「てら小屋セミナー2025・加子母フィールドツアー」は、木から建築ができるまでの過程を体験的に学ぶことと、神宮備林で樹齢何百年の木々達と触れ合う機会でもありました。
またツアーを通じて、通常では中々体験できない20歳代から70歳代の世代間交流をリアルに行う場でもあり、同じ時間を共有し会話をすることで、お互いに刺激になったのではないか思います。
そして、人として建築技術者として「原点に還る旅」でもありました。
都会で仕事をして生活していると、身体は満たされても心は空腹になっていくような気がしていました。
渡合温泉で早朝に小鳥のさえずりと小川のせせらぎの音だけの世界に身をおいていた時、何か心の空腹が満たされていくような気がしました。それは、たぶん「癒される」という事なのでしょう。
先人達は、自然の音のだけの世界で、癒され、思考し、行動していたのだなと思うと、こういう空間に時々立ち戻る必要があると思いました。
また、建築技術者として、生産者や流通経路に思いを寄せる必要性を強く感じました。
それは「凧の糸」なのではないか。我々は、糸を切ったら、どこに飛んでいくかわからない「凧」で、常に現場との糸を切らしてはいけないのではないかと思ったツアーでした。

【神宮備林・二代目大ヒノキの前でツアー参加者と】