奈良公園の一隅にあるクラシックホテル
設計は、様式建築の辰野金吾
辰野金吾にしては異色の和風と言われるが
和風とも思えない、木造で作った洋風建築
玄関ロビー
ロビー吹き抜け
2階から
総檜2階建て、1909年(明42年)竣工
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
奈良県庁
丹下健三の香川県庁舎を踏襲したような、戦後モダニズムを彷彿させる建物
何となく懐かしいというか・・・。
今回は、建物の見学記録(後で建物の写真は掲載)ではなく、仕事の記事。
「遊んでばかりいるんじゃないの」と言われる事があるので
完了検査済証を取得していない建物について、奈良県庁建築課に御相談に行きました。
奈良県は「既存建築物の法適合性の確認の取扱い」というのを
平成25年6月に制定していたので、今回具体的プロジェクトについて打合せをしてきた次第
これから種々の調査・非破壊検査をすることになるが
法第12条5項報告の提出となりました。
添付する様式は、大阪府のものを参考にしたように思える
それにしても現行法上は12条5項で処理するのが最適と思うが
なかなか やってくれない行政が多いんだよね~
(愚痴)
奈良県明日香村にある古墳時代後期の古墳
石舞台古墳に着くなり霰が降ってきた。
埋葬者は蘇我馬子というのが有力視されているが、
蘇我稲目の墓という説もあるらしい
長さ約7.7m、幅約3.5m、高さ約4.7m
元は土を盛りあげて作った墳丘で覆われていたが、
その土が失われ、巨大な石を用いた横穴式石室が露出している。
蘇我馬子が埋葬者としたらその孫にあたる蘇我入鹿が
中大兄皇子(後の天智天皇)らに暗殺され
蘇我氏本宗家が滅びた「乙巳の変」(645年)の後
封土が剥がされ墓が暴かれたのは、
蘇我氏に対する懲罰ではなかったかとする説もあるが
ボランティアガイドさんから聞いたところによると
近くの農民が畑の土にした、
石棺の石は江戸時代に城の石垣に使われたと言っていた。
血脈が途切れる、墓守がいなくなるということは寂しいことだ。
先頃、某指定確認検査機関から立派な体裁のダイレクトメールが郵送されてきた。
千葉県に本拠地がある指定確認検査機関が新宿の超高層ビルに新たに事務所を開設したという営業案内で、御丁寧に「ご来店記念品引換券」が同封されていた。
千葉県から始まって 東京、埼玉、神奈川に支店網を築き上げ、社員は200余名という規模になったとある。
数日後
この指定確認検査機関の女性から電話がかかってきた。
ダイレクトメールを郵送したところには電話営業をしているようだが、住所や電話番号は、設計事務所登録のリストから抽出しているのだろうか。
ダイレクトメールの宛名は、弊社が法人にする前、一年余り個人で設計事務所登録していた時の名称で郵送されてきていた。
関東地方整備局指定で、戸建て中心だと聞いていたので これまであまり関わりのなかった指定確認検査機関だったが、新宿事務所は大規模推進事務所らしくマンションなどの特殊建築物を主体に審査していきたいらしい。
巷の話を聞くと、この会社だけでなく相変わらず指定確認検査機関の申請料の値引き、営業攻勢は活発らしい。
東北の震災復興の山は越えた。次は2020年東京オリンピックに向けた東京の民間投資に営業的活路を見出そうという動きなのかもしれない。今後、首都圏の指定確認検査機関の競争も一層激化していくのだろうか。
ところで、くだんのダイレクトメールには「建築プロジェクトの最上のサービスを目指す」とある。
指定確認検査機関の最大の顧客とは、デベロッパーや建設会社、ハウスメーカー、住宅会社、設計事務所等の「業者」であるから、「業者」へのサービスが顧客サービスとなるのだろう。
業者にとって指定確認検査機関から受けたいサービスとは何だろうか。
「審査期間を短く」「審査・検査料金を安く」「質疑はまとめて一回だけ」「計画段階からの適切なアドバイス」「法的取扱いの柔軟な対応」・・・
建築確認申請・諸々の審査・検査を扱う「建築基準法の番人」であるべき指定確認検査機関が、建物に住む人、利用する人ではなく、往々にして業者しか見ていないのはいかがなものだろうか。
業者へのサービスを重視すればするほど、諸刃の刃で指定確認検査機関の存在が危うくなる要素を秘めているのだが、ここでは あまり書くのは止めておこう。
日本建築行政会議の倫理憲章には下記のようにある。
(社会的責任の認識と信頼の確立)
1 指定確認検査機関等は、建築基準法の目的を十分に認識して、指定確認検査機関等のもつ社会的責任と公共的使命の重みを自覚し、常に厳正に確認検査業務等を行うものとする。
