「最高の環境建築をつくる方法」山梨知彦・伊香賀俊治著

Kankyou-kenchiku

 

刺激的な本である。

この本では、Co2で環境建築の価値を測るのはもう古い。住む人が健康になり、働く人の生産性が向上する方法を提案している。

「環境建築」に日建設計設備設計主幹を務めた伊香賀俊治による建築環境の最新の知見と日建設計設計部代表の山梨知彦による実作という二つの方向からそのあるべき未来を導き出す二部構成。

「環境から建築を考える」「建築から環境を考える」というアプローチを本の両側から展開。

日建設計による環境建築の最前線が見られる。

■目次
・環境から建築を考える
断熱で住環境と冷・暖房効果は大きく変わる
省エネ住宅に住むと健康になる
断熱が健康保険制度を救う
中古住宅の改善に必要な動機付け
住宅の性能が疾患率を左右する
これからは家のなかでの熱中症対策も必要
内装を木質にするべき科学的根拠がある
森林セラピーは確かにリラックスできる
木質内装にすれば医療福祉施設のサービスが向上する
CASBEEでは測れない建物の価値もある
室温28度では能率が下がり損失がでる
知的生産性は照明でも変わる
よいオフィスビルには月坪3700円上乗せしてもいい
付加価値スペースが知的生産性を高める
経営者は知的生産性が上がれば賃料アップに応じる
満足度を分析する
自然の光と風が仕事の生産性を高める

・対談 環境から建築を考える×建築から環境を考える

・建築から環境を考える
環境建築の言葉を定義しなおす
木材会館
ソニーシティ大崎
ホキ美術館

81 まちづくりフェスタ ! 2013 @ 東池袋地区補助第81号沿道まちづくり協議会

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7/27(土)は、まちづくりフェスタ!2013@東池袋地区補助第81号沿道まちづくり協議会が開催された。

私は 仕事があったので朝のうちだけ顔をだした。

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都電荒川線に沿って整備される道路の為に立ち退きになつた空地でフェスタは開催された。

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各催しものの配置。

昨年よりは、かなりバージョンアップされたイベントになっている。

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起震車

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ミニSL

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防災会社さんも単独で出店

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ユルキャラ

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これは準備中の関係者

PasaR MIYOSHI

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久しぶりに関越道に乗った。上りの三芳・PasaR  MIYOSHIも随分変わっていた。というか増設してた。

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PLANの右上部分が増設されたんだね。

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農産物の直売所があっていろんな種類の野菜が沢山あったので、つい買ってしまい、買出しにきたみたいになってしまった。

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女子栄養大学坂戸キャンパス -2

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12号館から見た11号館・学生集合棟

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よく手入れされた芝生が美しかった。

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現在工事中の建物、用途は聞きそびれた。

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12号館の1階部分。

この日はオープンキャンパスが開催されていたので高校生や父兄が数多く訪れていた。

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正門前の6号館前

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6号館の全景

女子栄養大学坂戸キャンパス -1

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女子栄養大学坂戸キャンパスは、都心から高速道路で一時間あまり、関越自動車道の鶴ヶ島で降りる。

写真は、6号館で1階に教務学生部がある。

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坂戸キャンパス正門右側にある8号館・入試広報センターが入っている。

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右側の建物が1号館、左側が4号館で奥の建物が2号館。

ここの建物は、空中歩廊で連結されている。

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右が6号館で左側が4号館

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1階にカフェテリアのある5号館

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5号館の2階廊下から吹き抜けを介して見えるのはカフェテリア

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カフェテリアを2階から

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カフェテリアで食べたトンカツ定食。

通常は一般の人は食べれないそうだ。

トンカツ、ジャガイモの冷製スープ、オクラ・ナス・海老の煮浸し、胚芽米ご飯。

さすが女子栄養大学 !  薄味だが美味い。これで450円。とても学食とは思えない

屋内階段の移設、新設

屋内階段の移設

特殊建築物(例えば飲食店、物品販売店、共同住宅etc)で、ひとつしかない屋内階段を移設して模様替えする場合に建築確認申請は必要となるか。

この場合、屋内の他の部分に床開口を作り、新規の階段を設置した後に 既存の階段を撤去し床をふさぐ。

階段は主要構造部であり、大規模な模様替えと考えるのが自然。

勿論 床開口を作ったことによる構造的な検討書は必要。

ちょつと古い通達だが、下記のようなものがある。

倉庫を用途変更して共同住宅にした事例について[昭和42年住指発第2号]
昭和42年1月7日
建設省住宅局建築指導課長から京都市建築指導課長あて回答

(照会)

