「建築構造設計指針2019」東京都建築構造行政連絡会監修

「建築構造設計指針2019」(通称オレンジ本)は、2010年以来9年振りの改定本。

 構造専門事務所ではないと普通はあまり購入しない本です。(高価だし・・)

 この本の第11章「構造審査要領」や第12章「東京の地域特性を考慮したは建築構造における建築審査の要領」は都内行政庁や指定確認検査機関が構造審査をする上での法解釈及び運用の統一性を確保し、建築審査の業務円滑化の為に、東京都建築構造行政連絡会で執筆を担当しています。私はとりわけ第11章の「構造審査要領」は既存建築物を扱う設計者(構造設計者のみならず意匠系ゼネラリスト)は必読の部分だと思います。

 一般社団法人 東京都建築士事務所協会では「既存建築物活用に係る建築基準法令とその解説(案)」の発行に向けて以前より準備を進めていましたが、2021年度法制委員会の下にワーキンググループとして「リノベーション専門委員会(法規集編纂)」を立ち上げ、私は誘われてその委員の末席に加わっており、2023年出版に向けて毎月1回2時間~2時間半の委員会で熱い議論が交わされています。

 私は「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」(以下「ガイドライン調査」)の章の執筆をしています。

 現在、ほぼ全部の章の初稿が出稿されており、ブラッシュアップ中です。私もこの本を参考にしているところがあるので読み直しているところです。

 ガイドライン調査は一様ではなく国交省届出機関は、その方法論で幾つかに類型化することができます。又各社色々な制限事項を設定していますので調査機関を選択する時には注意が必要です。まだ詳しい執筆内容は書けませんが、色々と新しい取り組みを交えながら、設計者の視点で解説しています。