「建築物省エネ法(案)」が閣議決定された

報道によると、本日3/24大規模な建築物に省エネルギー基準への適合を義務付けることなどを盛り込んだ「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」案が閣議決定された。今国会での成立を目指すとのこと。

http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000584.html

大規模な非住宅建築物(特定建築物=2000㎡以上)について、新築時等における省エネ基準への適合義務及び適合性判定義務を課し、これを建築確認で担保することとなる。今国会で成立すれば2017年施行となり、その後2020年までには段階的に対象建物を増やしていく計画との事。

数年前から噂されていたように、いよいよ省エネ(特定建築物のみ)も建築基準法の関係規定となるわけで、指定確認検査機関の多くが建築物エネルギー消費性能適合性判定機関として登録することになろう。書類上の審査は、数値の適合さえチェックしていくだけでよいのだから容易だが、性能基準で計算するのは中々大変。

長年の建築設計業務から指定確認検査機関に行き、又建築設計の立場に戻った身になった経験から審査と設計とは、まったく異なるもの。

性能基準での省エネ計算には、建築の知識、環境設計の知識、設備の知識が必要で、ちまたでは省エネ技術者が不足していると聞く。

H25年基準が施行された昨年度から省エネコンサルタントの業務がパンク気味で、納期がかかっているようだ。人材不足もあるけど、従来の仕様(例えばH11基準)で設計したものを設計図書が完成してから、あるいは工事契約が終わってから省エネ届を提出してくれといわれても外皮性能も一次消費エネルギーも適合しないことがほとんどだ。

検討→不適合→断熱仕様の見直し・予算の検討等→断熱仕様の仮決定→再検討→適合・省エネ届という繰り返しが時間を費やしている。これからは基本設計段階で省エネの検討を並行して進めなければならないという頭に切り替わっていない。

弊社も昨年来 これまでお付き合いのある会社の省エネ計算・届出の業務が増えていたが、年度末になってH11基準の駆け込みや、基本設計段階のH25基準での省エネ検討が重なり、頭がゴチャゴチャになっている。

H11年基準とH25年基準 外皮性能は従来の設計仕様では、ほとんど不適合だということを認識してもらいたい。