ついに査読に突入

東京都建築士事務所協会で編纂作業が進んでいる「既存建築物活用に係る建築基準法令とその解説(仮題)」の2023年6月段階での全章を印刷したファイルが事務所協会事務局から送られてきた。

私は、東京都建築士事務所協会のワーキンググループであるリノベーション専門委員会の編集委員のひとり。

まだ補強すべき箇所や書き加える章もあるが、こうして一冊のファイルになってくると、中々読みごたえがあるし、今まで約20回(月1回)にわたる委員会の成果なので振り返ると考え深いものがある。

建築基準法の事だけ考えていると頭の中が酸性になりそうで嫌なのだが、時間を割いて私が書いた章以外も真剣に読まないとならない。多忙で書けなくなった他の編集委員の人の章もバトンタッチして書かないとならなくなったし大変。

法令解説本というのは、世に沢山出版されている。主として指定確認検査機関や元行政関係者などによる本であり、それらの本は当然設計者にとって有意義な本だ。

ただ設計者は建築基準法だけを見ているわけではなく、あまたある法令 例えば消防法、都市計画法、福祉のまちづくり条例等、建築プロジェクトに係る法令全般を俯瞰し把握しなければならない。

すなわち設計者は、常に「森をみている」

指定確認検査機関は建築基準法という「木」、消防は消防法という「木」、沢山の条例という「木々」。個々の「木」を見ているだけの場合が多い。

設計者は森をみる。それに役立つ法令解説本を作りたいと個人的には考えている。