暑い夏がやってくる
街路樹は切られ、何十年も経った樹木が簡単に伐採される
SDGsもくそもあったものではない
都市に木陰が少なくなった。
写真は、さいたま新都心のコクーン2の前の「日除け」
シェード、オーニング・・・
帆布を巻き上げる方式
最近は庭や植栽に興味がある。
土とタイルの間に境界石みたいなものを最近は作らないようだ
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
暑い夏がやってくる
街路樹は切られ、何十年も経った樹木が簡単に伐採される
SDGsもくそもあったものではない
都市に木陰が少なくなった。
写真は、さいたま新都心のコクーン2の前の「日除け」
シェード、オーニング・・・
帆布を巻き上げる方式
最近は庭や植栽に興味がある。
土とタイルの間に境界石みたいなものを最近は作らないようだ
(株)ゼンリンさんに3D地図データのデモンストレーションをしてもらった。
3D地図データには、「3D都市モデルデータ」「広域3次元モデルデータ」「DXFデータ」がある。詳細は、下記URLのゼンリンのサイトを見てください。
https://www.zenrin.co.jp/product/category/gis/contents/3d/index.html
自分が設計している建築物の単体とかに、とかく囚われがちだが。ちょっと規模が大きくなり、周りの環境に目配せすると、気になる事、気にしなければならない事が多くなる。完成イメージは、クライアント、関係者のみならず、近隣住民、行政との共有は欠かせない。
リアルモデルは、主要交差点付近に今のところ限定されている。ライトモデルが弊社が利用しようとしているCGへの挿入には適切だが、周囲の建物をホワイトキューブにも出来るとの事。
弊社が利用したい地域の実際の3D地図データを見せてもらった。今は高額だし、ある程度の規模で設計報酬等を見込めないと3D地図データの活用は難しいかもしれない。しかし大規模プロジェクト、設計・施工の大手組織に最新技術を独占させておくわけにもいかない。
3D地図データ活用に踏み切ろう。
台湾・騎楼
フィレンツェ・オスぺダーレインノチェンティ(捨子保育園)
ボローニャ・歴史的街区 ポルティコ
「都市の本質とは、お互いに知らない人々が集まって、過度に干渉せずに関係を築けるということだ。その関係が、街路という公共的な場所を核として発達する。そしてその街路の公共性を保つのは、そこに張りつく多様な商業経済活動と、それが生み出す『ついで』の活動だ。買物や雑用でやってきた人々が、ついでにその街路に人目を提供し、それが街路の治安を保つ。それが逆に地域の商業的繁栄にもつながる。用途規制や巨大開発などを通じた土地利用の純粋化は、そうしたついでの活動を殺し、街路を殺し、結果として都市を殺してしまう。目に見える単調さやつまらなさは、その結果でしかない。」(「アメリカ大都市の死と生」ジェイン・ジェイコブス著)
【NHK クローズアップ現代 2023.01.23より】
東京は、現在200以上の高層ビルが建設される大改造のまっただ中。都内繁華街に出かけると あちこちで超高層ビルが建てられている。
大きく新宿・渋谷エリア。日本橋・八重洲エリア。虎ノ門・麻布台エリア。品川・浜松町エリア。湾岸エリアがある。
こうした市街地再開発事業には、街場の設計者は ほとんど関わりがない。
むしろ街場の設計者が多くかかわるクライアントは、こうした市街地再開発事業・高層ビルの建設ラッシュの影響を受けている。周辺地域の既存低中高層オフィス・店舗は空室が増え、テナント収入の減少という問題を抱えている。また周辺部の既存商店の生業が成り立たなくなっており既存商店街も存立の危機に立っている。
さらにビル風、ビル熱といった温暖化のリスクもある。東京大改造の影響で内陸部の埼玉の気温が上昇しているというデーターもある。
東京は、今後どのような都市になっていくのか。東京大改造の舞台裏に迫ったのが2023年1月のNHKのクローズアップ現代だった。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4737/#p4737_01
それから1年。
2023年は神宮外苑の再開発が社会問題化し、麻布台ヒルズを始め完成した市街地再開発事業も多く、光と影が明確になってきている。
こうした市街地再開発事業には、都・国・地方の補助金が毎年1000億円ぐらい次ぎ込まれているという試算もある。業界内では、補助金という税金が注がれないと市街地再開発事業はできないとさえ言われている。
