5月の下旬に岡山県西粟倉村に視察に行き、あわくら会館を含めた地域の林業の取組みや地域エネルギーについて勉強して来た。そのことをまとめて整理しておきたいと思っているのだが、西粟倉村の視察に刺激されて読み始めた本が多いため中々記録を残すことができないでいる。
この「建築技術」2022年3月号も特集は「多層木造建築物の現状整理」となっているが、表紙にもあるように巻頭の特集はあわくら会館。
現物を見てきてから、この本を買い求め詳しく読んでいる。
とりわけ山田憲明さんが書いている「構造計画」はより深く理解するのに役立つ。視察でもアルセッド建築研究所の小口さんから説明を受けていたが、改めて図面を見ながら構造計画の部分を読むと、平面・構造・防耐火構造の苦労がわかる。
一般木造と耐火構造の棟を交互に並べ、それぞれを1000㎡以下に分節し合計7つの棟が構造的に独立している。またサスペントラス構造のヒントはロベール・マイヤール設計のキアッソの税関倉庫(1925年)と知った。
その他、「木材供給体制」「地域の森林経営と計画施業」「素材生産の現場から」「地域の木材流通と木材調達」「百年の森林構想とあわくら会館」と詳しい原稿が当事者から寄せられている。
「建築雑誌・3月号」は読み応えあり。