映画「新聞記者」

このところ頭の中が仕事・建築に関することで溢れていたので、封切りを待っていた映画「新聞記者」を観てきた。

権力の闇とメディアの裏側を描くサスペンス映画。アメリカ等の映画では、現在進行形の政治・社会問題をモチーフにした社会派サスペンス映画はあるのだが、昨今の日本社会では、こうした骨太社会派映画はタブー視されていたかもしれない。

だから見終わった感想は「よくこの映画作れたな、よく普通の映画館に配給し一般公開までこぎつけれたな」というものだった。この数年の日本の政治について多少なりとも知り得るものなら、思わずのけ反りそうな内容が散りばめられている。

シム・ウンギョンと松坂桃李のダブル主演は成功している。見慣れたはずの日常の風景の中から、まるで映画の中の心象風景を切り取ったような映像が美しい。

まだ30代という藤井直人監督の起用が成功して映画作品としての完成度は高い。

是枝裕和監督の映画評「人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」に共感を覚えた。

必見。

映画 新聞記者