この問題は真剣に取り組まないと、もしかしたら「東京ディストピア」が将来待ち受けているかもしれないと思う今日この頃。
スメルスケープとは匂い(smell)と風景(landscape)を合わせた造語で、失われつつある視覚以外の豊かな体験の復権を目指すものとして地理学者ポーティウスが提唱した概念だそうだ。
2023年北海道小樽市を訪ねた。9月だというのに今年の北海道は暑かった。
【写真は上下共・小樽運河2023夏】
小樽の街の第一印象は「くっちゃい」だった。下水の臭いが街を支配していた。たぶん小樽運河の臭いなのだろうと思う。小樽運河も長い間浚渫をしていないのだろう。
最近の報道で、道路の標識が「Otaru Poot」(小樽おなら)と30年以上書かれたままだったというのがあった。正式には「Otaru Port」なのだろうけど、確信犯だったのではないかと思った。
夏の皇居の外堀、神楽坂下あたりのカフェで嗅いだ臭いだ。東京駅周辺でも時々、特定の箇所で嗅ぐ臭い。
そんな小樽の経験から「街を覆う臭い」が気になり始めた。
視覚も大事だけど聴覚(音)とか嗅覚(匂い)も大事なのだろう。「音のある風景」というのは聞いた事があるが「香りのある風景」というのは、実は聞いたことがなかった。
環境省は平成8年に「残したい”日本の音風景100選”」を選定し、平成13年には「かおり風景100選」を選定していた。
どうやら都市計画の風景概念が視覚的なものから聴覚・嗅覚、そして五感全域に向け拡張し捉え直そうと様々な分野で試みられているが、その背景には,視覚に偏り人間の身体から乖離した近代的風景観を是正しようとする動機だけでなく、社会の近代化にともなう環境悪化・荒廃に起因する「風景の危機」がいっそう進んでいるという認識があるのだと思う。
建築学会の論文等でも「スメルスケープ」について既往の研究が散見される。時々勉強している程度なので、まだこれ以上書けないが、継続して勉強していきたいテーマとなった。
2020年4月にオープンした世田谷区代田の「ボーナス トラック」で打合せ。
小田急線が地下にもぐって、下北沢駅から代田駅にかけてのエリアにボーナス的に生まれた線路跡(トラック)ということで「ボーナストラック」という名前がつけられたそうです。また、音盤におけるボーナストラックというのは、本来の作品の外側にあるけれど、実はアーティストたちがやりたいことをやりやすい部分でもあり、そういった余白のような場所として、いろんな人に、本来やりたいことをここで思う存分やってほしい、という思いも込められていると聞きました。
昔の長屋のような小規模な建物をベースに、真ん中にほど良いサイズの屋外スペースがあり、商業施設というよりは、職住遊が渾然一体となった商店街・小さな複合型施設でです。下北沢駅と代田駅の中間にあり、どちらも歩いて5分ぐらいなので、下北沢の商業感と代田の住宅感を合わせ持つような建物群となっています。
建物全体の印象は今風なのかお洒落て、可愛いというか、軽いです。木造2階建てがベースですが、地下に小田急線が走っているので建物の荷重制限があるのかも知れません。
さいたま新都心けやき広場のライトアップ
蝶々のある木だけがライトが変化する
ライトアップで
街は華やぎ
けやき広場に人が集う
「最近、地下鉄や都電が混んでるね」近所の人との会話から、駅の乗降客数を調べてみたことから、この地図の作成は始まりました。(別紙・拡大図参照)
2015年に豊島区役所が東池袋に移転してきてから、メトロ有楽町線東池袋駅の乗降客数は5年間で20%あまり増えたようです
東池袋地域では、再開発事業・大規模マンションの建設により2025年までに2,607戸の住戸が建設・計画されています。人口でいうと後5年で7千人から1万人の人口が増える計画があります。
さらに2023年には、造幣局跡地に東京国際大学池袋国際キャンパスが学生定員3500人の規模で開校されます。この大学は現在でも留学生割合が20%程度の大学なので、国際キャンパスは多くの留学生を受け入れることでしよう。少なく見積もっても1千人の外国人が増えるのではないでしょうか。
かっては再開発・タワーマンション・大型マンションの設計に関わっていました。その時は完全に事業者視点だったのですが、やがてそれらは住宅という名の金融商品だと知りました。今、地域に関わり生活者の視点で街を見直すと、何だか住んでいる街が、すごいことになりつつあることに驚いています。
