「詳解・建築基準法(改訂版)」は、1991年に出版された本で、もう31年前の法令解説書です。
この本は、現在は絶版となっていますし、最近の改正条文が反映されているわけではありませんが,この本に書かれている内容は運用が定着してます。役所に相談に行くと時々担当者がこの本を引用したりします。
最近編集中の法令解説書の議論の中で、この絶版となっている書籍からの引用は読者に親切なのかどうか疑問を呈した事がありました。それほど価値ある本なのか?という疑問が生じたのですが、まずは再読してみようと思いました。
実は、この本は会社にあるものを昔パラパラと読んだくらいで、自分では所有していなかつたので、古本屋さんのネットワークで購入しました。
10数年ぶりに読み返してみると、これが実に内容が濃い本なのです。
建築基準法関係法令を項目ごとに分類整理した上で、編集したものであり、単なる逐条解説とは異なり、これらを総合的かつ体系的に理解できるよう構成されている点が秀でています。
法令改正時にその改正の意図等は、改正説明会で国交省から解説がされるのですが、年月が経つと明文化された法令のみが歩き始め、その背後に隠れている意図を見失いがちになります。この本を読み直してみると建築基準法令の神髄が伝わってきます。
この本が、建築行政にかかわる人たちの間で広く運用が定着している訳がわかりました。
建築法令解説本の中では、不朽の名著のひとつかも知れません。