表面利回り & 実質利回り

 先日、アセットマネジメント会社と既存建築物のリノベーション計画を打合せしていて、どのような改修を選択するのが良いかと判断するのは、商業的不動産投資においては、第一は経済的合理性であること。事業収支計画での表面利回り、実質利回りが最も大事と話したら、「設計事務所の人の口から表面利回り、実質利回りと聞いたのは始めて」と言われた。

 最近のデザイナー、建築設計事務所の人は、事業収支計画とかは関与しないのだろうか。

 とあるプロジェクトの設計チームで「表面利回り、実質利回り」について聞いてみたら、やはり詳しくは知らないようだった。

※『アセットマネジメント (AM) もしくは資産運用(しさんうんよう)とは、広義としては、投資資産の運用を実際の所有者・投資家に代行して行う業務のことである。従って、株式・債券・投資用不動産、その他金融資産の運用を代行する業務一般を意味する。』

【表面利回り(グロス利回り)】

表面利回りは「物件価格に対して、家賃収入をどれだけ効率よく得られるか」を指す。改修工事においても初期投資額に対して年間家賃収入がどのくらいあるか計算する。つまり「年間の支出」が入っていない。

計算式「表面利回り=年間の家賃収入÷不動産投資額(物件価格)×100」

【実質利回り(ネット利回り)】

実質利回りは、「物件価格を含めた購入時の出費に対して、手元に残る現金をどれだけ効率よく得られるか」を指し、修繕費等のランニングコストといった年間支出を考慮して算出した正確な利回りを示し、 物件価格に対して実際に手元に残る年間の家賃収入の割合 を示す。 具体的には、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、各種保険料、修繕費、管理費などの費用を差し引いた収入を考慮します。

計算式「実質利回り=(年間の家賃収入-運営経費)÷(不動産投資額(初年度諸経費込))×100

 経営者である建築主の心を動かすのは「表面利回り、実質利回り」の数値。

 弊社では、リノベーションの事業収支計画計算ブログロムを導入し、様々なシュミレーションができるようにしている。