一度は、地域人口が減少し、小学校も縮小・再編成され空洞化したのに、再び過密化が進んでいます。どれだけ子育て世代が戻ってくるかわかりませんが交通機関・駐車場・各種インフラ施設の整備は追いついていくのでしようか。
豊島区は、『まち全体が「舞台」誰もが主役になれる劇場都市、池袋』と命打って、「国際アート・カルチャー都市」を標榜し、8つの劇場や4つの公園計画、大型再開発、新交通システム等を計画・建設中です。
豊島区が進めている、まちづくりの事業は「生活の維持・向上、豊島区の発展、副都心として東京の魅力向上に寄与するために、地域の再生を進め、安全で安心な街、魅力と活力ある街を創りだすため」と謳っていますが、この「まちづくり」は、ここに住み、暮らしている人を見ているものになっているでしようか。
これまでの再開発で、長く住んでいた人や商売を営んでいた多くの人がこの街を離れていきました。今後も新旧住民の入れ替わりは進むでしょう。また急激な国際化で様々な外国人が増え、世界中の言語が飛び交う街に変わりつつあります。慣習の違いや治安の悪化、インバウンド感染症等。住民に不安と戸惑いが広がっています。
また大規模マンションの建設により日照が少なくなる、風害、工事騒音などの問題も起きています。
さらに都内で一番ゆるいと言われている「民泊条例」のもとで、住宅地でも民泊の届出さえ出せば営業ができ、周辺住民との軋轢も様々なところで起こっています。また無届の違法民泊も横行しています。
世界の都市問題で指摘されているセグリケーション(所得水準・社会階層・民族等による居住地の分離・住み分け)、ジェントリフィケーション(高級化)が現在進行形で進み、その諸問題の坩堝の中にいます。
Are You Happy?
No Happy
「地方創生」「地域経済の活性化を」という掛け声は多いが、そのために必要な考え方や具体的な方法・ツール・事例が紹介された本はあまり見られなかった。
建築の世界で言えば1億円の地方創生予算の範囲内で既存建物の再生・活用を図ると言う散発的な取り組みが目立った。勿論 それが駄目というわけではないが地域単位で見たとき やはり経済学的視点でその地域経済の分析・診断・対策を考えていかないと散発的で継続性に欠けるのではないかと思っていた。弊社が建築ストックの再生・活用に取り組む場合も調査・分析・診断・対策を立てるように、地域経済の再構築の分野でも、調査・分析・診断・対策を立てられるドクター・ゼネラルが求められているのではないかと思っていた。
著者は下記のように書く『地位経済の現状観光や投資で地域にお金が入っても、その大部分が地域から離れた場所への支払いに使われ、お金はあっという間に地域から出て行ってしまっている』
『本当の地方創生と幸せのために大切なこといくらお金を地域に「引っ張ってくるか」「落とすか」でなく、「一度地域に入ったお金をどれだけ地域内で循環し、滞留させるか」』
この本では、そのための考え方の枠組み、実践のためのツール、内外の事例を解説し、地域の人々が「地域経済を自分たちの手に取り戻す」ことを通して、真の地域創生と人々の持続可能な幸せを支援するのが目的と書かれています。
「漏れバケツモデル」や産業連関表の活用、地域内乗数効果の見える化ツールなど、お金や雇用を外部に依存している割合をまず知り【分析】、どこに力を入れるべきかを考え【診断】、そのうえで、効果的な取り組みを進める【対策】ことができます。
そして、好循環に転換した地域経済の事例の数々を紹介しています。
国内の事例のみならず海外の事例もいろいろ紹介されています。そういった事例には、「応用・転用可能な学びやコツ」がいっぱいあり、それらを知ることで、さらに効果的に取り組みを進めることができると著者は言います。
日本の未来は、地域経済を取り戻すことから始まるという予感がします。
4/18午後から、日本建築センターの技術セミナー「欧州各都市のリノベーション等(改修・用途変更)の事例を紹介しながら、既存建築物の活用術を学ぶ」(団地再生、産業遺産(工場等)、駅舎・港湾まで)に行ってきた。
ほとんどが欧州のリノベーション事例の紹介だった。既に雑誌や出版物で紹介されているもので「技術セミナー」と銘打っているにもかかわらず、意匠的観点に終始しテクニカルな分析はなかった。
例えば、欧州の共同住宅で上に一層ないしは二層増築する事例が幾つか紹介されていたが、欧州の法規制には明るくないが、日本で上増築しようと思ったら基礎耐力の問題だけでなく建築基準法が遡及するために全て現行法に適合させなければならない。非常に難関のプロジェクトになってしまう。
