「長崎遊学11・五島列島の全教会とグルメ旅」長崎文献社編

 今度九州で仕事があった時に、脚を延ばしてみたいところに五島列島がある。

 実は、今年九州でのプロジェクトがひとつあったのだが、諸般の事象で中止となった。九州は設備投資が盛んのようだから、又機会はあるだろう。

 この「長崎遊学11」は、五島列島を訪れるときのガイドブックにしようと購入していたもの。夜な夜な、こうしたガイドブックを眺めているのが、至福のひと時。

 この本は、カトリック長崎大司教区・下口勲神父が監修して長崎文献社編集したと書かれている。 

 その内容は、世界遺産候補を含む全51教会を網羅。拝観記録スタンプ帳が付録でついてる。五島ゆかりの有名50人の履歴書付。旅ガイドは宿、温泉、グルメ、おみやげまで掲載されており、これ1冊で五島を旅できそうな本。

 その昔、江戸時代に「長崎遊学」という言葉があった。

 江戸時代、徳川幕府は鎖国政策をしたが、例外として、オランダと中国に対し、日本で貿易することを許し、貿易の窓口を長崎に限定したので、海外の文化や学問は長崎を通して日本全国へ伝えられた。

 また、キリスト教以外の書籍の輸入も認められていた。しかし、書籍の知識に満足せず、蘭学や医学、科学、美術などの技術や知識を習得するため、長崎へ游学する者は跡を絶たなかった。

 幕末期の長崎には、後に近代日本を背負って立つこととなる人たちが大勢游学している。彼らが日本の近代化を後押ししていった。長崎は、彼らにとって、新しい情報にあふれた刺激的なまちだったのだろうと想像できる。

 今の長崎が、遊学の地に相応しい所かどうかはわからないが。

「游学」という言葉には、ふるさとを離れ、他の土地や外国で勉強するという意味がある。爺になってもなお「遊学」の志は治まらない。