「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」アイリスオーヤマ会長・大山健太郎著

振り返れば、1991年の土地バブル崩壊、1997年の金融危機、2008年のリーマンショツク、2011年の東日本大震災、2020年から続くコロナショツク、そして2022年今年のロシアによるウクライナ侵略は、原油や小麦価格の高騰を起こし、世界経済の混乱により、後にウクライナショツクと言われるようになるかもしれない。

こうした時代環境が変わる時、企業としてはピンチを迎えた時を確実にチャンスに変えて業績を伸ばしてきたのがアイリスオーヤマ。

大山健太郎会長が先代から会社の経営を引き継いだのが1964年、19歳の時と知り驚いた。この本は、よくある会社成功物語ではない。ニューノーマル時代に向けて、企業経営者の思考を軌道修正する本である。

「私に言わせれば社長の仕事とは、長期視点に立った事業構想とそれを実現するための仕組みの確立・改善です」と大山会長は書く。そして経営に大事なのはユーザーインの思想だと。

日本の現代企業の多くがアッセンブリーメーカーだが、アイリスオーヤマは内製化率が高い。だからコロナショツクの時にマスクの需要にいち早く対応できた。

「アイリスオーヤマの企業理念」

1、会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境においても利益の出せる仕組みを確立すること。

2、健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図る。

3、働く社員にとって良い社員を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。

4、顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造する。

5、常に高い志をを持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる。

つまり起業家精神を持ち続ける事。

爺と婆の小さな会社の経営者だけど、この本でアイリスの全体像に触れる事ができた。とても内容豊富て刺激的だった。