「住宅医スクール2015」の薦め

住宅医スクールは、「木造建築病理学」を基本にして、既存住宅の調査・診断から改修設計・施工に至るまでの実践的な手法を、実務者が学ぶためのスクールです。

私も「住宅医スクール2014」の全講座(24回)を終了しました。

私の場合は、木造住宅には業務としてほとんど関わっていないので  すぐ実務に役立たせるというつもりで講座を受講したわけではありませんが、既存木造について体系的に学ぶことができました。

木造住宅に限らず個々に多種多様な経年変化がある既存建物の改修に際しては、多様かつ柔軟な対応が求められます。調査・診断や改修設計・施工の技術は、まだ発展途上でもあります。

一般社団法人 住宅医協会になって二年目のスクールですが、講座の内容も収斂されてきています。関東では実践力を鍛える機会がなかったのが残念ですが、国総研の既存住宅調査のお手伝いの機会を得たことはとても有意義でした。

木造住宅に実務としてかかわっている人達は、1日講習を受けるぐらいでもらえるような資格よりも、住宅医スクールのようにじっくり1年間かけて体系的に学ぶ方が、基礎的な力が養われます。

リテラシー力といいましょうか、「何らかの表現されたものを適切に理解・解釈・分析・記述し、改めて表現する」こと。自分の頭で考えることが現場では必要です。

住宅医スクールについて、個人的な意見を加えるならば

  • 関東では住宅調査診断の機会・実践力を養う場をどうつくるか。
  • 研究者の話しよりアカデミックな視点を持つ実務者の話しの方が実践的で役立つ。つまり面白い。
  • 木造住宅・マンション専有部改修だけでは、実務の幅を狭めていないか。もったいない。

私は住宅医スクールを通じて学んだことで、これまでの遵法性調査・法適合性調査・デューデリ等の他に、省エネや大規模木造建築物に業務範囲が広がりました。

既存木造住宅の調査・診断・改修設計に関心がある方は、下記のリンクから住宅医協会を知り、住宅医スクールに参加してください。

http://sapj.or.jp/