『2025年の建築「七つの予言」』

2025年建築

人口減少、建築・住宅ストックの増大等、急速に変わりつつある今日の日本の社会状況、経済環境に対応する建築業界の将来を考えるための本。
建築・不動産に関わる実務者や研究者、関連メーカー、学生などが参画する一般社団法人「HEAD研究会」が開催した、連続シンポジウム「七つの予言──その先の建築」の再録を中心に構成されている。
全4回の連続シンポジウムでは、松村秀一・東京大学大学院教授による建築講義「七つの予言」(業界予測、技術予測等)を踏まえた上で、それらに関する予見的な活動を始めていると思われる第一線の建築家や不動産事業者、建築・住宅関連の研究者などが講演と議論の内容が記されている。
松村教授による新たな書き下ろしが加えられ、連続シンポジウムの企画・監修者である嶋田洋平氏(建築家、HEAD研究会フロンティアタスクフォース委員長)による各回解説などを加えて編集された本。

松村教授は、いつ神の啓示を受けたのかは知らないが、なにやらちょつといかがわしさも感じる本の題名で、しばらく前に買っておいたが積んだままだった。風邪で休んでいて新しい本も買えなかったので読んでみた。

近年、建築系の大学出身者で設計者×不動産×建築施工と多面的に活動しビジネスにしている若い人達が増えている。「建築家は専業」と教わった我々の時代とは「建築家の職能」も随分と様変わりしているようだ。
ともかくリノベーション(ストック活用)や地域再生・まちづくり、新しい社会状況・経済環境に対応する建築の構法・建築技術に関心を持っている方は、読んでおいた方がよいだろう。