一 建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物であつても、用途変更後の建築物が第6条第1項第1号に該当する場合には、第87条第1項の規定により
(1) 建築主は全く工事を伴なわない場合であつても、建築主事の確認を受けなければならないと解してよいか。(法第6条第1項準用)
(2) 工事施工者は、確認を受けないで大規模の修繕又は大規模の模様替の工事はすることができないと解してよいか。(法第6条第5項準用)
二 大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について
(1) 外壁の過半部分について、下地板取り替えのうえ、モルタル塗仕上工事をしたことは、大規模な修繕に該当すると解してよいか。
(2) 1つしかない階段の位置を変更、模様替工事をしたことは、大規模な模様替の工事と解してよいか。

(回答)

いずれも貴見のとおり解してさしつかえない。

では、ひとつの屋内階段がある特殊建築物に、別にもうひとつ屋内階段を設置する場合は確認申請上の取り扱いはどうなるだろうか?

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避難上有効なバルコニーの構造

避難上有効なバルコニーを設置することによって、2以上の直通階段の設置緩和、重複距離の制限の緩和が適用できるが、建築基準法の条文上では「避難上有効な」という判断基準が明確でなく、その目安として「建築物の防火避難規定の解説(2012)」47頁が採用される。

この「建築物の防火避難規定の解説(2012)」で目安としている2㎡以上は躯体芯か有効寸法かと聞かれた。

一応 「バルコニーの面積」だから躯体芯 床面積の算定基準に依れば良いのではと答えた。

若い設計者に

あのね、バルコニーに何を置くの?

エアコン室外機・給湯器・避難ハッチ・物干し金物・台所からの排気ルートは避難梯子の正面にならないように配置するし、吸気口の位置も考えた?

それから金属製の手すりなら控えの位置も考慮しないといけないよ。

実施設計や監理をあまりしたことがない設計者らしく 彼は口をつぐんだ。

バルコニーにそれらをプロットしてみたら、2㎡というのがどれだけ狭いかわかるよと答えた。

ビューローべりタスジャパンの編集した「確認申請・面積高さ算定ガイド」には、避難ハッチの部分の面積を除くという考えもあると言い添えた。

 

「用途上可分・不可分」・・・札幌市

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上図は、「札幌市建築確認申請の手引き」にある「可分・不可分」の取り扱い。

カラオケルームは郊外にあるコンテナ等を転用した分散配置の建物群で管理事務所が出入り口部分にあるものをだろうか。

「用途上不可分の関係」とは、「用途が機能的に互いに連携しているために、それぞれの棟に敷地分割することができない建築物」と規定しているのは、常識的な規定。

最近「用途が機能的に互い連携しているが、敷地分割して一団地認定をしなかった」過去の物件を見つけた。

現地を見てきてからレポートしょう。

スノコ状バルコニーの取り扱い@さいたま市

いつのまにか「さいたま市建築基準法取扱集」(平成25年3月)というのが出来ていた。

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さいたま市では、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーでも、建築面積に算入し、その下部を屋内的用途に供する場合は、床面積に算入するというもの。

個人的には、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーを建築面積に含めないなどという取り扱いはありえないと思っている。

開放性の判断 @ 西宮市

床面積の算定における開放性の判断については、個々の具体的ケースでは判断に迷うことがある。

「建築確認のための基準総則集団規定の適用事例」(日本建築行政会議編)で、随分と取り扱い基準が示されているのだが、さらに応用的な取り扱い基準を探しているいるときに知ったのが「西宮市建築基準法取扱い基準」だ。

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1)ふきさらしの廊下に柱や飾り柱(壁 W=500以下)があっても相互の有効間隔が2m以上あること。

2)ふきさらしの廊下・バルコニーの形状によるh1 ,h2の取り方・・手摺の笠木部分から上をh1にしているが、笠木の下が十分開放されていて、その下に壁状のものがある手摺など様々な形態がある。

3)ふきさらし廊下に面したアルコーブの場合は、開放性を阻害する門・塀等がなければ奥行き2mまでは床面積に算入しない。・・・1m程度の門扉でも開放性を阻害していると考えるのか?

