んだ「佐々木睦朗作品集 1995-2024」

実は、建築構造が好き

20代の頃 世話になった先輩達が、

みんな構造設計者だったという事もあるかもしれない

「本格的に構造をやれ」と何度も言われたけど、

D値法を少しやったくらいで終わった。

それでも構造家の本を見るのは好き

「せんだいメディアテーク」のコンペから、もう30年経ったんだなと思うと考え深い。

磯崎新、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAなどと協働し、
世界を舞台に活躍を続ける
日本を代表する構造家・佐々木睦朗さん。

「せんだい」「金沢21世紀美術館」「ROLEXラーニングセンター」
「豊島美術館」などの代表作から
最新「あなぶきアリーナ香川」までの30作品収録。

空間構造の最高賞 「トロハメダル」受賞(Torroja Medal, 2023)。

その構造ディティールの美しさに魅了される。

ハルモネア-Harmonair-

インフルエンザでベッドの中にいた時、YouTubeで偶然見つけた「ハルモネア」。第1回大会と第2回大会第二次審査をずっと観ていた。

ハモネプの頃から、アカペラは随分と進化していると思った。

一番上の動画は、第1回大会優勝のRabbit Cat。

https://harmonaire.com

この日本最大級のSNS特化型アカペラコンテストを主催するORGANIZER、Shimo-Renさんは、まだ24歳だという。若さが眩しい。

第2回決勝大会は、2025年2月2日。決勝大会が楽しみだ。

「非武装地帯に春がくると」イ・オクベ作

 今もガザでウクライナで戦火は続いている。世界のどこかで戦争や紛争は絶えることがない。

 日本も5年間で42兆円の大軍拡。敵基地能力の保有という戦争国家づくりと進んでいるように思える。拡大する軍事予算が国民生活を圧迫しているのは確実で、着実に「新しい戦前」に向かっているように思えるのだ。

 この絵本は、朝鮮半島を分断する非武装地帯を描いている。鉄条網でさえぎられ、人が立ち入れない、生き物たちの最後の避難場所でもある。しかしその地中には無数の地雷がしかけられているという。

 その非武装地帯の四季の移ろいを見つめ続けるおじいさんの、分断された祖国の統一と、平和へのあつい思い力強く描いた絵本。

 日本の絵本作家が呼びかけ、中国、韓国の作家12人による「日・中・韓平和絵本シリーズ」の1冊。

 孫達に、戦争国家は残したくないな。

新年明けましておめでとうございます。

新年あけましておめどうございます。

本年も宜しくお願いします。

暮れの28日から大晦日までインフルエンザに感染し寝込んでいました。

年末の片付け、掃除、正月の買い物などを全て妻一人がこなしてくれました。

感謝・感謝

部屋に隔離されていましたが、本日より食卓に復帰

爺婆ともに古希を迎えた昨年から「継承」をテーマに動いてきましたが、今年はさらにそのテーマを発展させれるようにしたいと考えています。自分達には大きな力はないけれど、良いものをパスできる存在でありたいというのが願いです。

医者から「血糖値が上がるから日本酒は控えましょう」と言われていますが、正月なので秘蔵の「みむろ杉・純米大吟醸」の栓を抜きました。それに春日大社から頂いた屠蘇散を入れてお屠蘇を舐めました。そして御猪口に一杯。旨い。

今年のお雑煮には、伊勢醤油を使っているので、大神神社、春日大社、伊勢神宮の神様とまるで感応しあっているみたいです。