このところ省エネ適判の「軽微変更該当証明申請書」を交付してもらうのに慌ただしかった。完了検査日の10日前ぐらいに「軽微変更該当証明書」(軽微変更ルートC)を添付するように役所(計画通知案件)が設計者に言ってくるものだから、先週末に急ぎ省エネ適判機関に連絡をとり、書類を作成し若干の補正のやり取りをして、何とか完了検査に間に合わせることができた。
そもそも省エネ適判は、何ともせわしい業務だと思う。
適判時には確認申請事前審査であれこれと変更されることが多いが、それが確認申請本受付から決済までの短い期間で、再チェックし再計算し確認申請決済前に省エネ適判も決済させないといけないというタイムスケジュール上の課題がある。
確認申請の事前審査での各居室の面積や開口部の面積等を始め細部の変更は、構造適判に比べて省エネ計算上は多くの影響を及ぼす。現代の数値等の整合重視の審査ではとりわけ。
また聞くところによると省エネ適判の審査はどこも滞留気味、つまり審査時間がかかっていると聞く。
指定確認検査機関に勤務時代。ありとあらゆる建物の審査をし、沢山の設計者の書類や図面を見てきた。設計者の技術的力量は様々で一級建築士だから、有名アトリエ事務所だから、著名な会社だからと案ずることなかれ、未熟な設計者に出会うと通常の何倍も手間がかかる。そこからの教訓は、物事や設計者を一様のものととらえない事。不特定の設計者を対象にせず、ある程度技術的力量が判っている設計者だけを対象にしたビジネスモデルの方が効率が良いだろうという事だ。マーケットを限定するのだから小規模経営しかできないのは自明だが。
こうして技術的力量がある程度わかっている旧知の設計者の場合でも、あたふたしてしまうのが省エネ適判だ。だいたい「軽微変更該当証明申請書」を10日弱で交付できると思うのが役所の無茶ぶり。
その無茶ぶりが分かったのか、今回は「軽微変更該当証明申請書」を計画通知本体の軽微変更の添付書類には含まず、完了検査申請時に提出する書類として扱つてくれることになったのは良かった。もっとも こちらも変更箇所を細かく聞き再計算してみて、確かにルートCだなと判断できたのだが。もっと早くにチェック依頼があればあたふたすることは避けられたかもしれない。
省エネの軽微変更には、「ルートA、B、C」があると言うと「えっ。そうなの。知らなかった」というのが大概の設計者の反応だ。そのカテゴリは
「ルートA」・・・「省エネ性能が向上する変更」
「ルートB」・・・「一定範囲内の省エネ性能が減少する変更」
「ルートC」・・・「再計算によって基準適合が明らかとなる変更」
なのだが、意外とその区分はデリケート。そのルートの詳細は別の機会に記載するが、意匠設計者の思い込みと独断で判断しない事が大事。完了検査の最低でも1ケ月前にはアクションを起こしていないと、後々大変になる。
尚「軽微変更該当証明申請」には省エネ適判機関の申請手数料がかかる。当然弊社のような省エネサポート会社からも請求書が届きますので宜しく。