新耐震の建物であろうと地震力が増大するから補強が必要だし、現行法に適合させなければならないので様々な部位を構造的に検証し補強しなければならない。審査機関からも構造適判機関からも矢が束になるような指摘が降ってくる。
日本建築センターが主催している技術セミナーなんだから、法的な問題点を挿入してくれると良かったのにと思った。
「建築ストックの再生・活用には、柔軟な法規制が必要だ」とは、色々なところからよく聞く話だが、具体的な改正試案は見たことが無い。
欧州と異なり、20世紀後半の建築ストックを再生・活用することになる日本では、RC・S造の耐震診断や補強技術は比較的体系化していると聞く。建築病理学・耐震診断・補強技術を集大成すれば、世界を牽引する技術力を持つ事になると思う。
「建築ストックの再生と活用」を担う建築家は、デザイン至上主義ではまとめ上げれないのではないかと思う。かなりテクニカルな面も詳しい「ドクター・ゼネラル」でないとプロジェクを牽引できないだろう。
ともあれ、欧州特にオランダには行きたいと思い少しずつ調べていたので参考になったセミナーだった。
小さな発見に満ちた北欧時間の流れる森と湖「メッツァ」・かねてより埼玉県飯能市に建設が予定されていたムーミンのテーマパーク。12月6日開園スケジュールやパーク内施設についてプレス発表がありました。
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北欧のライフスタルを体験できる「メッツァビレッジ」2018年秋開業
ムーミンの物語を主題としたゾーン「ムーミンバレーパーク」2019年春グランドオープンと二回に分けてオープンするそうです。
【画像は、メッツアサイトから】
「メッツァビレッジ」は、「本質的なこころの豊かさの発見」をコンセプトに、「挑戦」「創造」「共有」「解放」「探求」「想像」という6つの体験価値を提供する施設になるそうです。
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「ムーミンバレーパーク」には、ムーミン屋敷はもちろん、水浴び小屋、エンマの劇場、海のオーケストラ号、おさびし山の天文台などが設けられ、ムーミン原作の物語世界をたっぷり楽しめるものになるそうです。
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又、メッツァビレッジには宿泊施設やグランピング施設が用意され、滞在してゆっくり楽しむこともできるようです。
詳しくは、下記のメッツア公式サイトで
「武士の家計簿」「無私の日本人」の歴史学者・磯田道史氏の「天災から日本史を読みなおす~先人に学ぶ防災」をいっきに読んだ。
地震・津波・火山噴火・異常気象。史料・古文書に残された「災い」の記録を丹念にひも解いている。
著者は若い時から災害に係る史料を収集していたとある。東日本大震災のあと、防災に係る本は沢山だされたが、この本は人間が主人公の防災史の本であり、災害から命を守る先人達の知恵と工夫が満載されている。
建築法も 近代以降に限ってみても国内外の災害に対応して修正されてきた経緯がある。
さて現代の建築基準法では、地上部分の地震力は、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算される。具体的な数値は、当該部分の固定荷重と積載荷重の和に当該高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算する。(Q=Ci・ΣWi)
地震層せん断力係数は、Ci=Z・Rt・Ai・Coで算出する。
そのうち地域係数Zは、「その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震係数活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値」である。(令第88条、昭和55年建告第1793号)
熊本市はZ=0.9、八代市・水俣市・宇土市はZ=0.8である。
先般地震があった函館市もZ=0.9で軽減されているが、今後この地域係数は変更されるのだろうか。ちなみに東京はZ=1.0 で沖縄県がZ=0.7
これら軽減地での今後の耐震診断・耐震補強において地域係数Zは軽減したままで良いのだろうか、と ふと考えてしまった。
「子供の貧困問題:放置すれば経済損失2.9兆円 日本財団」というショッキングな記事が、毎日新聞12月3日号で報じられていた。
