【覚書】別棟解釈

建築基準法では、

・総則規定(確認申請・完了検査の手続き)は、敷地単位

・単体規定(防火、避難、構造等の規定)は、棟単位

・集団規定(高さ制限、用途地域等の規定)は、敷地単位

で法規制を準用することになつており、防火・避難・構造等の単体規定においては、原則として適用単位は棟単位であり、棟の部分ごとに法適用が異ならない。

【別棟解釈】

ただし、例外的な取扱いとして次の規定があり、同一棟であっても別棟として解釈することになっている。

〈構造別棟〉(法第20条第2項、令第36条の4)

建築物の2以上の部分が、エキスパンションジョイント等の相互に応力を伝えない構造方法のみで接している場合には、法第20条の構造規定の適用にあたっては、それぞれ別の建築物とみなす。(法第20条「構造規定」のみの解釈であり、他の規定では別棟にならない。)

〈避難別棟〉(政令第5章第2節、令第117条第2項)

建築物が開口部の無い耐火構造の床又は壁で区画されている場合は、それぞれ別の建築物とみなす。(政令第5章第2節「避難施設」のみの解釈であり、他の規定では別棟にならない。)

〈排煙別棟〉(政令第5章第3節、令第126条の2第2項)

建築物が準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備(遮煙・常閉等)で区画されている等の場合は、それぞれ別の建築物とみなす。(政令第5章第3節「排煙設備」のみの解釈であり、他の規定では別棟にならない。)

〈防火別棟〉(法第21条、第26条、第27条、第61条)

「建築物省エネ法等の改正法」交付(令和4年6月17日)の法第21条、第26条、第27条、第61条の改正により、政令・告示で定める区画等をすることで、防火規定上それぞれ別の建築物とみなすことができるようななった。(政令未定)