「Soft City 人間の街をつくる」ディビッド・シム著

住宅等をずっとやっていると、設計者としての意識が利己的に陥りやすく周辺環境や街との関係性を無視する傾向がある。

少し大きな建物のプロジェクトに関わると「街」を意識するようになる。

この本は高密度の都市のなかで人間的スケールを維持し、人々が快適に交流し暮らせるソフトな街づくりの実践書である。

ヤン・ゲールの「人間の街」の理念をどのように実現すればよいのか、世界中の実践例をあげて整理している。

日本でも一般的となった大型ショッピングセンター。しかし2000年以降、アメリカではほとんど造られていないと聞く。

では、どのようなフォーマットのショッピングセンターを造っているのか。その名の通り「街の中心」となる「タウンセンター」である。ショッピングセンターが単にモノを買う場所から、人々の生活に多様にかかわる「街の中心機能」としてとらえ直すリポジショニングが進行している。
地域の中心となり、街に活気と未来をもたらす「タウンセンター」を作ろうと。

図らずも 今関わっている既存建物のプロジェクトで、この本に書かれていた「連接」と「重層化」を意識して基本構想をまとめていた。

「人間の街」の細部を注入するのは、これからだが 良き指南書に巡り合えた。