http://mainichi.jp/select/news/20151203k0000e040222000c.html
「研究は、今年7月~11月、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都)が実施した。15歳の子ども約120万人のうち、ひとり親家庭の15.5万人、生活保護家庭の2.2万人、児童養護施設の0.2万人の計約18万人を対象とした。子どもの時の経済格差が、学力や進学率の教育格差を生み、将来の所得に影響すると推定し、現状のままの場合と教育格差を改善した場合を試算した。
大学や専門学校などへの進学率は80%に達しているが、貧困世帯の子どもは32%にとどまる。18万人の就業状況を推定すると、正社員は8.1万人、非正規社員3.6万人、無職4.8万人などとなり、現状では64歳までに得る所得の合計は約22.6兆円だった。
一方、何らかの対策が行われ、高校の進学率、中退率が一般家庭の子どもと同じになり、大学などへの進学率が54%まで上昇したと仮定すると、正社員は9万人に増加し、非正規社員は3.3万人、無職は4.4万人に減少して、合計所得は約25.5兆円に増えた。
所得が増加すれば、国に納める税金なども増える。税と社会保険料の個人負担額から、医療費や生活保護費などの給付額を差し引いた「純負担額」は、現状では約5.7兆円だが、改善すれば約6.8兆円になった。
厚生労働省によると、17歳以下の子どもの貧困率は16.3%(2012年)で過去最悪を更新し、6人に1人が貧困状態にあるとされる。日本財団は「子どもの貧困を経済的観点から見た調査はこれまでなかった。国民全体の問題と捉え、官民の対策の後押しになれば」としている。【黒田阿紗子】」
外国の子供の支援をしているどころではなく、足元の日本の子供たちの貧困が危ぶまれているのだ。慈善事業に頼ることなく、緊急に経済対策としても取り組まなければならない。
異質なものに触れると脳が活性化され認知症予防になるからという友人の誘いで日本建築学会の第10回住宅系研究報告会に行ってきた。
たまに電車に乗って出かけると、目で見るもの聴くもの全てが刺激的だ。
田町の建築会館に来たのは何年ぶりだっただろうか。
この住宅系研究報告会は、建築計画委員会・建築社会システム委員会・都市計画委員会・農村計画委員会が共同で開催しているらしく、購入した論文集も豊かな内容だった。
第一日目の午後の部である、セッション2「集落の地域性と空間構成」とセッション3「復興とすまいの諸相」、パネルディスカッションの「地域に『住ま・ふ』ためのストック考~住宅系研究の次の10年を見据えて」のみの参加となったが、それぞれ報告者との質疑回答も活発で楽しく聞かせてもらった。
通常、住宅系の仕事には触れていないので、友人の言うように異質のものに触れると確かに脳の活性化にはなるようだ。
福岡市東区箱崎6丁目にある九州大学箱崎キャンパスは、九州帝国大学・同工科大学の設置に伴い1911(明治44)年に開設された。同キャンパス内には長い歴史を物語り、大正から昭和戦前・戦中にかけて建てられた近代建築が数多く残っている。今では同時期の建物が多く現存していない日本では、九州大学箱崎キャンパスの建築群は、歴史的建造物として大きな価値を有している。
箱崎キャンパスは福岡市西区と糸島市に跨る伊都キャンパスへの2019(平成31)年までの移転が予定されており、これらの建築群の将来が危ぶまれている。
そうしたなか2012年、移転後の取扱いについて方向性を探るべく、主要な近代建築を対象として有識者による調査が行われた。(九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査ワーキンググループ)
これによって保存活用への道が開けたものもあれば、逆にその後解体撤去されたものもあり、建築群の将来は移転計画が進むにつれて明暗が分かれ始めている。
「九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査ワーキンググループの評価報告」(2012年、H24.12.25、第5回九州大学跡地利用将来ビジョン検討委員会参考資料より)によると、近代建築物の客観的評価として以下の4つの大項目、7つの中項目を設定している。
■歴史的評価
1、大学の歴史的経過と結びついた価値評価
2、 社会、時代の歴史的経過と結びついた価値評価、産業遺産など
