高山の老舗料亭・洲さき
高山陣屋から宮川にかかる中橋を渡ると岐阜県・最古の料亭・洲さきがあります。寛政6年(1794年)創業、建物は高山市有形文化財です。
司馬遼太郎の「街道をゆく」(飛騨紀行)に、洲さきを取り上げた章があり、飛騨美学の結晶が込められていると称えられています。
洲さきのために高山に行く価値があると断言する人さえいます。
たぶん大人になつてしか感受できない空間・料理・おもてなしが、ここには凝縮されています。
入口
暖簾を潜ると寛成当時のままの玄関、土間を抜けると右手に囲炉裏があります。
飛騨らしい造りで趣があります。
室町時代に始まる本膳料理という日本料理の一つの型式・作法を今に伝える店です。
洲さきの宋和流本膳料理は、茶の湯の心をふまえた料理で、第二代高山藩主・金森可重の長男、茶道宋和流始祖である金森宋和が好んだ本膳の形と味を整えたものとあり、現在は、本来30品ある料理を11品に絞り込んだ宋和流本膳崩を提供しています。献立は毎月変わるそうです。
京都の華美な日本料理とは異なる日本料理が継承・進化されているようです。
高山恐るべし。