4)屋外階段のささら桁、手摺が廊下の開放性に支障がない場合・・・手摺が縦格子状のものなら良いようだ。

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5)屋外階段に接する吹きさらし廊下・・壁等がある場合は床面積に算入するというのは一般的な判断

6)隣地境界線までの距離、対面する建築物の部分までの距離について近隣商業地域・商業地域とその他の地域とで分けているのは、賢明な判断だと思う。用途地域によっても都市の密集度は異なり、特定行政庁内一律ではなく西宮市のように二種類の取り扱いがあっても良いように思う。

既存建築物の増築・用途変更確認申請時における法的手続き状況と必要調査

既存建築物の増築・用途変更確認申請をする際には、既存不適格調書等の添付が必要とされているが、建築主が保有している書類・図面。また確認申請・副本・検査済証の有無等によって必要な調査の組み合わせが変わってくる。

下記の表は、筆者がそれぞれのケース毎に必要調査を整理したものである。個別のケースでは、さらに必要書類・作成図面等が変わってくる。

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*7/12 上図の一部を修正し差し替えました。 

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遵法性調査の対象関係法令

「遵法性調査」と言っても、建築基準法と関係法令は膨大で、法令のどこまでを調査対象とするのか、事前によく取り決めておかなければならない。

  1. 建築基準法
  2. 建築基準法に基づく条例
    建築基準法に基づく条例は地方公共団体が制限内容を定めていて適合義務がある。敷地、道路等の制限、地域地区等の制限、日影規制等多くの項目が含まれている。
  3. 消防法
    火災予防や消防設備に関する事項が定められており、建築基準法と並んで安全上重要な法令。
  4. 建築基準関係規定
    消防法を含め、屋外広告物法・駐車場法・バリアフリー法等確認審査の対象となる法令(全18法律)。
  5. 確認手続き以外の手続きを要する法令
    都市計画法、土地区画整理法、省エネ法、電波法、文化財保護法、ビル管法等に基づく許可・届出等及び地方公共団体が定める条例(中高層建築・福祉・景観等に関する)に基づく届出等。
  6. 要綱・基準・指導等
    地方公共団体が定める条例に基づかない強制力のない指導という位置づけであっても遵守することが望ましいもの。
  7. 業務・営業に関する手続き
    医療法・学校教育法・児童福祉法・大店舗立地法・工場立地法・風営法等に基づく許可・届出等。
  8. 宅地建物取引業法上の重要事項説明義務対象法令
    都市計画法・建築基準法を始め重要事項として説明すべき法令に基づく制限にかかる対象法令(全47法律)。

※5~7は通常オプション調査項目。 ※1の内、法第20条に基づく「構造計算の検証調査」は、オプション調査項目となる。

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建物遵法性調査(建築基準法適合判定調査)の世界

現在、企業のコンプライアンス(法令順守)意識が高まっていると感じる。

遵法性調査で建物の現地調査をしてみて思うのだが、日本の建築ストックには、使い勝手や経済性を優先しての違法行為や法的知識の不足による改修工事、用途変更によって不適合状態になっているものが多く見られる。

また、増改築、用途変更をしようとすると既存の建物に検査済証がないという場合も数多くある。

このような物件は遵法性が確認されないと、売買、賃貸、融資等の不動産取引において大きな損失を背負う。値引き交渉などの裏づけ資料となることも多い。

さらには火災などの重大な事故が起こった場合には企業の存続をも危うくすることにもなりかねない。

遵法性調査は、一般的には確認申請図書等の机上調査と現地調査との両面からの調査が必要なのだが、調査員には実務経験と法的知識が必要である。

実務経験で言えば、例えば壁を叩いてみて下地の予想がつく。熱感知器と煙感知器を見ただけで峻別できる。目視しただけで外壁や床が傾斜しているのではないかと疑いを持つ等など。

建築基準適合判定資格者や一級建築士の資格者が調査にあたるのだが、日本の資格者制度では、資格者=技術者ではなく 資格はあるが実務はさっぱりわからないという人が沢山いる。

指定確認検査機関は資格者は多いが、設計をしたことも天空率の計算、避難安全検証法の計算も、日影図もなにもやった事がない。建物の建設過程を見たこともない人が多く、それらの一級建築士が審査をし、そうした人達が審査実務経験を経て建築基準適合判定資格者に合格すれば建築検査員(通称として民間主事)になっていく。

しかし審査・検査はそれでもやれるというところが現在の確認制度の事務処理たる所以。

建築確認における法的領域は狭く建築基準法と関係規定(消防法・都市計画法等)だけだが、現在の建築プロジェクトにおいて関係する法令は、その何倍もあるのだ。

「建築ストックの再生と活用」をテーマに遵法性調査、法適合性調査の実務をやっていると豊富な設計監理実務経験と関連法や設備関係も含めた幅広い法的知識を持った人材が求められていると感じる。

経験を積んだシニア・シルバーの世代の活躍できる世界が広がっている。

*今、遵法性調査・法適合性調査の出来る次世代の人材を、業務を通じて育成中である。この分野に興味のある人は当社に連絡を