■建築学的評価
1、建築の意匠史的側面からの価値評価、様式、近代建築、モダニズム建築、インテリアデザイン、営繕の制度的評価
2、 建築の技術史的側面からの評価、構法、素材、建築設備、環境配慮など
■文化的評価
1、社会全般に対する文化的資産、芸術性、社会性、シンボル性
2、地域の文化資産、地域景観資産としての評価、地域への貢献
■再活用度評価
1、街づくりとしてのランドマークなどの利用価値評価、敷地、敷地建物としての再利用のしやすさ
各建物の評点の他に、耐震性能(Is値)、コンクリート中性化深さの平均、コンクリート圧縮強度が示されている。
この中で「安全性に問題有りと認められる近代建築物」として、「コンクリート圧縮強度が13.5N/m㎡以下もしくはコンクリート中性化深さ(平均)が40mm以上の建築物もしくは施設の特殊性から再活用困難とされる建築物」と位置付けている。
古い建物の再生に関わると歴史的価値か経済的合理性か悩む日々が続く。
「写真は関門橋」
「関門海峡は、下関市と北九州市に挟まれた、響灘(日本海)と周防灘(瀬戸内海)を結ぶ「六連島」から「串崎」までの全長約27.8kmの区間をいいます。対岸との距離が最も狭いところは幅650mほどしかなく、そこを1日700隻もの世界各国の大小さまざまな船が絶え間なく往来します。」とある。
下関と北九州という県も異なり、海で隔てた地域で、ひとつの景観条例を制定しているのを北九州市に行って初めて知った。
関門景観条例において「関門海峡並びにそれに面した地域における山並み等の自然環境、歴史や文化が薫る街並み及び人々の活動により構成される景観の総称をいう。」と定義されている。
今回訪れたのは、関門景観条令の中の「門司港レトロ地区」。方針は「海峡が育んできた歴史とロマンを感じさせ夕日に映える港町の景観となることを目指す。」とある。
今度は、是非下関側にも行ってみたい。
写真背景は、今は亡き黒川紀章氏が手掛けたタワー分譲マンション。最上階に門司港レトロ展望室がある。
関門景観ポータルサイト
http://www.kanmon-keikan.com/
全国各地の景観計画・条令に関心があり出張に出掛けるたびに景観関係の資料を集めている。上は京都市で購入した「京都市景観計画」という冊子
京都市の都市デザイン課でもらった「建築物等のデザイン基準」(京都市サイトからPDFでダウンロードもできる)。京都市では大きく8地区の景観整備地区を設けている。山ろく型美観地区・山並み背景型美観地区・岸辺型美観地区・旧市街地型美観地区・歴史遺産型美観地区・沿道型美観地区・市街地型美観形成地区・沿道型美観形成地区であるが、歴史遺産型美観地区は、さらに11地区に細分化されている。
上は、市民向けのリーフレット
上は金沢市のまちづくり条例・景観関係の冊子。景観関係の条令を概括しているような冊子があれば欲しいという注文に、市の担当職員が探し出してきてくれた。
年に何度も顔を出していると、若い職員とは結構顔見知りになる。
ところで
空間デザインや建築形態を理解する上で、建築家・クライアントの意志は、決定的な要素だが、それらも建築を巡る社会システムに影響されてきた。
近世以降は法令が直接的な規制を与えてきている。例えば「梁間規制」は新築される建築の規模を一定限度に抑制するものだし、都市防災を目的とした屋根材等の指定法令は数々ある。
現代では、建築基準法とともに景観法・条令は、建築を巡る社会システムとして極めて重要な影響をあたえるものだと思う。
しばらく各地の景観条例を収集することは続く。
一般的には鬼子母神(きしぼじん)と呼ばれているが、御堂の看板を見てもらうとわかるように、漢字の「鬼」の上に角がないのが正式で、「きしもじん」と読むのが本当との事。
鬼が改心して角が取れたというのが理由とか
この辺りは、平日の日中は、人が少なくのんびりと散歩するのには、打ってつけ。池袋駅前から少しあるくと、昔からの静かな街が広がる。
都電荒川線・鬼子母神駅を挟んで鬼子母神とは反対側の地域が「雑司ヶ谷・南池袋地区」として4月に木密地域不燃化特区に指定された。東京にいると街が大きく変わっていく様を実感する。
昔は、よもや池袋に住むことになろうとは思ってみたこともなかったが、ただただ交通の利便性が良いと言う理由だけで住み続けているようにも思う。
豊島区は大型再開発に熱心なあまり、国からの「保険基盤安定繰入金」(予定額5億7300万円)を一般会計に入れて法定外繰入金を圧縮するために横流しするらしい。ということで国保税もまた値上がりしたし、介護保険料も値上げする等住民サービスはあまり良くない。
