日事連4月号は、「木の魅力」の特集です。
「川下から川上へ・木材産地における構造変化」筑波大学生命環境系准教授・興梠克久(こうろきかつひさ)氏へのインタビューが読みごたえがありました。
2015年の国産材素材供給量は2004万9千㎥と、1997年以来18年ぶりに2000万㎥台に回復したそうですが、素材需要増加の要因について聞いています。
200年代以降の流通の合理化には、大きく分けて三つの傾向が見られるとあります。
1、商社が国産材に関わる事業に進出して来た。
2、原木市売市場の商社化
3、素材生産業者の取りまとめ団体の商社化
大資本である商社が、日本の木材市場の再編成を図ったことが最大の要因です。為替の変動(円安)から国産材へと軸足を移したことも大きいようです。
工務店や設計事務所が核となり、地域材を大消費地に供給する動きが全国各地にみられます。
岐阜県の中島工務店が「完結型林業」ということで紹介されています。
ヒノキ材の産地である岐阜県中津川加子母に所在する中島工務店は、工務店が川下流域の林業や製材業の中心となり、森林組合や製材所と共に協力体制を構築し、社寺仏閣から木造住宅まで幅広く手掛け、関東・中部・関西の大都市圏に建てています。
何となく農業の六次産業化の林業版というような感じを受けました。
加子母に一度行ってみたいと思っています。
特集では他に、地場材を使った地域の建築として奈良県の取組みや全国の地域材活用方針や取り組みが一覧表に整理され紹介されています。