このところ多世帯住宅について考える機会があった。
ひとつは知人からの質問で、都内に計画中の三階建ての建物で親夫婦、子供夫婦、子供奥様の親という血縁関係が住む住宅が共同住宅だと言われたとのこと。外部階段を共有していて、家族構成が変化すれば第三者に賃貸することも容易な形態。
私も以前 横浜市でそういう多世帯住宅の設計に携わった経験があり、その時は、共用の外部階段を内部階段にして多世帯住宅で申請した経験があり、そういうことを話しておいた。
ところで横浜市は昨年、平成26年9月に「横浜市建築基準法取扱基準法」を一部改正し「多世帯住宅の取扱い」を加えた。
日本建築行政会議編の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」(2013年版)を受けて、「世帯ごとに分離した台所、食堂等の部分が2までのものとし、3以上の住宅については、原則として共同住宅として扱う」というもの。
まあ「形態」で考える建築基準法の取扱いとしては妥当なんだろうなぁと思うけど、いまひとつ すっきりしない。
二世帯住宅を計画する場合、例えば親夫婦のいずれか、若しくは両方が無くなったり、片親の介護が必要になったときでスペースの転用を考える場合、子供が独立して生計を営むようになり、不要な部屋の転用を考えた場合とか、将来の家族構成の変化なども見込んで計画のバリエーションも考えておかないとならない。
三階建ての1階部分を他人に貸したら住宅から(特殊建築物)共同住宅で違反になるというのも建築ストックの活用上は、制限つけすぎかと思う。200㎡以下の住宅は「特定住宅」として緩和するとか必要。
「家族」といっても血縁関係でつながっているのが「家族」というわけでもなく、現代では多様化してきている。難しいね~。