「賃上げの 花が舞い散る 物価高」かな・・
建築基準法の末尾にある「附則」に注意を払ったことがありますか。
(この法律施行前に指定された建築線)
5 市街地建築物法第七条但書の規定によつて指定された建築線で、その間の距離が四メートル以上のものは、その建築線の位置にこの法律第四十二条第一項第五号の規定による道路の位置の指定があつたものとみなす。
建築基準法は、昭和25年11月23日から施行されたが、それ以前には「旧市街地建築物法(大正8年4月法律第37号)」が施行されていた。というのは先日、文化住宅=旧高田邸の時に書きました。
それで市街地建築物法から建築基準法の附則を思い出した次第で、古い法律が現代でも生きているという事例。
告示建築線とは、「旧市街地建築物法第7条但書」に基き、行政官庁(東京府では警視総監)が告示により指定した指定建築線。
建築物を建築線より突出して建築することはできないとされていた。また全く道路のないところに指定されることも少なくなかったようです。
かつて警視総監の名前で告示されたその間の距離が4メートル以上の指定建築線は、現在は、建築基準法第42条第1項第五号の規定による道路(いわゆる位置指定道路)として扱われており、たとえ道路状に整備されていなくても、その上に建築物を建築することはできないと定められています。
東京では中野区等、大阪では船場建築線というのが有名です。
この告示建築線、法律的には中々面白いというか、味わい深いしろものです。
3月8日の旧高田邸の詳細調査に参加して、築85年(1930年頃)の木造住宅としては、中々構造体はしっかりしていたのではないだろうかという感想を持った。
外部立面の採寸と立面図の作図が主要な担当だったので、他の調査者を時々覗く程度だったし、早計なことは言えない。詳しくは全体の調査資料が調査参加者に後で配布されるようだから、その調査資料をみてから再度検討してみたい。
この構造体の部材寸法、施工方法などは、大工さんの個別の経験的な裏付けに基づく技量によるものだろうか。あるいは 何らかの現在の建築基準法・施行令に規定されるような社会的な規定(定義・構造規定)があったものだろうか。
よく知られている事だが、現在の建築基準法(昭和25年法律第201号)の前は、市街地建築物法(大正8年・1919年公布)があった。それは建築基準法が定められる前に存在した「市街地における建築を規定する法律」であった。当時、国立市は東京府下なので、直接的にはこの建築法令の適用外となる。
木造の法的な規定(案)は、市街地建築物法(大正8年・1919年公布)ができる以前の、明治27年(1894年)の東京市建築條例案(東京市区改正委員会・妻木案)や、大正2年(1913年)東京市建築條例案(建築學會)に見ることができる。
明治39年に東京市長・尾崎行雄が建築學會に建築條例の作成を依頼して、6年半の歳月をかけて大正2年(1913年)に238条からなる東京市建築條例案(建築學會)と途中案4編、諸外国条令資料16種を東京市に提出した。
それが先に書いた大正2年(1913年)東京市建築條例案(建築學會)である。
そこには大正・戦前昭和の文化住宅と建築法令(構造規定等)についてのみならず、現在の建築基準法につながる規定が網羅されている。
例えば木造の構造関係の規定は、下記のような事が記載されている。
これらの規定は、「木造耐震家屋構造要領」(明治28年)、「家屋耐震構造要便」(大正4年・佐野利器)と類似しているものが多いと言われているので、大正2年(1913年)東京市建築條例案(建築學會)に規定されている木造の構造規定は、ある程度、業界内に普及していたのではないだろうか。というのは私の推論。
国立市にある築85年の文化住宅・旧高田邸の詳細調査に参加してきた。既報のように国立市民等のプロジェクトに住宅医協会で協力する形で調査を行った。今日の調査には25人の参加とのこと。
無報酬の調査・ただし昼弁当、味噌汁、飲み物付き
玄関アプローチ
午前中は小雨、午後は雨は上がったが曇に覆われていた
私は、採寸グループで東側立面図の作図を担当した。大まかな実測、矩形図等の他の採寸者と情報を突合せ、フリーハンドで1/50立面図を作図した。
採寸してわかった事だが、2階軒高が現代の木造住宅より1m近く高い。2階の軒の出が3尺、1階屋根の軒の出が2尺5寸ほどだった。
全体としてライト風な水平線を強調するデザインになっている。