(法令やルールの厳格な遵守) 2 指定確認検査機関等は、建築基準関係規定の法令やルールへの違反が、確認検査制度全体の信頼を失墜させることを認識した上で、これらを遵守し、社会的規範にもとることのないよう、公正に業務を遂行する。
果たして業者の顔しか見ないで、社会的責任と公共的使命を達成できるだろうか。
本堂へと続く長い登廊(階段)
蹴上(段差)は低く、平地を歩く感覚に近い
この登廊からの風景が変化して楽しい
登廊から陀羅尼堂を見る
宗宝蔵あたり
この登廊は、平安時代・長暦3年(1039年)
春日大社の社司中臣信清が子の病気平癒の
御礼に作ったものと造ったと記されている
108間、399段
上中下の三廊に分かれている
下・中廊は、明治27年(1894年)再建
既存の建築物の「用途変更」は、ちまたに建築基準法違反の案件がゴロゴロしているなかで中々厄介な問題を秘めている。
あるビルの所有者からの相談
新たに中古で3階建ての飲食店ビルを買ったが、よくよく調べてみたら、そのビルの2階と3階の用途は「事務所」で建築確認申請を出してあり完了検査済証も取得している。2階、3階部分は現在「飲食店」で使用されており用途変更確認申請の手続きはしてなかったようだ。
消防の検査は受けているので、防災設備は法に適合している思うが、後出しで用途変更の確認申請が出せるかという内容だった。
オーナー曰く「法は遵守したい」と・・・よくよく聞くと、ビルを新たに飲食店として借りたいというチェーン店から用途変更が出ていないのはまずいと言われ動き出したとのこと。
用途変更申請そのものが忘れやすい(意図的に?)手続きらしく、店舗の内装が完成して消防に防火対象物設置届を提出しに行ったら、「用途変更は出したの?」「出さないと営業出来ないよ」と言われ慌てて相談に来られたことがあった。
行政や消防に連絡をとり状況を説明して「良いことをするのだから」と説得して「後出し用途変更申請」を受付けた事例は、指定確認検査機関に勤務していた時にあった。
今回の事例は、長い年月のあいだ「手続き違反」が放置されていた建物の「後出し申請」(実態違反は調査してみないと結論を出せないが)
たぶん行政に相談したら 以下のような回答があるのではないか。
これはこれで至極ごもっともな見解ではある。
1,については、 今更、一旦事務所にもどすなど、無駄な工事費をかけるなんて非経済的と所有者は言うだろうし、中々納得はしないだろう。
2,については、当分新たな建築行為・用途変更の予定がない場合はどうするの? 違反建築物を放置していても良いと言うようにも聞こえる。実態違反が少なさそうだったら、当面は執行猶予状態だと行政は言うのだろうか。
関連の条文を調べたのだが、用途変更確認申請に関しては、いまひとつ申請時期が明確ではない。 用途変更確認申請は、法第6条等の「準用」だが、 用途変更においてはそもそも「建築等の工事を着手する前に」に該当する部分がないので、 後出しの確認申請が有効と考えることも出来なくはなさそう。
確認申請・完了届をせずに「使用」しているわけだから、 建築基準法違反で罰則に該当することは明白だ。 それでも罰則を覚悟した上で、確認申請を後出しするということは、見上げた心がけと言える。
手続き上も実態上も適合状態にする=「良いことをする」のであるから「後出し申請」に、行政が弾力的に対応してくれれば 世の中から違反建築物は少しは減ると思うのだが。
倉敷美観地区にある料理旅館 鶴形
夜の美観地区は人通りが少なくロマンチック
宿泊はしなかったが、旅館の玄関ホールとお食事処を見せてもらった
玄関ホール
お雛さまが飾ってあった
ロビー
お食事処
【料理旅館 鶴形】
先頃 国交省が出した「事業者が運営するシェアハウスは寄宿舎」という技術的助言を見直そうという動きが国交省内部にあるらしい。
確かに脱法ハウスや不健全なシェアハウスは問題だけど、戸建て住宅を利用した小規模のシェアハウス、グループホーム、グループリビングまで「寄宿舎」=特殊建築物にすると建築ストックの活用は難しくなる。
千葉大学の小林秀樹教授が「特定住宅」という住宅と特殊建築物の中間的な用途を提案をしている。
詳しくは下記のサイトを見てください
http://share-issue.org/archives/20131210-proposal-on-classification-of-housing/
この「特定住宅」という用途は、地方自治体でも設定できるし 空き家の再利用にもつながる現実的提案だと思った。