「巡礼ビジネス」岡本健著

現在近畿大学で教えている岡本健さんが書かれ2018年に出版された本。岡本さんと言えばアニメやマンガ、ゲーム、映画、小説などを動機とした旅行や観光・地域振興(コンテンツツーリズム)、ゾンビ関連 、サブカルチャー、ポップカルチャーが研究分野というオタクの中のオタク。

この本は2018年に出版されたこともありインバウンド真っ盛りに出された本。インバウンドは2019年に3100万人を超えたが、コロナで2020年に400万人まで減り、-84%という状態になった。多分2021年のデーターは不明だが2022年と続いて低調なのは確かだろう。

書棚から出してきて再読してみると、やっぱりコンテンツツーリズムは重要な地域振興の要素だなと思う。インバウンドに期待できない今後の観光・地域振興においては、コンテンツ・ツーリズムについて今一度再考しなければならないと思った。

出張等で地方を訪れると思いがけなくアニメなどの聖地に出会う事がある。昨年訪れた茨城県の大洗は「ガールズパンツアー」の聖地ということだった。岐阜県大垣市もアニメ「聲の形」の聖地だったりする。

日常生活の中での「いつもの場所」がアニメ化等で観光資産に化けてしまう事は驚きだ。

「見ようとしなければ見ない風景」の中に歴史があり、地域の資産を再評価する機会になる。建築の寿命はあまりにも短いけれども、それでも少しは貢献できる。