詳細は、住宅医協会のサイトで紹介されている。
「旧高田邸と国立大学町 ~85年の物語~」
2015年3月8日(日)及び 3月16日(月)~25日(水)
場所 旧高田邸 東京都国立市中1-13-30
国立大学町が開発された昭和4年に建築された通称「旧高田邸」。 国立の歴史を記憶してきたこの住宅が今年3月末で惜しまれながらも解体されることになったそうです。
国立市内外の有志が集い、国立大学町時代の歴史を振り返りながら、 高田義一郎氏の業績もあわせて紹介するイベントを企画されました。
昭和モダンの国立が再現され写真展、書斎再現、大正・昭和モダン懇談会、撮影会、旧高田邸解剖図展、案内ツアー等を予定。
また3/21(土)・22(日)にはkunitachiゆる市 同時開催。
3/8には、住宅医協会による旧高田邸詳細調査が行われ、その調査結果は、3/16~3/25「旧高田邸解剖図展」として報告展示が行われる。
イベントスケジュールは
旧高田邸プロジェクト実行委員会公式サイト
http://takadagiichirou.tumblr.com/
大塚天祖神社は豊島区の旧巣鴨村の鎮守様
JR大塚駅北口で御神輿に出くわした
豊島区は江戸時代の村域では
武蔵国豊島郡上駒込村、巣鴨村、雑司ヶ谷村、下高田村、
長崎村、新田堀之内村、池袋村の7村で構成されていた
大塚天祖神社の神楽
旧巣鴨村は、現在の住所で言うと巣鴨1丁目~5丁目、西巣鴨1丁目~4丁目、北大塚1丁目~3丁目、南大塚1丁目~3丁目、上池袋1丁目、東池袋2丁目~5丁目
豊島区全体では、129の町会があるのだけれど
御神輿を見ていると、元気な町会がうかがい知れる。
天祖神社の祭礼に際して、子供神輿なども含めると100ぐらいの神輿が出たのではないかと思われるが、写真にあるような宮入した神輿はわずか。
再開発の影響で古くから住んでいる住民は街を離れざるを得なくなり、こういう伝統的な祭礼が維持できなくなりつつある。
「不動産から見る京町屋の活用法」と題した、京都の(株)八清(ハチセ) 代表取締役社長 西村孝平氏の話を聞いてきた。
一般社団法人住宅医協会の住宅医スクール2014の一講座
「築年数30年以上の建物評価のない建物をリノベーションする事で、再びストックとしてよみがえる住宅の総称である」と定義づげした「リ・ストック住宅®」を展開しているが、中でもヒットしたのは「リ・ストック住宅 京町屋」だそうだ。
私の亡父が京都市街の出身なので、おのずと訪れる機会も多いなかで京都市内に空き家が多いのは知っていた。道幅が狭い、駐車場がとれない、接道していないので再建築不可、何よりも夏暑くて冬寒いのが京町屋。アジア太平洋戦争での戦災が少なかったせいで、戦前からの建物。建築基準法(昭和25年)以前の建物がゴロゴロしている。
西村氏の講義によると、(株)八清の京町屋は新しくても築64年とか。(株)八清では、これまでの不動産業界の常識であった築年数で評価するのをやめた「経年美は古くないと評価できない」と語った。
様々な京町屋改修事例、危険家屋再生を見せていただいたが、その一つ一つが老朽家屋の再生、京都市内で増えている賃貸住宅の空き家の活用、それらがまちづくりに結び付いている。
(株)八清のビジネスは、「リ・ストック住宅 京町屋」から、町屋の貸切宿泊施設「京宿屋」と広がっている。
「京宿屋」は観光客の多い京都らしいビジネスモデル。町屋の保存再生、景観維持・保全に貢献しているし、伝統建築である町屋の居住体験を提供している。オーナーとして「京宿屋」を所有して、自分もセカンドハウスして使うこともできるという。賃貸するより収益性の高いビジネスモデル。
私もネットで7月8月の幾つかの「京宿屋」の予約状況を見てみたが、中々稼働率は高そうだった。
それから京町屋のシェアハウス「京だんらん」というのも展開している。大店(おおだな)の京町屋は、面積が大きくてリ・ストックして貸家や売却するには不適格なケースがある。
随分と共用部が多いシェアハウスで、レンタブル比というドグマ(教条)に浸かっている頭では理解しがたいビジネスモデル。「京都だからできるんだよ、東京では無理、無理」と即座に断定されそうだ。
とにかく(株)八清は次から次と 新しいビジネスモデルを展開している。
町屋を改修すると同時に隣接する道を石畳に整備して地域のポテンシャルアップにつなげる「石畳プロジェクト」。「京町屋証券化と京町屋管理信託」「京町屋ファイナンス」・・・
ちょつと目を離せない会社の一つになった。
「株式会社 八清」(ハチセ)