ジュゼッペ・テラーニの代表作とも言えるカサ・デル・ファッショは1936年の作品である。
邦訳すれば「ファシストの家」つまりイタリアファシスト党の地方事務所である。
訪れた当時は、税務署として使われていると聞いた記憶があったが、今回調べ直してみたら 現在の用途は、国境警備隊本部のようである。コモはスイス国境に近い。
コモを訪れた時は、「カサ・デル・ファッショはどこにありますか?」などとは聞かないことだ、怪訝な目で見られることは間違いない。自分もそういう目で見られた。
ジュゼッペ・テラーニは、ファシズム下のイタリアにあって建築集団の左翼を形成していたイタリア合理主義(ラショナリスト)達のひとりである。
「ファシズムとはガラスの家である」と言ったムッソリーニの命題に応えるべく造ったイタリアファシズム建築の代表作といえるだろう。
テラーニ自身がファスト党党員であり、従軍し、後に自ら命を絶った。
「なんだ 単なるモダニズムじゃないか」と言ってコピーする無かれ、心のこもらないコピーニストに真のモダニズム建築は造れない。
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